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伊勢と浜松の旅:後編 浜松

はじめに

これは2024.1.11-12のできごとです。
前編はこちら。

友人と合流

近鉄の車両はかっこいい
内装もすっきりしてていい

宿をチェックアウトしたら、近鉄特急で名古屋に向かい、そこから今度は静岡へ。
駅のホームで赤福を買った。「横にはしないで平らに持ってください」と言われたので気を付けて持った。なお、日持ちしないので自分用お土産だ。仙台に戻ってからおいしくいただいた。赤福はセントレア空港でも売っているのを翌日知った。無理に現地で買って持ち歩かなくてもよかったんだー!

1人で全部食べた

近鉄から名鉄へ乗り換え、「神宮まで車で迎えにいく」と友人が提案してくれたので神宮で降りた。
リアルで会うのは数年ぶりの友人は、大学の時のバイク仲間。バイク屋でたむろし、数えきれないほど一緒にツーリングに行き、キャンプし、酒を飲んだ仲。卒業後実家のある浜松に戻り、有名自動車メーカー勤務だ。
彼は新卒で就職した会社で実直に勤務している。一方、興味の赴くままふらふらした結果、定職につけず無職のわたし。同じ大学を出たとは思えない。でもいいんだ。仕事していないおかげで、こうして会いに来れた。

途中で寄った「道の駅潮見坂」

同じ車に乗ってドライブしている状況にしばらく慣れず緊張していたけど、旅の前半の体験をなんとなく報告しておしゃべりしているうち緊張がほぐれてきた。
「伊勢かあ。前に無謀にも正月に行ったきりかな」
と、友人。めちゃくちゃ混んでいたそうだ。
「こっちって、雪、降らない?」
「降らないね。スタッドレスもいらない。何年かに一回、1センチくらい積もることがあるかも。それでもう交通はパニックよ」
うわ、うらやましい。あったかい地域っていいなぁ。

国道1号

車はずーっと海沿いを走っていき、やがて左手に湖が。
「ここが浜名湖」
浜名湖は汽水湖だ。海との境目を車は走っていく。
ふと道路標識を見て、気が付いた。
「え!ここ、国道1号線!?」
「あ、うん」
「すごい!1号だ!えー!」
ずっと国道1号を走っていたのだ。なんだか嬉しくてやたらはしゃいだ。
「仙台にも一桁国道あるでしょ」
「あるけどー!」
1ってやっぱりテンションが上がる。
「そりゃー東海道だからね」
という友人の言葉で「あ、だからか!」と気付いた。

新玉ねぎ

浜松湖周辺を行くと、新玉ねぎの青々とした葉っぱが見え、しかも収穫できるくらい育っていた。
「おお、玉ねぎだ!もうあんなに大きいの?」
「うん、玉ねぎも一応名産だね」
わたしは昔、畑を借りて作ったことがある。仙台だと玉ねぎは冬を越して春が過ぎ、梅雨入り直前あたりに収穫する。それが、浜松では1月にもう収穫できるなんて。仙台だったら畑は雪をかぶって凍っているよ!
そしてその玉ねぎが、畑の横に設置された小さな野菜直売所で売っている。仙台ではまだ買えない新玉ねぎが一袋100円とか信じられない値段が付いていた!安い!思わず声が漏れた。
「…買いたい!」
「えー?玉ねぎを?」
友人はあきれて笑った。わざわざ静岡で玉ねぎを買うっていうのもおかしいよな。スーツケースが玉ねぎ臭くなるし。やめておいた。
仙台に戻ってから、スーパーの店頭に静岡産の玉ねぎが並んでいるのを見て、やっぱり買っておけばよかったと思った。

うなぎ

うなぎ!

