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「マッチョな作り手宣言」日記|小野寺

リバイバルリバイバルリメイクリメイク、のエンタメ界を見ていると怖くなる。

作者様にとっては嬉しいだろうし、往年のファンももちろんテンションは上がるし、熱意と敬意を込めて制作された作品ならば見ればちゃんと伝わる。お金を落とす。

それでも、どうしても昨今の流れを見ていると「新しいものはどんどん生まれにくくなっているな」と思ってしまう。
監督やプロデューサーが育つ場所はあれど、作り手が育つ場所がなくなるのは恐ろしいことである。「アニメ大国」と世界に発信してきた国でもあるのだし(今回の話は、音楽、ドラマ、映画、漫画とあらゆるエンタメについてで、アニメに限ったことではないのだが)。

私は集英社の漫画で育ってきたので「KALDIで買ったものはなんでも美味い」くらいの感覚で集英社作品に絶大な信頼を寄せている。それもあって、近年描き手に向けて広い間口の漫画賞を設けたり、持ち込みを推奨している動きを陰ながら応援していて、企業としての正しい姿勢に頭を下げたい気持ちになる。作り手の体力が未来に続いていくように、現場の方達が心を砕いてくださっているのだと感じる。

ライターの仕事上、新卒採用においてものづくりを希望する人口は減っていると体感する。
なんか、色々、作って公開するのが簡単になっちゃった時代だからなんだろうな。

でもやっぱ、泥の粘土を捏ねるのは楽しい。し、それが世界に轟き何千万人の目にも触れる作品になれば、血沸き肉踊ることだろう、と思う。

カッコつけて書いたけど、私は決してONE PIECEやNARUTOを作りたいわけではないし、作れるわけもない(読みたい。読んで、超、ファンでいたい。考察したりキャラに憧れたりして気ままにはしゃぎたい)。

私の文章が、泣きたいのに泣けないあの子にとってのトリガーになれればそれで。

とか言って、控えめの隠蓑でぬくぬくしながらヒョロヒョロでいたって、成長はどこかで止まるよな。私だって人生の主人公、友情で鍛えた心で努力し続けて、勝利を掴み取りたいよな。景気の良い夢をここに書いておこう。両親に恥じない娘でいる。たくさんの人に愛されて死ぬ。直木賞の授賞式で登壇する。以上、解散!作り手であろうとする全ての人。各々の人生を、マッチョな精神で頑張りましょう。


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