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さて、欧州議会でユニバーサル・ベーシックインカムの会議

ケネディ兄弟、MLキング、ガルブレイスが躍動した1960年代、貧困の根絶は実現すべき社会目標だった。
彼らが殺され、新自由主義が台頭し、さらに、共産陣営の崩壊が新自由主義の蔓延に拍車をかけた。極右勢力もそれを後押しした。気がつけば、貧困は完全に個人の責任となり、みんな見て見ぬふりをするようになった。本来、人間誰もがもっている大きな共感力、困っている人は放って置けない性質は圧殺されたままだ。
私が、世界をまわって驚いたことは、貧しい人たちにモノやトレーニングを施す人は沢山いても、貧困を根絶することに真剣に取り組む人はいないということだった。

一方で、世界は常に変化し、人びとの意識も確かに変わっている。新自由主義は格差と衰退しかもたらさないことは、もう、世界の常識といっていい。

そして、ユニバーサル・ベーシックインカムが貧困根絶の唯一の方法で、それこそ実現すべき喫緊の政治課題だといって動き出すVIPが、こうして出てきた。

ベーシックインカムは、今では、世界のあちこちでパイロット・プロジェクトが行われている。かつて頻繁にあった「ベーシックインカムは社会をダメにする」という意見は、今では、ほとんど聞かれなくなった。実験によって、社会に良い効果をもたらすのは明らかになってきている。

問題は、ユニバーサル・ベーシックインカムの実現に必要なGDPの3割に相当する資金をどう確保するか?

富裕層に課税すべきだという意見は少なくないが、スムーズに合意できそうな具体的な提案は、実はどこにもない。

すでに多くの国で国民負担率は5割に達している。ベーシックインカムのおかげで不要になる年金、生活保護、失業保険などの資金では到底足りない。

そして、この社会のもう1つの根源的な問題は、まさにマネーシステムだ。

「あなたは、誰がおカネをつくっていると思いますか」?

多くの人はなんと答えるだろう?

正解は、そこいらの民間銀行。彼らが誰かにおカネを貸すとき、通帳に印字した瞬間におカネがうまれるのだ。本当にただの印字だ。こうして、私企業が利益目的のためにおカネを発行するから、実体経済よりはるかに過剰なマネーが存在するのに、多くの人が生活のためのおカネにこと欠く事態になる。まずは、マネーの発行ルールこそ見直すべき、それこそ、有意のスイスの市民たちが国民投票に持ち込んで訴えたことだ。

ベッぺ・グリッロは、「中央銀行によるベーシックインカム」という私の提案を聞いた瞬間、何の説明もしてないのに、「グレート・エンスージアズムでサポートする」といった。以来、何度も(ノーベル賞クラスも寄稿し、最高世界9位にランクされた)彼のブログに私の原稿を掲載してくれた。そして欧州議会選挙が差し迫る今、ユニバーサル・ベーシックインカムの会議を主催した。

さぁ、よく考えよう、そして自分の意見を言おう!
あなたにとっても本当に大事なことのはずだ。

やがて「中央銀行によるベーシックインカム」が唯一かつ最短ルートだと多くの人が気づく日が来るだろうと私は予想している。増税なんかもう無理だし、必要ない。いびつな通貨発行のルールを変えればいい!そうみんなが気づいたら合意が生まれる。時間の問題だと思うが、なるべくそれを早めるべきだ。日々、おカネ(印字と紙切れ)で苦悩している人が世界中で山のようにいる。あなたの人生はそんなことのためにあるんじゃない。だから、本当になるべく早く。私はそれにベストをつくす。自分だけ一抜けしたいとは微塵も思わない。多くの人の困難は共有する。

私は、ずっとベッぺ・グリッロに、ガンジーやMLキングのように、次の経済危機の後、欧州中銀まで行進してくれと言ってきた。そして、世界一斉にやろうと!
昨年末からは、6月の欧州選挙がいいタイミングかもしれないと言ってきた。そして、今回の会議。

ベッぺはかつて「イタリアのユーロ加盟は国民投票で決めるべきだ」と言って、ヨーロッパで一番危険な男と言われた。前回のイタリア第1党の創設者だ。数々のあり得ない現実を創ってきた。

そう、新しい社会の扉はひらける。


2024年4月10日、サルディーニャ島サッサリのショーの楽屋で

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