【美しい日本語】海と空が、ひとつになる場所
「物語のある天然石のお守りアセクサリー」をお届けしております、作家のsarariです。
今日は、最近出会った「美しい日本語」をご紹介。
「水天一碧(すいてんいっぺき)」
意味は
私は、海まで車で数十分のところに暮らしています。
時折汽笛が聞こえてくる、風に乗って潮の香りが届く、そんな町に。
自然とときどき海を見に行くような暮らしになって、空と海が水平線で混じり合っているような様子が、私の好きな景色になった。
「水天一碧」は、私の好きな景色を表す、美しい日本語。
この言葉に出会えたことに、私は、とても感動しています。
「青」を表す漢字の違い
先日、「青」を表す漢字の違いについてパートナーと話をしました。
私の知っている青を表す言葉は、3つ。
ここからは、それぞれの色の違いについて、「和色大辞典」を参考にご紹介していきます。
「青」
私の中でこの「青」は、子供のおもちゃや洋服に使われるような、明るくてポップな印象のある青です。
普段の会話の中で使う青も、この色のイメージだなあと感じます。
「蒼」
調べてみて、アラびっくり。
私はずっと「蒼」を瑠璃色のような、「濃くて暗めの青」と認識していました。
しかし「和色大辞典」に登録されていた「蒼」は、ミントグリーンのように爽やかでかわいらしい色。
「蒼」という字には草かんむりがついていますが、同様に草かんむりのついている青系の色、「藍」。
その色のイメージがあったからか、「蒼も、きっと深い青のことなんだろう」と思っていました。
そこで「蒼」という言葉の意味を調べてみると
というふうに出た。
どうやら、私のイメージも間違ってはいない様子。
ちなみに私がイメージしていた「蒼」は、瑠璃色のような、こんな色です。
「蒼」は「和色大辞典」では若葉のように明るく、緑に近い色が登録されていましたが、「蒼」で画像を検索すると明るい物から濃く暗い色まで、多様にある様子。
どうやら「蒼」とは辞書の意味の通り、「草のあおい色」でもあり、「深い青色」でもある様子。
それを知って私はふと、日本人ならではの「曖昧さ」を感じました。
もちろん、良い意味で。
「碧」
「碧」は「あお」とも呼べますが、私の中では「みどり」と読むイメージの方が強い漢字です。
「和色大辞典」で「碧」と検索したところ、単体での色はなく、色を表す他の漢字と一緒に使われていました。
特に、最後の「青碧(せいへき)」。
私の中での「碧」は、やっぱり「みどり」と読むイメージが強く、「青碧」の色が一番イメージに近い感覚です。
ちなみに「碧」の意味は、
青でもあるし、緑でもある。
どちらとしても使えるし、どちらも正解。
また、「碧」には
という意味もある様子。
「碧玉」と聞いて私は翡翠をイメージしたのですが、どうやらまた違う石らしい。
勾玉に使われるような石で、英語で言うところの「ジャスパー」…。
というところまで調べて、頭の中が「?」でいっぱいになりました。
「結局、どんな石なんだろう?言葉だけじゃわからないぞ…」
そんな疑問がわいてきたので、画像も検索。
すべてがこの色ではなく、色々な種類があるとは思うのですが、特に多くヒットしたのがこの色の碧玉でした。
碧玉は、翡翠よりもずっとずっと濃い色が代表的なのかな?という印象。
ふだん使わない石なので、「碧」を調べたことで新しい石とも出会え、なんともほくほくとした気持ちです。
「水天一碧」の景色
どこまでも海が続いていて、どこまでも空がある。
そしてそれぞれの色が、水平線でひとつになる。
それが私の中にある「水天一碧」のイメージです。
私はときどき地元の海へ行って、そんな景色を見ます。
ただぼーっと空を見て、海を見て、風や波の音を聞くんです。
「この景色を、どんな言葉で表したらいいんだろう」
実はずっと、そんなことを考えていました。
「海と空が溶けあう景色」と言ってしまうことも出来たけれど、なんだか少し、物足りない気がして。
そんな時に出会ったのが「水天一碧」という言葉。
「水」は海、「天」は空。
それが「一つ」の「碧」になる。
パッと一言で私が伝えたい景色を、それぞれの漢字のイメージから明瞭に伝えることができる。
「私の探していた言葉だ」と、思いました。
美しい日本語との出会い
「水天一碧」との出会いは、新作のネーミングを考えていた時に訪れました。
ラピスラズリを使ったシンプルなピアス。
ラピスラズリの持つ色は、瑠璃色。
私にはこの色が、深い海の色にも見えたし、空の色…特に夜空の色にも見えた。
だから、作品名に選びました。
「水天一碧」という言葉を、この、ラピスラズリのピアスに。
作品をつくることは、言葉と出会うこと
私にとって作品を、お守りアクセサリーをつくることは、同時に、美しい日本語と出会うことでもあります。
美しい言葉と出会い、その言葉に、私の想いをのせて届ける。
その時間が、私を幸せにしてくれる。
ハンドメイド作家を続けようと思わせてくれる。
言葉があるから、お守りアクセサリーがある。
これからも美しい日本語と出会い、それと共に、私の想いも届けていけたら、嬉しいです。
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