友人はランチに浜名湖のおいしいうなぎの店を探しておいてくれた。
「このへんはうなぎ屋ばっかりなんだよ」
ロードサイドの看板はたしかにうなぎ屋が多い。仙台にはうなぎ屋さんは少ないし、あっても料亭のような高級感のある店ばかり。浜松はもっとカジュアルな雰囲気だ。ファミリーで気軽に行けるようなお店があるのは、名産地ならではだろう。

お店でいただいたうなぎは言葉を失うくらいおいしかった。
炭火焼の香りの香ばしさに感動し、口にいれたとき溶けるような身のやわらかさ-ふわっふわのとろっとろにまた感動し、咀嚼したあとゆっくりと余韻が押し寄せてきた。すっごく旨かった。こんなうなぎを食べたらもう普通のうなぎを食べられなくなるのではないか。
実は数年間うなぎを食べる機会がなかった。絶滅危惧種だし。
息子に「絶滅危惧種を食べてしまったよ」とLINEすると「仕方がない、人とはそういうもの」と返事が来た。
「でも浜名湖のうなぎ、減ってるんだ。養殖やめたところも多いんだよ」と友人。
やっぱり。貴重な浜名湖のうなぎ、こんな機会がなければもう食べられなかったかもしれない。あのとろっとろの味、忘れないでおこう。

お寺と絵馬とみかん

まだ1月だったので初詣の立て札が
方広寺
お寺に入り奥に行くと庭園を見ることができる

「どこか行きたいところある?」
と聞かれたのだけど、まったくあてがない。わたしが普段お寺などを歩き回っているという話をしたので、有名なお寺2か所に連れていってくれた。
左右に広い庭園が有名な龍潭寺。

冬なので花はなかったが、つつじの季節は庭園が花いっぱいになって綺麗だという。庭園を眺められる縁側では解説の音声が流れ、座布団が並んでいて座って見られるようになっていた。「おんな城主」として有名な井伊直虎ゆかりのお寺なのだそうだ。

で、わたしは相変わらずみかんがそのへんに生えているのに感激していた。
お寺の周囲はみかん畑が広がっていた。
「みかんだ!みかんだ!」
「あー、うん、あるね」
「こっちの家って庭にみかんがあるのが当たり前なの?」
「あるけど、柿もあるよ」
「えー!」
みかんも柿もあるなんてずるいぞ、静岡。
そしてみかん農家の片隅には、やっぱり野菜直売所のようにみかんが袋に詰められて100円で売っているのだった。
「ひゃくえん!!!」
「でも傷ものだから安く売ってるんだと思うよ」
「それにしたって100円は安い!買いたい!…けど、いまうちにみかん、いっぱいあるんだった…」
傷ものと言われても直売所はおいしそうに見える。買えばよかった。

ところで龍潭寺の裏へ歩いていくと、神社があって、車とバイクの絵馬が!「井伊谷宮」というところだ。

ここでは車だけでなくバイク・自転車もおはらいしてくれるんだとか。

さすが、車やバイクを作っている浜松!
記念に絵馬を奉納すればよかったかなぁ。

友人はさらに山の方へ車を走らせ、着いたのは方広寺。新人のとき、会社の研修で泊まったそうで、お寺にはそういう宿泊研修施設があるらしい。
「座禅組まされて叩かれて、正直いい思い出はないんだけど」
と、友人は苦笑い。
こんな奥まったところに、よくこんな立派なお寺を作ったなーと思った。平日なので見に来る人も少なくて、しーんとしている。鳥の声が響く。
裏手の斜面を登って高い所からの眺めを楽しんだ。

車を置いて谷へ歩いていく
建物が大きい!

夜は友人が和食の店を予約してくれた。
「あんまり飲みに行かないから、飲み屋に詳しくなくて」
友人は謙遜したが、とてもいい雰囲気で、お料理もお酒もおいしいお店だった。彼はリサーチのため事前に一人で来たという。真面目なんだなぁ。
余談だが、時々見かける「酒に強い県ランキング」では、秋田や岩手など東北勢が上位で、下位に愛知や静岡が来る。友人が酒に弱いと言っていたが静岡はみんな弱いんだね。
まあ私も、今はそんなに飲めない。酒はほどほどにしつつ、学生の時の思い出話やかつてのバイク仲間の近況などで話は尽きなかった。

静岡の日本酒を飲んでみました
飲んだ後カフェによって語らい

地元グルメとの出会い

朝焼け

翌朝は早起きした。仙台に戻る日だ。駅のKIOSKに立ち寄ると、こんなものを発見!

