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【ゆかしきもの】着物の保管について


こんにちは、着物コーディネーターさとです。

先日、夫の親戚から着物をたくさんいただいたのですが、
樟脳とカビで、すぐに着用できる状態の着物は1枚もなく…
ただいまお手入れに大変苦しんでいます。笑

クリーニングに出してしまえば1番簡単なのですが、
枚数が膨大でそこまでコストを掛けたくないな、とも思います。
ウールの着物が多かったので、セルフクリーニングをしてみています。

以前書いたクリーニングの記事はこちら。



こういう着物を頂くたびに、
着物ってホントに保管が大事だなぁ、とつくづく思います。
大抵の人は普段は着物を着ないので、しまいっぱなしになりがちです。
何年もしまいっぱなしの着物の多くは、着られる状態にするまでに、手間もコストもかかります。

というわけで、
今日は着物の自宅での保管方法について書いてみようと思います。


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私がよく出会う「しまいっぱなしの着物」の問題点の多くは、以下の2点です。
①樟脳のニオイ
②カビ

では、この2点を発生させないためにはどうすればよいでしょう?

①樟脳のニオイ


よく誤解されているな、と思うのが①樟脳なのですが、
一般的に「樟脳のニオイ」と呼ばれているあの臭いって、
実は「ナフタリン」という合成防虫剤のニオイなんですよね。

樟脳の原料はクスノキです。
樟脳にもニオイがあって、それが防虫効果に結びついています。
しかも、天然素材なので結構良いお値段です。
ナフタリンとはちょっと違う匂いで、ミントみたいなすーっとした匂いがしますよ。
生成段階で採取される精油も、アロマとして人気があるみたいです。

で、肝心の保管方法なのですが、
現代はナフタリンのようなニオイのキツい防虫剤ではなく、
無臭タイプのものも結構色々あります。
実は私自身がナフタリンアレルギーなので、
防虫剤については色々な選択肢があることを知った上で選べると全然違う!
というのを身をもって体験しています。笑
防虫剤を選ぶ際は、ぜひ合成防虫剤以外の防虫剤も探してみて下さい。

一度ついてしまった樟脳のニオイ対策については、
また別の機会に書いてみようと思います。


②カビ


カビに関してはあんまり見たことがない方もいるかもしれないですが、
何日も干してもニオイが取れない古着の着物のニオイの原因って、
実はカビ!という事が多いです。
カビとナフタリンの合わせ技ですね…

着物の地糊は、カビの発生原因になってしまう事が多いようです。
カビの発生し易い環境はやっぱり「高温多湿」で風通しが悪い環境。
カビの発生条件などについてはダスキンのHPが分かり易かったので、
リンクを貼らせていただきます。


大体湿度70%以上、気温20~30℃くらいがカビが活発になる環境のようです。

さて、私が着物の保管についてよく聞くのは
・桐箪笥は着物の保管に最適!
・たとう紙に入れておくと安心!

という2点なのですが、どちらも正解ではあるのですが不十分です。

桐箪笥は確かに通気性に優れていますが、
昔の住宅ってスキマ風すっかすかだったのですが、現代の住宅は冬に窓が結露する密閉性です。
そんな現代の住宅では、桐箪笥の通気性だけでは十分とは言いがたいです。

現に、私も桐箪笥で着物を保管しているのですが、
長期間着物の入れ替えをしていない引き出しは湿気が溜まっているなぁ、と感じることがあります。

また、昔のたとう紙は手漉きの和紙だったと思いますが、
現在の安価なたとう紙は、プラスチック混のものが多いです。
そして、和紙のたとう紙に入れていても、
クローゼット自体の密閉性が高ければ意味がないです。

つまり、
カビの発生条件を満たさないこと!
何を使うか、よりもコチラのほうがずっと大切ですよね。
現代の住宅事情では「これで安心」という保管環境を叶えるのはちょっと難しいです。


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これはあくまで個人的な実践に基づいた考察なので、
あくまで「私の思う保管方法」です。
これさえ守ればいい!というものではなくて、
ベストな保管方法もケースバイケースで、個人によって変わりますよね。
やり方よりも結果を重視したら、より良い方法が見つかると私は思っています。
あと、これはあくまで私の意見ですが、
着物はちょこちょこ着るのが1番長持ちします。
長期保管して箪笥の肥やしにするより、その着物、着てお出かけしませんか?




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