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ポップスはパクリなしには進化しえない〜シティ・ポップの継承〜

実家で要らなくなった本やCDを整理していると、山下達郎、荒井由実、杏里のアルバムが出てきた。いずれも「シティ・ポップ」で知られるアーティスト。
2.3曲は知ってるものが収録されているが、3枚ともほとんどの曲名やアルバム名は知らない、91年のものだった。(僕が生まれる1年前)
そこまで古いものではないが、「掘り出し物だ」と思い、部屋のコンポで聴いてみた。

左から順に
NEUTRAL / 杏里
ARTISAN / 山下達郎
DAWN PURPLE / 松任谷由実

普段からシティ・ポップや和モノには触れているが、3枚ともすごく新鮮だった。
特に杏里とユーミン。
改めて、この手のポップスはいつまでもその古さを感じさせない気持ちの良い音楽だなと感心した。

ここで疑問に思う。
自分が生まれる前のアルバムを「古いと感じない」のは何故か?

ポップスはパクリなしに進化しない。

70年代〜80年代初期、洋楽の影響を全面的に受け、日本でさらに洗練された音楽「シティ・ポップ」は、国内だけでなく海外でも人気を得る。
それまで確固たる人気ジャンルであったロックミュージックとは、雰囲気も出現過程も全く異なる「新しい音楽」。

その「オリジナルのシティ・ポップ」が洋楽からの影響を受け、新しい音楽として人気ジャンルになったように、2010年代に流行する「次のシティ・ポップ」もやはり、R&Bやディスコといったブラックミュージックのグルーヴ感を持ち、今の音楽業界の大きなトレンドとなっている。

ポップス(大衆音楽)は、何かしらウケる理由がある。
ポップスは、そのウケる理由のパクリなしには進化し得ないのだ。
もし、それまで全く聴いたことない新たな音楽が生まれたとしても、それが少数だとしても誰かに影響を与え、パクられ、さらなる工夫がなされなければ、きっと一瞬の星の煌めきのように消え去ってしまう。

奇しくも同じ名前でカテゴライズされる新旧シティポップだが、その「既存をパクり進化させる」精神が受け継がれる限り、どちらも「新しい音楽」としていつ聴いても新鮮な空気感を持ち続ける。

#JPOP #CITYPOP #シティポップ #音楽

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