途上国の教育予算に占める先進国からの支援はX%?21世紀に求められる国際教育協力とは?

1. 持続的(Sustainable)な、途上国に対する教育支援とは?

みなさんこんにちは、理事の畠山です。私事(仕事?)であれですが、現在世界銀行のコンサルタントとして幼児教育のセクターを分析するのと、サルタックの現地スタッフ&インターンと一緒に研究をするためにネパールに来ています。

サルタックとしても、国際機関のスタッフとしても、ミシガン州立大学の博士課程の院生としても、私が一番考えているのは、いかにして質の高い有意義な教育を厳しい環境にある子供達に持続的に届けられるか?、ひいては貧困削減と平等な社会の実現を両立し続けられるかという点です。

サルタックとしては、如何にスタッフの給与とプロジェクトコストを支払い続けられるかが持続性の鍵ですが、途上国の一国単位で見ると持続性の鍵は一にも二にも教育財政になります。

そして、この途上国の教育財政に関して国際協力の観点からは双子の問題に直面します。それは、先進国から途上国に対する教育支援のvolatility(変動性)とunpredictability(予測不可能性)です。

日本でもそうであるように、ほぼ全ての途上国が5か年の開発計画・それの教育セクター版を持っています。この計画が効果的・効率的でかつ持続性を持つためには、向こう5年間で利用可能なリソースがある程度把握できていることが重要な条件となります。途上国の財政については、確かに一次産品や天然資源の大幅な価格変動の波に晒され如何ともし難くなることが見られますが、ある程度は経済予想・税率・教育セクターへの配分は安定的な予想を立てることができます。

それに対して、先進国からの支援は2-3年のサイクルで付けられる上、どこにどの程度付くのか予想が付かないため、教育計画を立案する上で大きな困難となっていました。さらに、過去の援助額の傾向から一体いくらぐらい支援を受けられるのかの予想も、先進国の現在の経済状況に大きく左右されてしまうため、極めて難しいもので、効果的・効率的・持続性のある教育計画を作成する上で大きな障害となっていました。

2. 途上国の教育予算に占める先進国からの支援の割合は僅かX割

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