見出し画像

夢を語ることは、ナイーブか?

VISION DRIVEN-直感と論理をつなぐ思考法、本日発売になります。

個人的には1人目の子どものちょうど生まれたタイミングで、1冊目「21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由」が発売され、それから3年、2人目の子どもが生まれ、数ヶ月がたってからの発売と言うことで、4人目の子どもの出産に臨むような気持ちです。

この本を書くきっかけとなったのが、元日本代表岡田武史監督との出会いです。

「夢は無形資産を動かし、無形資産が動けば有形資産が動く。」

「最近、大人が夢を語るのを聞く機会が減ったように思う。大人はもっと夢を語るべきなのではないか?」

今、FC今治のオーナーとして活動されている岡田さんは、岡田さんが日本代表を通じて培ってきた岡田メソッドを日本サッカーのスタンダードにしたい、と言う動機から始まり、FC今治のオーナーとなってJ1昇格を目指しています。しかし、その昇格条件として、今治近郊だけでは観客動員が見込めません。そこで、今治に新たな産業を作って人を呼び込もう、と言うことで、スポーツX教育Xヘルスケアなどの新たな産業を作ろうとしています。

その妄想とも言える構想を訥々と語る岡田さんの言葉は、当時の僕に深く響きました。ちょうど娘が生まれたタイミング、BIOTOPEでは企業のビジョンを作るような仕事も増えていました。2030年ー2035年等、10−20年後の未来を考えていると、それは当然自分もまだ現役で社会に責任を持つ立場になっていると同時に、娘や息子たちが成人して行く時代の社会を作ることだと言うことに気づきます。

僕らがイノベーションプロジェクトとして何をやるかと言うことは、「自分たちが実現したい世界を楽しくやって行くこと」が必要なのと同時に、「僕たちの息子や娘に何を残したいか」、と思想を問われると言うことなのです。

そのために必要なものは何か、と言うことを考えた時に、課題解決の連鎖を超えた、僕らの生活を彩る未来像を描いて持っておくことが何より大事だと思ったのです。

岡田さんはこの本を生んだきっかけを作った方であり、冒頭の言葉はそのきっかけとなりました。そのきっかけを頂いた岡田さんに、この本の推薦文を頂くことができました。

「夢を語れば無形資産が集まり、それが有形資産を動かす。本書は『変化』だ『成長』だと振り回されている現代人の目を覚まさせてくれる啓示書だ」

この本の推薦をお願いした時に待ち合わせ場所で岡田さんは、

「佐宗。これすごい面白いかったよ!」

と言って会うなり、肩を叩いてくれました。感激しました。自分の書いた根拠のない妄想を人に見せる時は、何より怖いものです。しかし、岡田さんのその言葉は再び僕に大きなエネルギーをくれました。

世界に挑戦する選手たちに勇気を与えてきたのは、この人柄とエネルギーだったからこそなのだ、と思わせてくれるエピソードでした。

いよいよ、「VISION DRIVEN-直感と論理をつなぐ思考法」、本日発売です。

購入はこちら

章立て:

はじめに 「単なる妄想」と「価値あるアイデア」のあいだ

第1章 「直感と論理」をめぐる世界の地図
・「カイゼンの民」に迫りくる自動化とVUCAの脅威
・デザイン思考の3つのシンプルな本質
・4つの思考サイクルの違い――ビジョン思考とは? …など

第2章 最も人間らしく考える
・人が「自分らしい思考」を喪失する4つの原因
・「余白づくり」がすべての起点になる
・「頭」で考えていては淘汰される。「手」で考えるには? …など

第3章 すべては「妄想」からはじまる
・根拠なき大風呂敷を嫌う「前年比至上主義」―イシューとビジョン
・「10%成長」よりも「10倍成長」を考える―ムーンショット
・「感情アウトプット」するモーニング・ジャーナリング
・創造の「テンション」を引き出す―魔法の問いかけ …など

第4章 世界を複雑なまま「知覚」せよ
・知覚力を磨くには?―頭を「タコツボ化」させない方法
・「手さぐり上手」が生き残る―センス・メイキング理論
・妄想を1枚の絵にする「ビジョン・スケッチ」
・モード切り替え力を高める「クラウドハント」の技法 …など

第5章 凡庸さを克服する「組替」の技法
・最初は「つまらない妄想」からはじめたほうがいい
・「箇条書き」はアイデアを固定してしまう
・「組替力」を飛躍的に高める「可動式メモ術」
・「アナロジー的な認知」を促す3つのチェックポイント …など

第6章 「表現」しなきゃ思考じゃない!
・イタレーション(反復)が「手で考える」のカギ
・早めの失敗は儲けもの―「鳥の目」と「虫の目」
・「手で考える」を邪魔するもの―表現の余白づくり1
・記憶力と創造性が高まる「ビジュアルメモ」 …など

終章 「妄想」が世界を変える?
・改めて問う、なぜ「自分モード」からはじめるのか?
・アーティストの成長に見る「妄想を具体化する技術」の磨き方
・妄想を「社会の文脈」から問い直してみる―真・善・美

おわりに 夢が無形資産を動かす時代

参考:Number Web 「FC今治新スタジアムはこだわり満載!岡田オーナーは自分の足で確かめる。」
岡田さんがFC今治の新スタジアムを作る際には、岡田さんのスタジアムのビジョンを引き出してパンフレットにするような仕事もさせていただきました。とっても短い時間での納期でしたが、岡田さんの夢を実現する1部にでも関われたのは嬉しいことでしたhttps://number.bunshun.jp/articles/-/828888?page=3&fbclid=IwAR38H-iFEUqP2SnkVlPukwqkHRxw4y42qUGcjeVy6_OFzsS7Yq6YbpKFG8A


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?