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15.準決勝 対韓国 & 決勝 対ROC(ロシア)

※準決勝、決勝に関してはTV等で放送を見た人が多いと思うのでサラッと書きます 笑


準決勝では日本の作戦が見事にハマッた。
韓国のエースであるパク・サンヨンとはあまり勝負をせず、他の2名の選手から確実に点を取る作戦に徹し、危なげなく勝利。
先のアメリカ戦、フランス戦に比べると、見ている僕もかなり安心して見ていられた。
そして銀メダル以上が確定。


対ROC(ロシア)との決勝では最初に「おや?」と思うことがあった。
順番がおかしいのだ。
いつもなら、相手のエースであるビダ選手に対して相性があまり良くない宇山を1試合目に当てるはず。
団体戦は1試合目の最大点数が5点、2試合目が10点と、各試合5の倍数が上限点数となる。
故に、1試合目に宇山が仮にビダに5−0にされてもそこで試合は終わり、次の2試合目に移る。
しかし、この順番だと5試合目に宇山とビダが対戦することになる。
仮に、5セット目で日本とROC(ロシア)が11−11とロースコアで競っている展開でも、ビダは自分に対して苦手意識があるはずの宇山に、間違いなく上限の25点までガンガン取りに来るだろうから、おかしいと思ったのだ。

後日、この事を加納くんに聞くと「あれはサーシャ(コーチ)のオーダーミスです。笑」と笑って答えた。
チームとしても上に書いた考察をし、宇山と優の順番を変える方向で話が進み、
サーシャも「わかった。それでいこう!」と言いオーダー表の提出に行ったそうだ。
しかし、帰ってきてオーダー表を見た日本チームは驚愕。
宇山と優の順番が変わっていなかったのだ。
みんなでサーシャに「順番が変わっていないよ?」と伝えると
サーシャが一言「ワスレタ…」。
それを聞き選手4人で笑ったという。
サーシャ自身も初のオリンピックで舞い上がっていたのだろう、3歩ほど歩いて忘れてしまったのだ。笑
しかし、こんなアクシデントぐらいでは今の日本チームを止められない。


ROCに対し、常にリードを保ったまま37-33で最終セット、相手のエースであるビダ選手が点差を縮めようと果敢に攻めて来るが、加納くんのカウンターが決まり、逆に点差が開く形に。
44-36。
日本のベンチは勝利を確信しベンチでは肩を組んでその時を待っていた。
僕もYouTubeでLIVE配信をしてその時を一緒に待っていた。
最後、前に攻めてくるビダに対し、加納くんのカウンター、両者外れるが、加納くんは泥臭く再度突きにいき、勝利への執念の差か、45点目のランプが日本に点いた。
その瞬間、ベンチから勢いよく3人が飛び出し、加納くんのもとへ駆け寄る。
3人共、口元にマスクをしているが歓喜のあまり叫び、感情が爆発してるのが見て取れる。
いつもは見ないような顔をして駆け寄って来る先輩達を見てか、加納くんの一瞬戸惑った表情が見えた。笑
だが、すぐに4人ともが満面の笑みでお互いを讃え抱き合っていた。
その光景を見た瞬間、僕も自然と声を出し泣いていた。
普段、感情が揺さぶられる事はほとんどない僕なのだが、この時は違った。
僕の中でエペジーーンが育っているのだと思った。

見延さんに種をもらい、
みんなに土という居場所をもらい、
一緒に水や日光、時には嵐なんかも経験し、
僕の中のエペジーーンは次第に大きくなっていったんだろう。
戦ってるのは4人なのだが僕も一緒になって戦っている感覚、
喜んでるのは4人なのだが僕も一緒になって喜んでいる感覚。
エペジーーンならこの感覚をわかってくれるはず。

もちろん、あの舞台に立てなかった悔しさやもどかしさはある。
だけど、4人がみんなを代表し、あの舞台に立てないエペジーーンの分まで一緒に戦ってくれてるのがプレーを見ててずっと伝わってきてた。
だから感情が揺さぶられる。

4人にはありがとうと言いたい。

そして...

「エペジーーン最高!!」

と最後に言いたい。

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