医療系の国家資格ってぶっちゃけどうなの?
私は医療系の国家資格を持っている。
看護師ではないが、病院や施設で働くに当たり、近年必要とされる資格である。
にも関わらず、仕事がきつい割に給与は低い。
身体的にも一生働くことはできないだろう。
看護師になりたいとつくづく思う。
仕事はきつくはなるが、相応の給与は得られる。少なくとも私がもつ資格よりもはるかに上だ。
言ってしまえば、私は療法士である。
リハビリテーション科で働く療法士は病気や怪我をすると必ず必要とされる。今は予防リハビリという新たな分野での活躍も期待されている。
しかし、発言権は医師や看護師よりはるかに下で、給与は手取り20万もない病院だって数多くある。
確かにこの資格があれば食いっぱぐれることはないだろう。夫婦片方が転勤があったとしても新天地で比較的すぐに職場を探せるし、パートとして働けば時間の融通は利く。
しかし、療法士1人の給与では家族を養っていくのは到底不可能である。
共働きをしてようやく一部上場企業の年収に届くか届かないかである。
この業界では療法士同士の結婚がなぜか多い。一方で女性看護師と結婚した男性療法士は勝ちだとも言われている。何故なら自分よりも奥様の方が収入があるからだ。
療法士も悪いところばかりではない。看護師には必ずつきものの「夜勤」というものがどこの施設に行ってもない。
夜勤がなく、夜は必ず家で過ごすことができるため、家族との時間はとることができる。
勿論、自分が何をしたいのかということを考えて国家資格を目指すことも大切だ。しかし、自分が生活をしていく上で何を大切にしたいか、を考えることも資格取得する上では重要なこととなる。
国家資格を持つことは決して悪いことではない。しかし、守られる代わりに得られるものも少ないのだ。
話は変わるが、自分自身、医療業界から転身して情報関連の仕事についたこともある。しかし、動きやすい服装で運動靴を履いて仕事をしていた私には、ハイヒールを履いて12時間働くことの方が精神的にも身体的にも辛かった。
結局その時はすぐ仕事を退職し、田舎の実家に帰ったのだが、なんだかんだでその資格があったからこそなんとか再就職ができた。
私は結局その資格に守られたのだ。
しかし、再び医療業界に戻ってきたのは、その仕事がしたいからではなく、ただ働くためだった。生きるためだった。
だからこそ、いまも空っぽのままなのだろう。何を大切にしたいか、なぜこの仕事をしているのか、よくわからないまま働いているから。
その答えをこの一年で出すつもりだったが、もう半年が経ってしまった。
あと半年でどこまで辿りつけるのか。
今から国家資格を考えている人は、どの国家資格が一番いいのかもう一度検討してほしい。
給与が少なくても日中帯のみの仕事を選ぶのか。
給与が多いけれども夜勤帯も働く仕事を選ぶのか。
人と関わりが少ないが就職先が少ない仕事を選ぶのか。
きっと、やりがいだけでは続かない。
大切にしたいものを明確にして。