親が亡くなった後のことを考えてはダメですか?
今住んでいる家は、40年以上前に母が苦労して建てた一軒家。
こう言っちゃなんですが、田舎づくりの無駄に広い家です。
冬はあちこちから風が入り込んでとても寒く、仏壇の水も凍るほど。
それでも自分がこだわりを持って建てた家なので、母はリフォームすることには大反対。
それが5~6年前、ちょうど周辺の下水工事が始まるタイミングで【母のため】という免罪符を使って、水周りだけはリフォームしました。
トイレもお風呂もキッチンも、それはそれはもう快適に。
あとは、外壁工事の業者さんがしつこくやってくるほどボロボロぶりな屋根と外壁。
そして寝室と、憧れの【こじんまりとした寒くないリビング】へのリフォームです。
母の部屋のリフォームは、その計画には入っていません。
なぜなら、母が亡くなった後のことなので。
2年前、母が認知症と診断されたあとに母の部屋の床や壁紙を張り替えようとしたことがありました。
だいぶ汚れているし、寒さ対策の断熱材も入れたいし。
ところがその時、リフォーム会社の方からこう言われました。
「認知症の方の部屋を変えるのは、かなり慎重にした方がいいですよ。」と。
認知症の親の寝室にベッドを置くため和室を洋室にリフォームしたが、どうしてもその親御さんがなじめず、結局また和室に戻した・・というお客さんのことを話してくれました。
確かに認知症の人は、ただでさえ環境の変化に敏感です。
それきり、母の部屋の話は無しに。
それでもその他のリフォームについては、今からあれこれ考えておかなければなりません。
資金繰りの話や、どこをどう直すか・・・など。
何といっても夫と私は、もう銀行でやすやすとはお金を貸してくれない年齢に。
すると息子がローンを組むことになるのですが、その話になるたびに息子から「まだそんな話はしたくない。」と、拒否されます。
ローンを組むことが嫌なんじゃなくて、「ばあちゃんが亡くなることを前提に話している」ことが嫌なんだそう。
それじゃまるで、私が血も涙もない親不孝娘のようではないですか。
正直なところ、それ程母に可愛がられた思い出もない私が、こうして毎日お世話をしているってだけで充分親孝行している、と自負しています。
なので、今日もこっそりネットで【リフォーム】と検索し、妄想しております。
すると息子からは「妄想なら、いくらしてもいいよ。」との許可が下りました。
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