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𝑰 𝑳𝑶𝑽𝑬 ♨️

冷たくなった身体と共に、お風呂場に入り、あたたかいシャワーを出した瞬間、霧がかかる。

浴槽にお湯を張ると、湯氣が立ち昇る。

身体を湯に浸かる。

特に、何を、どうするでもない。

「あぁ~~~~」

声が漏れる、きづく間もなく、身体から声が漏れてしまっている。

冷えた脚の指の先から、じわじわじわじわと、足の裏、踵、脚首、脹脛、脛、膝、太腿、腰、腹…
段々と温かい温度が伝っていく。

氷が水に溶け音立てて、氷のバランスが崩れていくような。

水の雫、そのまた細かい粒子までも、絶え間なく、惜しみなく
降り注ぐ、降り注ぐ、降り注ぐ…
降り注いでいる、降り注いでいる、降り注いでいる…
わたしは、浴びている、浴びている、浴びている…
そのあいま、と、重なりが幾層にもなって広がっていく。

見えているような、見えていないような。
湯船から、ほこほこほこ、と霞のような水が昇る、昇る、昇る…。
寒い冬、外で肉まんを両手で抱え、かぶりついた瞬間の、ほっこりとした手触り、歯触り、肌触り、感触、零れる香りと笑顔。

寒さと温かさの抱き合わせは、温度、温もりを感じる。

 焼きたてのアップルパイにバニラアイスを乗せて口に頬張った時の、あの温かいのと冷たいのの、コンビネーションと初めて出逢った時。
フィギュアスケートのペアの競技を観戦したときの、阿吽の呼吸を目の当たりにした、胸の高鳴り。

氷点下の森の家で、薪火に火を焚べていくような、ジンジンと、凍てつく表面とは裏腹に、芯が温まっていく体感。

ただただ、その、湧き上がるものを感じていくとき、わたしは深く潜っている。

湯船と名がついているけれど、ほんとうに、浴槽という船を漕ぎ出し、どちらに舵を切るかも、さっぱり見当がつかない、果てのない冒険へ出るようだ。

ILove湯♨️BABY

今、この瞬間を、愛してる

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