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ドイツの好きなところ

ドイツに来てから2週間が経ち、再び私は空港にいる。
約2年ぶりのドイツ滞在は、思いの外移動の繰り返しとなった。

先々週末は大学時代の親友に会いにロンドンに向かった。
実に6年ぶりの友人との邂逅は想像以上に楽しく、そして幸せなものだった。完全に私の趣味に付き合わせ、キューガーデン、ナショナルギャラリー、テートモダン美術館とひたすら歩くコース。

そして先週末はコペンハーゲンに向かった。
こちらもまた、友人に会うことが主目的だった。

直前にはドイツの他都市にも出張していたので、今回の旅行では実に3回も旅行したことになる。空港への行き帰りにすっかり慣れると同時に、真にリラックスできた。渡独前にずっと悪かった体調も、いつの間にか治った。

やはり私はここでリラックスできるんだな、と気づくと同時に、何がそんなに好きなのか改めて考えている。


・・・と、そんなことを考えている間に、いつの間にか日本に戻ってきてから2週間ほど経つ。久しぶりのヨーロッパ滞在は本当に楽しく、有意義なものだった。ヨーロッパでせっかく治った体調にまた不安を感じる今日この頃であるが、改めて、自分がドイツを好きなポイントを挙げてみよう。

  1. 食事が美味しい
    おそらく、ドイツをご存知の方も、そしてよく知らない方も驚くのではないかと思うが、私はドイツの食事が結構好きだ。正確にいうと、「ドイツの食材が好き」なのだと思う。子供の頃から味覚の中でも苦味が好きで、春の山菜が大好物、という人間である。当然、ルッコラや芽キャベツも大好きなのだが、日本ではいかんせん高い。これらの野菜をたらふく食べられるのがまず幸せ。
    日本の野菜やフルーツは年々甘くなっているように感じる。フルーツでも適度に酸味を感じたいので、ドイツでフルーツを買うのも好きだ。しかも安い。ちなみにドイツに来たらピクルスも絶対に買う。これもまた、異常に安い。そんなわけで、ドイツの市場もスーパーも私にとっては幸せの場所なのだ。(そして想像つくだろうが、酒、特にワインが大好きなのでドイツは最高。フランスももちろんいい。ただしロンドン・・・ロンドンは酒が高すぎて毎度びっくりする!)

  2. 生活空間の広さ
    ドイツに行って、電車に乗るとまず座席の大きさと広さに落ち着く。日本はなぜあんなに小さいのか・・・というと、もちろんそれは乗っている人間の大きさが違う、ということになるのだと思う。公共空間も基本的に天井が高く、その空間の作り方が好みである。私の身長165cmというのは日本女性としては比較的大きい方で、ここに10センチのヒールを履くと、日本では大抵の男性が私より小さい。電車でも吊り革がぶつかるし、空間を狭く感じることがある。一方ドイツでは私は「小さめの人」となるので、埋没できるし、かといって「小さすぎもしない」ので、手が届かないなどの不満もなく、過ごしやすい。

  3. 動物との関わり方
    これもまた大きなポイント。ドイツではもはや、どこに行くにも犬と一緒に移動できる。電車はもちろん、カフェにも普通に犬がいるし、誰もそれを気に留めない。犬を愛している私としては、これがとにかく羨ましい。(と同時に、あまりに犬がお利口すぎて毎度衝撃を受けるのだけど。)ここで愛犬と暮らせたら幸せだろうなぁ、といつも思う。日本ではペットはペットに過ぎなくて、東京都内でペット可の賃貸物件を探すのは至難の業だ。ペット可の物件の多くが築古か駅から遠く、人間が住みたいと思える家ではない。そんなこんなで、愛犬家の私も結局都内では犬を飼い始められなかった。

  4. 水が合う
    日本にいても硬水を飲んでいるので、基本的に欧州の水は自分に合う。体調が良くなるのも、おそらくこの水の違いが大きく影響していると思う。一方で、硬水は飲む分にはいいのだが髪にはあまりいい影響がないので、そこはちょっとマイナスポイント。

  5. なんだかわからないけど気が楽
    自分が「外国人」だからなのか何なのか、正直ここが一番よくわからない。けど、気が楽。分解すると、①言いたいことを言っていい(誰も言葉の裏を読まない)、②感情モロ出しで良い(だってみんな出てる)、③休みたい時は休んでいい(日曜はどこも開いてないから休むしかない)あたりなのかなぁと思う。ドイツにいると、罪悪感がない。裏を返せば、私は日本にいる時、おそらくそれを溜め込んでいる。結局は自分の中にある感情だから、日本でもそれを無くせられればいいのかもしれない。

  6. 「うるさい」けど「うるさくない」
    ドイツ人は、声が小さい。大きな声を出されるのがあまり得意でないので、自分はラテンの国には住めないと認識している。一方で、ドイツ人は本当におしゃべりだ。特に政治の話や、込み入った話になればなるほど、みんな喋り続ける。それがまた、好きだ。というか、自分もそういう人種なので、いつでも議論できて楽だなぁと思う。討論番組を見ても、皆ずっと喋り続けている。(でもフランスとかほどカオスじゃない。ここも大事。)


このほかにも、お金出せばすぐベルリンフィルが聴けるとか、どんだけ贅沢なんだ、と毎回思う。東京で聞くN響ももちろん素晴らしいのだけど、やはりちょっと別格だと思う。技術というより、精神世界の話なのかもしれない。「クラシック」と銘打たれているけれども、所詮は欧州の「クラシック」なのではないかーもちろん普遍性を持った美しさだとも思うけれど。

今回はロンドンとコペンハーゲンにも行って、改めて、他の欧州都市との違いも感じられた。(そしてそれがすごーく面白かった!)ドイツの好きなところが改めて浮かび上がり、そして今後の自分の生き方もなんとなく見えてきた気がしている。そろそろ、私も前に進もう。

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