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私のついた席

席につく。
私に用意されたテーブル。
年季の入った温もりのある木のテーブル。
古いけどガタつくことはなくしっかりしている。
色は黒い茶色。おちつく。

猫が出迎えてくれたり
梟が出迎えてくれたり
優しい緑の葉っぱが揺れる
優しい風の優しい音がする

白湯を飲む。おちつく。

右手でお箸を口に運ぶ。
右側の鏡にもう1人の私が写る。
とても穏やかに食事をしている。
ひとつひとつの味を味わい
そこには美味しい顔をした私がいる。

もうひと口頬張る。
やっぱりゆるやかな顔をした私がいる。
私も含めてその鏡の中に写っているものが
動かない絵のように見える

私が動くので絵も動く。

鏡の絵をじっと見つめる。
私が写っているのだが
動く私も含めて完成される。

私のついた席に
新しい誰かが座れば
また新しい絵になって
その穏やかなひと時を写し出す

私の右目の端の方で
鏡の中の私が動く
アナベルのドライフラワーが鏡を飾っている。

ピアノの音楽は優しく流れ

そして店内はひとり貸し切りになった。

ごちそうさまでした♪

ありがとうもうひとりの私。







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