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インテリアコラム③シンプルと殺風景の違い

ミニマリストのインテリア

ミニマリストシンプリストが雑誌やネットで取り上げられています。
ミニマリストは、ライフスタイルの1つとして認知され、定着してきました。

必要なモノ以外は置かない。
強い意志を感じる
すっきりとした空間の写真や映像を見る機会が増えました。
私はミニマリストにはなれませんが、良い面は取り入れていきたいと思い、注目しています。

動画のルームツアーで紹介されているミニマリストインテリアの特徴をざっくりまとめてみました。

リビングに置かれている家具は、ダイニングテーブルと椅子のみ。
ソファとTVは置かない。(以前はあったが処分した。)

明るい色の床材、白い壁、天井と扉。カーテンも無地のオフホワイト1枚のみ。
カーテンは窓の大きさに関係なく、天井から床までを覆うスタイル。

余談ですが、カーテンの掛け方は私も取り入れています。
さほど広くない空間では、カーテンを壁紙と同化させることで部屋を広く、さらに天井から床までを覆うと高さを強調する。
セオリーに基づいた考え方です。


1.インテリアに使う色数を絞る。白を基調にしているケースが多い。

2.家具は必要最低限に抑える。
白もしくは木肌色(薄い茶色)の
主張のないデザイン。

3.余計なものは持ち込まない。
特に生活臭のするものは排除する。

以上3点がインテリアの面に絞った特徴です。

収納内部の考え方は、ここでは触れません。

シンプルと殺風景の違い

2つの差が、どこで生まれるのかをミニマリストの方々が紹介する動画を比較し、考えてみました。

シンプルでスタイリッシュなインテリアは、参考にすべき事例として勉強になります。
今のスタイルに至るまでの考え方にぶれがなく、きちんとした軸のある思想を感じました。

そんな例が多々ありました。

反対に殺風景だと感じたインテリアには、ざわっとする違和感がありました。

紹介動画を見て、私が感じた違和感は、次の4つです。

1.片付いているというより、がらんとした印象だけが残る。

2.住む人(家族)の気配を感じない。

3.住む人(家族)の想いを感じない。

4.人の気配も、想いもない空間にも関わらず生活感だけが在る。

一番強く感じたのが3番です。
1人暮らしの場合は別として、配偶者や子どもがいる場合、彼らの想いは反映されているのだろうか?独りよがりで突っ走ってはいないだろうか?

インテリアデザイナーとして今まで1000件近く打ち合わせをしてきました。
特に私は、住宅が中心なので間取りから完成までの数ヶ月をお客さまと対峙しながら過ごすことになります。

家族間でインテリアに対する意見が一致することは、あまりなかったと思います。

例えば、夫はスタイリッシュでお洒落なモノトーンのインテリアを希望し、妻は木肌の温かみを感じる明るく柔らかい空間が良いと言われるのは、日常茶飯事です。

その差を話し合って、折り合いをつけ互いの妥協点を見つける作業の中で、家に対する想いが生まれてくると私は思います。

時には、意見が対立して険悪なムードになる場合もあれば、計画そのものが頓挫することもありました。(計画の延期や解約)
それぐらい真剣に考えている方が多いと感じました。

殺風景なインテリアには、諦念が感じられます。

諦念(ていねん)
望みを捨て、断念する心持ち

Weblio

家族間で意見が対立すると、片方が打ち合わせの舞台から降りてしまうことがあります。
そこには、家に対する想いも興味もありません。家が心地よい寛げる空間ではなく、ただの入れ物になってしまいます。

シンプルと殺風景の差は、そこに諦めではなく、家に対する想いがあるかどうかだと私は思います。

ご参考になれば、嬉しいです。

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