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雨の日もあれば

 風の模様で分かれていても
     末は結ばる糸柳

久しぶりに妹に会った。結婚して
籍を入れた彼女に会うのは久しぶりだった。

相方とは付き合っている時に一度
妹と、パートナー、妹の友人、僕、
の4人で僕の家で水餃子パーティーを
開いて会ったことがあった。
不思議と初めて会ったのに、初めて
会った感じがまったくしなかった。

パートナーはとてもきさくな方で
話しやすくて安心した。

妹とはそれ以来の再会だった。
籍を入れた妹と会って感じたことは
なんだか妹というより、女になったなー
という印象であった。まあもちろん
めでたいことなんだけど。やはり
性が変わるというのは女性にとっては
変化が大きいのだろう。

川縁にこしかけ、話をした。
周囲には子供たちが川に入って遊んでいる。
両親は日陰に入り涼みながらかれらを
見守っていた。その光景を眺めていると
不思議と子供の頃の自分たちを思い出す。

結婚生活は順調らしい。なによりである。
お互い性格が似ているらしく、
休日は終日ごろんと寝るのが好きらしい。
二人ともほのぼのとした空気感で
側から見たらまあお似合いでよかった
なあと言った感じである。

ただ、少々大漢なところがあり、
母に小姑のように(というかまさしく
小姑なのだが)ダイエットするようにと
小言を言われているところを見ると、
まあまあとなだめたくなってくる。
結婚したらこんな感じで
ネチネチ小言が入んのかー
と思うと少し先が暗くなる。
まあそれは取り越し苦労だとして・・・。

それはともかく、家族やら友人やら
が結婚したりしてくると、人間関係の
空模様に変化が起こる。そこには自然と
雨の日もあれば、晴れの日もある。

そのようなことが日々の生活で
生じる時、ふとなぜか冒頭の都々逸
(7・7・7・5の韻文)が頭から
離れられないのであった。


   『禅語遊心』筑摩書房 玄侑宗久
               より引用

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