生クリーム大福!?
もしや喜久福のOEMかと思ったが違う

「え?お前、喜久福…喜久福じゃないか…静岡で会うなんて…え、違う?鞠福!?」
仙台市民にはおなじみの、喜久福そっくりの商品が、冷凍ケースに並んでいた。

ちなみに喜久福はこちら。「呪術廻戦」の最初の方で五条先生が買うやつ。おかげで全国に知れた。

こうも似ている商品があるとどっちが先か?と気になってしまう。調べているサイトもあった。たしかにお茶は、静岡が本場だしなぁ。
買っておやつに食べた。うん、同じようにうまい。同じだと思う。

電車で移動

東海道線、浜松始発の電車が入線し、ドアが開くと同時に通勤の人たちが、さっと乗り込む。そして次の瞬間。
「がしゃーん、がしゃーん」
乗った人が次々に、4列の座席の向きを進行方向に変えていった。驚いた。
向きを自分で変えるシステムなんだ!
なんかその、当たり前のように乗客が座席動かしてる動きが軽やかで…浜松の人は身のこなしも軽いし働き者が多いのかも。メタボも少ないし。(宮城はいつも県別メタボランキングで上位、静岡は40位以下)
なおこの車両は転換クロスシートというものらしい。後で調べて知った。写真撮っておけばよかった…。

豊橋で降りて名鉄特急に乗り換え。豊橋の売店で「たけのこパン」というものが店頭にたくさん積まれていた。これはきっと一押しの商品!ネーミングも外装もローカルちっく。ピンと来て買った。中にクリームが入ったおいしいデニッシュだった。

まぼろしのとは知らず

秋田のたけやパンのように、地域で流通しているローカルなパンなのだろうな、と思っていたが、実はとてもレアなパンだったらしい!入手困難だったのか。ラッキー!

豊橋から、名鉄特急、須ケ口行き(すけろってなんだ?と思ったらすかぐち、なのね)に乗った。
ここで大失敗。指定を取らずふつうの車両に乗ったら、ちょうど通勤・通学の時間帯でぎゅうぎゅう。特に高校生が多かった。大きなスーツケースがかなり迷惑になってしまった。さらに、猛烈にトイレに行きたくなったのに動くに動けず、じっとがまんした。
乗り換えの神宮前ではあまり時間がない。駅でトイレ行けるのか?焦りと尿意でめちゃくちゃ不安になってきた。高校生に囲まれて漏らすのだけは避けたい!
なんとか神宮前まで持って、降りてすぐトイレを見つけられた。乗り換えも比較的近くで、スムーズにできて本当によかった。死ぬかと思った。
慣れない土地ではケチらず、指定をちゃんと取ろう。
そしてミュースカイで空港へ移動。飛行機からは富士山が見えた。仙台へはお昼ごろに無事着いた。

富士山だ!

おわりに、と、後日談

友人から「国道1号があんなに受けるとは思わなかった」と、国道1号のステッカーが送られてきた。嬉しい。バイクに貼った。

全部の国道であるらしいです

また、足神様のお守りも同封されていた。びっくりしたが、伊勢に行ったわけではなく、浜松にも足神様として知られる神社があるらしい。友人の近所のドラッグストアにお守りが売っていたそうだ。
さらに後日、友人はツーリングを兼ねて浜松の足神神社にもお参りしてくれた。携帯が通じないくらい山奥だったそうだ。

今回、地元グルメとしては鞠福とたけのこパンに出会えたけど、そういえば、伊勢でも浜松でも、地元のスーパーに行けなかった。これは失敗だったなぁ。地域密着のスーパーって、その地域では当たり前だけど外から来た人から見ると面白いものが売っているから。
静岡の他のエリアも、行ってみたい。用宗とか。その時は普通に新幹線かな。

さすらいは、つづく。

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