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#132 ロンドン🇬🇧でコーラに失恋した話

まえがき 〜 迷ったら、自分の気持ちに正直に

この記事は、長い間ずっと書きたかった記事です。書き上げて、友人数人に見せたところ、様々な反応を得ました。一度は、投稿はやめようと予定投稿を解除しました。でも、この記事はどうしても投稿したかったのです。
 最後に見せた友人には、「自分にとって大切な内容なら、やっぱり投稿した方がいいよ」と言ってもらえたので、残り少ない今月中に投稿します。感じたのは、人間は、法律に反しない限り、やはり思ったことを言わないと、どこかで心の歯車が狂ってしまうということです。自分の心の中の歯車を狂わせないためにも、この記事は投稿しようと思います。

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変なタイトルですね〜今日は会社員時代に経験した、あまりに不可思議すぎて今も真意を理解できずにいるある出来事について紹介したいと思います。みなさんがどう思うか、とても興味があります!



ロンドンでのお楽しみ

その年のイギリス出張は課題が多かったものの、思い通りの成果を上げて、次の目的地であるパリへ向かう時にはうきうきしていました。出張は社長と僕の二人で、出張の行程はいつも僕が組んでいたので、ロンドンのセント・パンクラス駅からユーロスターに乗って、パリ北駅に入るというルートでした。

そして、いつも楽しみにしていたのは、セント・パンクラスの駅ナカにあるイタリアン・レストランで食事をすること。ラザニアとレモネードが気に入っていて、その日もラザニアを食べ、生レモンを絞って作ったレモネードを楽しみました。仕事の結果も出たので、開放感もありました。レモネードといえばこの曲、More than Lemonade を思い出します。ぜひ読みながらお聴きください。

さて、コーラ登場

社長はコーラが好きな人で、いつも通りコーラを注文しました。僕もレモネードを飲んだあと、まだ少し喉が渇いたなとおもって、コーラを注文しました。上機嫌でコーラも飲み干して、二人で店を出て、ユーロスターでパリを目指しました。その年の出張がパリで終了だったのか、どこか他の国へも行ったかは覚えていませんが、とにかく出張は大成功で、本社に帰っていい報告ができると社長と二人で胸を撫で下ろしました。

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唯一の汚点⁈

いざ帰国便となり、夕食前に打ち合わせ兼反省会のようなことをしました。そこで社長が次のように話し始めました。

今回の出張は大成功だったと思う。よくやってくれた。本社に帰っても堂々と報告できる。ただ、一つだけまずいことがあったので、覚えておいてほしい。その一点を除いては、よくできたと思う。ありがとう。

こう言われるととても気になります。さて、何が「一つだけまずいこと」だったのでしょうか?みなさん、想像つきますか?答えは実はこの記事のこれまでの部分に書かれています。社長は続けました。

ロンドンで食事した時、レモネードのあとにコーラを頼んだだろう?あれはまずかった。飲み物は一杯で十分だ。日本円で800円くらいだったから金額がどうこうではなく、会社のお金を1円でも節約しようという気持ちが感じられない。あれさえなければ、完璧な出張だったんだけどなあ……(食事代は会社の経費)

最後の「あれさえなければ、完璧な出張だったんだけどなあ……」が印象に残っています。みなさんがお勤めの会社も、こんな感じでしょうか?

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真っ二つに分かれる反応

おそらく、「そうそう、その通り、値段ではなくて1円でも節約しようという気持ちが大切」という人と、「ビジネス的に成功した出張の最後にそんなことを言って、社員の気持ちをくじくなんて」という人に分かれるのではないでしょうか。答えはないのかもしれません。しかし僕が思ったことは次の通りです。

関連他社には、「日当を出しているのだから、出張中の食事代は自分持ち」という会社もあることを知っていました。本当に「1円でも節約」が一番大切なら、そうすればいいはずで、そうでないなら、ビジネスが成功したあとの食事には、打ち上げ的な要素もあって自然だと思います。

それでも、多く注文しすぎて料理を食べ残してしまった、ということであれば注意されるのも分かるのですが、喉が渇いて頼んだコーラが「唯一の汚点」だったとは……言葉を失いました。「よし、うまく行った。次もがんばるぞ」という僕のやる気よりも、「コーラを頼まない」という節約の気持ちの方が大切なのかと思うと、悲しいを通り越して、「この会社は、何を大切にしたいのだろう?」と思うようになりました。
 ひょっとすると社長の意図は、経費の節約ではなく何か他のところにあったのかもしれません。でも別々の人間ですから、それを理解しろというのは無理な相談です。言葉にして伝えてもらわないと、分からないことがたくさんあります。先の投稿「#128 子どもができたら、先生になったら」でもその点について触れました。

さらっと最初に、「経費だから、ワンフード&ワンドリンクだからね」と言ってくれればいいのに、と思いました。それとも、「そんなことは言われなくても分かる」のが、社会人の常識なのでしょうか?

僕が社長なら、社員が遠慮せずに2杯目の飲み物を頼めるような社内の雰囲気を選びたいと思います。財務状況的にそれが無理なら、「出張中の食事は自分持ち」と最初に説明します。何事も明示的に言葉にする方が、より多くの人にやさしくいられると思います。

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あの駅に、置いてきたもの

あの日以来、大好きだったセント・パンクラスの駅には行っていません。そして、直接の原因になったわけではないにせよ、「この会社は、何を大切にしたいのだろう?」という疑問が大きくなり、その会社は退職しました。

レモネードって、飲み物以上だと思う

ロンドンというより、僕はセント・パンクラスの駅に特別な思い入れがあります。近いうちにまたあそこへ行って、大好きだったラザニアを食べ、レモネードを飲んだ後、note の記事でも読みながら、やはり最後にコーラを頼もうと思います。自分のお金で頼むのだから、誰にも文句は言われないはずです。

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あとがき 〜 この記事にもらった勇気

上に書いたのとは別の会社に勤めていた頃、会議などで自分の業務に関する内容が論じられた時、「意見があっても言わないのが大人の対応だ」というようなことをあからさまに言われて、$${「?^{100}」}$$となりました。意見を言うと会議が長引くから、という理由のようでしたが、業務の効率が悪い状態を放置すれば、会社にとっては会議時間以上の損失になるはずです。
 僕は、「黙っているだけなら幼稚園児にでもできる。みんなが議論を避けていることをあえて発言する勇気こそ、大人の証拠だ」と思います。これからも、自分が大切だと思ったことは、大人の責任として、きちんと発信しようと思います。

ところで、ヘッダ画像は昔のコカ・コーラの宣伝ですが、「疲労を回復させる、世界一スッキリした飲み物」と書かれています。当時はそういう飲み物だったのかもしれませんね。

今日もお読みくださって、ありがとうございました🍋
(2024年4月28日)


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