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エンジニアから球団職員になって3回目の開幕を迎えた

球春到来。今年もプロ野球が開幕しました。
横浜にあるプロ野球団で球団職員を始めて3年目。3回目の開幕を迎えました。

ひとつの区切りとして、この仕事に興味がある人のためになればと思い、これまでの仕事を振り返ってみたいと思います。

これまでの経歴

- 高専の情報工学科を卒業
- NTT系にてSIer: 半年
- 写真共有アプリのベンチャーでエンジニア: 2年
- フリーランスとして複数社のCTO/事業立ち上げ等: 3年
- 球団職員: 3年目

入社してからの主な仕事

- 事業系システム(公式HP, EC, アプリ等)のディレクションと運用
- 事業のIT(デジタル)戦略/施策検討
- 会員IDの再設計
- 複数の既存システムリプレース

宣伝会議のデジタルマーケター特集に載ったりもしました。

その他書けない仕事もありますが、球団のIT担当としてざっくりと「球団の事業を成長させるために必要なIT/デジタル関連業務」をやっています。

球団職員の良さ

いくつかありますが、抜粋して3つほど紹介します。

①スポーツビジネスのど真ん中で働くことができる

最近になって少しずつホットになってきているスポーツビジネス。
サイバーエージェントがFC町田ゼルビアを買収したり、DMMがベルギーのシント・トロイデンを買収したり、mixiがFC東京と東京ヤクルトスワローズをスポンサードしたりとITベンチャーが続々と参入してきています。

僕はもともと野球をしていたのもありスポーツが好きです。
そのスポーツを多くの人に届けるスポーツビジネスに関われることは幸せです。

②多くの利用者がいる幅広いシステムに携わることができる

球団には既にファンの方々がいて、球団が提供するシステムはリリース直後から多くの利用者がいます。
スタートアップで働いていた時とはまた違うプレッシャーを日々感じています。
(誤解のないようにですが、スタートアップのように徐々に利用者を獲得していく仕事は好きです)

また、入社してから気づきましたがシステムの幅がとても広いです。
球団には、
- 公式HP
- アプリ(電子チケット, ゲーム)
- CRM
- EC(チケット, グッズ)
- POSや在庫管理システム
など、事業に携わるシステムが多岐にわたります。
入社前はスマホアプリがメインであったため、知らないシステムばかりです。
共通する点はあるものの、各システムの特性や文化などを日々勉強しています。

③プロ野球が好きな人が集まるので仕事に対する姿勢が良い

これは本当に最高です。
ベンチャーも"このサービスが好きだから"、"この会社が好きだから"働いているという文化がありますが、それに共通するものがあります。

各々がプロ野球事業が好きでそのために必死に仕事をしているという雰囲気があります。
これは他球団の職員さんや他のスポーツに携わる方々にも共通します。

改めてこういった業界で働けるのは幸せだなと。

球団職員でのつらい(つらかった)こと

ポジティブなことを書いたらネガティブなことも書かないとフェアじゃないので、主な一点だけ。

ITへの理解がまだ薄い

先述したとおりITベンチャーが進出しているスポーツ業界ですが、全くIT人材/投資が足りていません。
入社当時、エンジニアとしてシステムを作ってきた人間は社内にいませんでした。
さらに、他球団さんとお話をしていてもIT担当がそもそもいなかったりします。

そうなるとどうなるかと言うと、多岐にわたるシステムがITを理解している人間のレビューなしに導入され、運用され続けることになります。

それで業務が回っていれば良いですが、誰が決めたかわからない複雑な仕様を受け入れてなんとか運用でカバーし続ける状態となり、ヘルシーでなくなります。

幸いにも弊球団は理解が非常に進んでいて、既存システムのリプレースやIT/デジタル分野の新規事業も走り始めています。

↑死にかけた今年のリリース祭り。

働いている人たちの熱量と頑張りでなんとか回っているというのがスボーツビジネスの現実であるため、少しでもIT人材が流入し、システム/業務の最適化と新たな収入源の獲得がこの業界をより健全にしていくのではないかと考えています。

細かいつらみは書き始めるとたくさんありますが、大きくは上記の一点に集約されます。
(且つ自分の行動で変化させられることなので。変化させられないことは考えないことにした)

なぜこの業界で働いているか

僕はIT、デジタルの力を信じています。
ITはある情報をより遠くの、より多くの人に伝えられる伝送路のテクノロジーです。
且つ、プロスポーツは人に感動や興奮を与え、生活に活力を与える力を持っています。

プロスポーツの業界でITをやるということは、プロスポーツの持っている力をより多くの人に届ける、そんな仕事だと思っています。

観戦体験の向上や、デジタルマーケティングを通した事業の成長、興行運営の最適化、新規事業等、まだまだこの業界でやれることは無限にあるので、もう少し頑張ってみようと思っています。


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