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重い瞼と、飲むヨーグルト

いつもと同じ時間に寝て、いつもと同じ時間に起きたはずなのに。眠い。眠すぎる。身体のあちこちにいる、ありとあらゆる睡魔が私に襲いかかってくる。なぜだ。


最近の私は生活リズムを整えるために、起きる時間と寝る時間を揃えている。とはいえ、簡単にはうまくいかない。

大抵、起きる時間はその日の体調や気分によってバラバラ。自分なりに努力はしているけれど、決めた時間に起きられなかった時の絶望感は計り知れない。

今日は決めた時間に起床。夏が近づいているからか、朝起きると太陽はすでに辺り一面を照らし始めていた。

この時期特有の、朝の涼しい風が私の身体をするりと器用に避けていく。ちょっと冷たいくらいが、眠気覚ましにはちょうどいい。

しかし高速バスに乗った途端、せっかく眠りかけていた睡魔が一気に目を覚ました。私を再び眠りの世界へと誘う。

私はその罠にまんまと引っかかった。睡魔に引きずられるようにして、私は眠りの世界に足を踏み入れる。1時間ほどの睡眠。夢は見ない。

ふと目を覚ましたら、バスはすでに高速道路を降りていた。もう少しで目的のバス停に着く。でも睡魔は、私の手を離してくれない。私の瞼は鉛のように重かった。


重い瞼をなんとか押し上げて、席を立つ。眠気で身体が倒れないように気をつけながら、通勤通学の人でごった返すバス停に私は降り立った。

家を出た時とは明らかに異なる、生ぬるい風。強い日差し。まだ眠気が覚めきっていない私には、少し強すぎるくらいの刺激だった。梅雨に入ったか入っていないかの瀬戸際だというのに、もう梅雨が明けたかのような空気を感じる。

そんな空気をかき分けながら、近くのコンビニに入った。お昼を跨いだ用事だから、昼ご飯を買いに来たのだ。

こういう時、私の頭は眠気に支配されているから、なるべく直感と気分を信じて選ぶようにしている。できるだけおにぎり。気分がコロッと変わればパンを選ぶけれど、今のところは100%おにぎりを選んでいる。

おにぎりのお供に選ぶのは、野菜ジュース。砂糖不使用で、1日に必要な量の野菜がギュッと詰め込まれているもの。サラダ本体は値段が高いので、安くて手っ取り早く飲める野菜ジュースを私は重宝している。


ついこの間まではりんごの果肉が入った、飲むヨーグルトも買っていたのだけれど。最近見かけなくなってしまった。代わりにそのスペースを占拠しているのは、パイナップルの果肉が入ったもの。

パイナップルは大好きだけれど、りんごの飲むヨーグルトよりも微妙に高くて、個人的に手を出しにくい。それに、陳列棚を通る度に私は、りんごの飲むヨーグルトを思い出して、朝から切なくなる。

せっかくりんごが置かれていた場所なのに、パイナップルがしれっと占拠しているなんて。単純に季節の問題なのだろうけれど、飲むヨーグルト同士の仁義なき戦いを目の当たりにしているようで、切ない。りんごの飲むヨーグルトよ、戻ってきて。


今朝のことを詳細に書いてみたら、普段見過ごしている発見が多くあった。

どことなくドラマチックのような気もするし、切ない気もする。物語が淡々と進む小説にも見えてくる。

私の文章を読んでどう思ったかは、あなたの自由だ。


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