見出し画像

【レポ】創立150周年!東京国立博物館の目指す未来


こんにちは、宮寺理美です。

2022年3月で創立150周年を迎える、
東京国立博物館の150周年報道発表会にお招きいただきました。
(サラッと書いたつもりですが、本当に嬉しくてワックワクでした。笑)

画像1


報道発表会は館長の銭谷様からのご挨拶から始まりました。

創立140周年から”日本の文化を未来と世界につなげる博物館”を目指した
”トーハク新時代プラン”に沿って計画を進められていたこと、
文化の魅力や博物館の楽しさを、より多くの方と分かち合うための施策等のお話がありました。
2020年以降、東京国立博物館も、コロナ禍により臨時休館や時短営業を余儀なくされましたが、
「なぜ博物館が必要なのかを改めて考えるきっかけとなった」
という言葉が、大変印象深かったです。

創立150周年記念特設サイトも既に公開されています。



続いて、150周年キービジュアルや創立150周年記念ロゴマークについて、
広報室長の鬼頭様より話がありました。

画像2

画像3


創立150周年記念ロゴマークは唐草紋モチーフ。
唐草紋はシルクロードを経て日本に伝来した文様です。
創立150周年のテーマにぴったりです!

画像4


実は、東京国立博物館の館内にも、
色々なところに唐草紋があしらわれています。

画像5


こちらは本館1階の休憩所の壁面。
日の光が入るとキラキラ輝くモザイクタイルです。
東京国立博物館のミュージアムショップで販売されている手拭いで、
この壁面の柄の手拭いがあるんですよ!すごく可愛いのでオススメです。
ミュージアムショップはこちら


画像6



こちらは本館の階段。手前のライトの装飾も唐草紋です。

この他にも、表慶館の階段などにも唐草紋があしらわれています。
唐草紋を探しながらの鑑賞も楽しいかもしれません♪

続いて、平常展調整室長の皿井様から、創立150周年記念特集展示の解説がありました。
2022年は年間で30回弱の展示を予定しており、
※なんと通常の1.5倍!
いつ来ても創立150周年記念を満喫できる年になるのだとか。
すごく楽しみ…!
でも、トーハクの展示は通常運転でも超盛りだくさんなので、
見逃さないように注意しなくては!!!笑

チラッと創立150周年記念特集展示もご紹介いただきました。

画像4


2022年4月12日から本館で開催予定の『未来の国宝』では、
「国宝には指定されていないけど、これは!という選りすぐりの逸品」
をセレクトして展示されるとの事。
(えっ…なにそれめっちゃワクワクするやつ…)
と思いながらマスクの下でニヤニヤしていました。笑

画像5


2022年4月5日から本館で開催予定の『東京国立博物館の近世仏画ー伝統と変相ー』は、
これまで紹介される機会の少なかった、近世の仏画が結集するそうです。
どちらも知られざる逸品にスポットを当てる企画ですね。

法隆寺宝物館では、2022年10月18日より、
『古代染織の保存と修理ー50年にわたる取り組みー』を開催予定です。
2022年は法隆寺献納宝物の染織品修理が始まって50年の節目でもあるそうです。
古代の貴重な染織品を守る取り組みをじっくり見ることができるなんて、なかなか無い機会かと思います!

この他にもまだまだたくさんの企画があるそうです。
最新情報は決まり次第発表となるので、
今のうちに東京国立博物館(トーハク)広報室Twitterをフォローしておくのがオススメです。

また、調査研究課長の松嶋様より、
2020年から始まった新しい取り組みのお話もありました。

画像9


2020年より、東京国立博物館とNHKの共同研究『みんなの8K文化財』が始動しています。
文化財を最新テクノロジーで3DCGにするという新しい取り組みで、
このテクノロジーを様々なデジタルツールと組み合わせることによって、
今までになかった新しい鑑賞方法を提案する、という内容でした。

文化財の展示品って、柵の向こうから眺めたり、オペラグラスを使ったり、
ちょっと離れて鑑賞するケースが多いんです。
しかし、このテクノロジーを使うと、
立体映像でめっっっちゃ至近距離で文化財を鑑賞したり、土偶の中に入る体験ができるのだそうです。
最新テクノロジーなのに古い映画に例えて恐縮ですが、笑
『ミクロの決死圏』みたい…!!と興奮しました。

NHKBSで放送中の『見たことのない文化財』では、すでにこのような技術が活用されているそうです。
ナビゲーターは女優の杏さん。
ご興味のある方は是非チェックしてみてください。

続いて、登録室長(兼)貸与特別観覧室長・本展ワーキンググループチーフの佐藤様より、
創立150周年記念 特別展『国宝 東京国立博物館のすべて』についてのご説明がありました。

画像8


「誇大広告のように思われるかもしれませんが、
本当にすべてをご紹介します!!」
と、ユーモアを交えてご説明して下さいました。ほっこり。

東京国立博物館が所蔵する国宝の数は89。日本一です。
創立150周年を記念して、これらの国宝がすべて展示される、日本初の展示が開催されるのだそうです。
これは期待が高まります…!

しかし、創立150周年の特別展はこれだけではありませんでした…
国立博物館のスタートは1872年、湯島聖堂で開催した博覧会です。
なんと、創立150周年を記念して、現存している当時の展示品も結集。
さらに、100年前に本館に展示されており、
現在は国立科学博物館に展示されているキリンちゃんの剥製が、
100年ぶりに実家(本館)に帰ってくるんだそうです。

当時、展示品を見て感動した人々の見た光景を追体験できる、
時を越えた素敵な特別展だと感じました。
100年前の展示ケースを使用して当時の展示手法を再現するプランもあるのだとか。
とっても楽しみです!!

画像11


続いて、総務課長の竹之内様より、
2022年のコラボレーショングッズについてご説明いただきました。
美術館のグッズ展開はとっても気になるところ!
東京国立博物館では、三越伊勢丹をはじめ、2022年も民間企業とのコラボレーショングッズを展開予定なのだそうです。
「博物館に足を運びたくなるような商品」との事で、今から楽しみです♪

また、創立150周年を迎えるにあたり、
『東京国立博物館百五十年史』を刊行することも発表されました。
学術資料としてだけではなく、一般の方々にもわかりやすい『百五十年史』をめざします、との事です。



壇上に立たれた方々、ひとりひとりが使命に燃えた目をしていたのがとても印象的でした。
そして、150周年キービジュアルの『150年後もお待ちしています。』のキャッチコピーに、責任感と決意を感じました。
150年もの間、博物館を運営し、文化財を守るのは、並大抵の事ではありません。
1923年の関東大震災による本館の損壊や、
太平洋戦争中は美術品を疎開して守った歴史を持つ、
東京国立博物館の語る「これから」は、大変力強いメッセージで溢れていました。
2022年の東京国立博物館に足を運ぶのが、さらに楽しみになりました。


画像12




余談すぎる余談ですが、笑
この日は「東京国立博物館といえば唐草でしょ!」と、
唐草があしらわれたアンティーク着物で馳せ参じました。
ロゴマークとお揃いっぽくて、1人で大興奮しておりました。
(休憩した喫茶店で記念撮影しました。笑)

画像10



展示の内容や博物館のイメージに合わせて着物を選ぶのも、
私なりの博物館の楽しみ方のひとつです。