見出し画像

神はサイコロを振らない    『雪融けを願う飛行船』Tour Zepp Haneda

2023.02.05
神はサイコロを振らない Zepp Tour
『雪融けを願う飛行船』Zepp Hanedaでした。


Zeppの名称は飛行船の「ツェッペリン」(Zeppelin)に由来とあるように。

今回の神サイのツアータイトルは、
全国のZepp会場5箇所を巡るうちに、
少しずつライブ会場の規制が緩和されて
その頃には皆で歌えるんじゃないかという
願いを込められてつけられたものである。

『神はサイコロを振らない』
というバンドは、コロナ禍でオンラインで
今の事務所と契約を結び。
メジャーデビューの発表も、オンラインライブでの発表だった。

ようやくライブができるようになって、
ファンが少しずつ増えていっても。
コロナ禍の規制で、ファンの声をなかなか聞くことができなかった。

それでも。そんな状況でも。
彼らはシンガロングや、コール&レスポンスができる曲を作り続けた。

皆の声を聞くことができる『いつか』のために。

そんな願いを込めてつけられたツアー中に、
政府からコンサートや、イベント会場の規制緩和の通達が届いた。

あまりにもタイミングが良すぎて、
奇跡みたいだと思った。
こんなドラマみたいな事あるんだな。
それほど、このバンドは『引き寄せる力』を
持ってると思ってしまうほどに。




私が初めて神サイを見た公演は、ワンマンできるほど曲数を、まだ持っていなくて。
対バン形式だった。
会場も100〜200人キャパ。
皆あまり拳をあげたりする事もなく、
静かに曲に浸りながら想い想いに聴き入っていた人が多かったように思う。

それが、今やどうだろう。
Zeppで一番広い会場をソールドさせている。
会場中に、ひしめく人、人、人。
皆、神サイの今日の公演を楽しみにして来た人ばかりだ。

1曲目の『巡る巡る』から全員の手が上がりメンバーの声に応えながら会場内の皆が飛び跳ねる。
沢山の人の手の隙間から見えるメンバーが、
とても眩しくて。
自分がずっと応援してたバンドが、
こんなにも会場を沸かせてる、そう思ったら。
明るい曲なのに、涙がポロポロこぼれ落ちた。

今回のツアーは、既存の曲も細かいアレンジや、曲繋ぎ等を変えていて。
元々神サイは、原曲からライブで更に進化する
ライブバンドだと思っているけれど。

本人たちが自信を持って『すごい良いツアーになるから来て欲しい』って言ってた意味が、
今ならわかる。

元々完成されている神サイの音楽なのに。
メンバー各自、自分のパートを突き詰めて、
表現力を爆発させていた。

柔らかくしっとりと聴かせるような曲は、
そっと優しく心に寄り添ってくれて、
思わず涙してしまうし。

激しくひしめくような音と音のぶつかり合いが
カッコいいロックな曲は、
痺れるほど、音に打ちのめされたし。

1曲1曲、本当は書きたいくらいだけど。
笑ったり泣いたり楽しくて、
言葉にできないくらいに、最高としか言えない。



だからせめて、今回のツアーの核となる
『冬の大三角形』について触れてみようと思う。

『キラキラ』は、ライブ映えしそうな曲で、
かっこいいなと思ってたけど。

ライブVer.が想像を更に超えて、
エモーショナルで切なくて、懐かしくて
なんとも言えない感情になったし。
メンバーが最高にキラキラしていて泣けた。
ギターソロで号泣したのも初めてかもしれない。

『朝靄に溶ける』は、asmiさんが来てくれて。

透明感のあるキレイで美しい彼女の声と、
柳田周作の柔らかで優しく切ない声の掛け合わせが、表現力のせめぎ合いすぎて。
余りにも素晴らしすぎた。
歌詞やメロの切なさや空気感が淡く儚くて、
心が、ぎゅっと掴まれる。

『夜間飛行』は、リズム感とメロディが心地よくて気持ちよくて。
本当に3分とは思えないほど、色んなものが詰め込まれたクセになる不思議な曲。

ライブ中、彼ら4人こそが、ステージの上で、
最高のロックスターになっていた。



コロナ禍になって、ライブで初めて声出しをしたんだけど。
久しぶりの感覚に戸惑いつつ。
好きな曲で会場全体で声を出し合う一体感って、こんなにも尊いものだったんだなって実感した。
3年ぶりに声を出したライブが、
今日この日で、本当に良かったと心から思った。


途中のMCで、
柳田周作は『メンバーは、余り僕の歌を褒めてくれない』って話をしてたのに。
最後の方のMCでこの場を借りて、
メンバーに感謝を述べる場面があった。
(覚えてる限りで言い回しとか、
多少違うかもしれません、あしからず)

柳田『よぴは、頑張り屋なんですよ。
自分がバッキングとかの細かい注文つけても、
ちゃんとその場で全部メモして練習してくる。

あっ、なんか話してて泣きそう。。
健気なんですよね。

ガクは一個上で、たかが一個されど一個で。
いざって時に冷静な判断をしてくれる。
神サイが解散しそうなったり危うい場面も
ここぞって時、軌道修正してくれる。

普段、大人しそうに見えるけど、
話すと面白いやつだから、SNSチェックしてください。

亮介は、天然だけど頑張り屋で。
ツアー前日とかもしょっちゅう1人で個人練して。
馴染みのスタジオの店長から『亮介くんイヤモニ忘れてない?』って僕に連絡入って。
亮介イヤモニのケースだけ持ち帰って、
イヤモニ忘れてんの。
でもね、いつも本当にギリギリまで練習してくれてて。。
この場を借りて、本当に皆ありがとう。

あと音楽だけの仕事だと、
やっぱり言い合う事が多くてギスギスしてしまう時もあったりして。
だけど、NYAO(YouTubeでの自主制作映像)とか。
肝試ししたり、キャンプの映像とか作ったり…
そういうふうに一緒に過ごしてきて。
やっぱりこいつらのこと大好きかもって思えた』って言葉に、
メンバーが『ありがとう』って言ってて。

メンバーが『柳田さんは歌詞や曲も作るし、
きっと俺らよりしんどい思いとか辛い思いもしてきてると思う』って心配しながら、
寄り添い支え合おうとしてるのが、良すぎたし。

音楽を作り続ける理由に『最初はかっこいい音楽がやりたくて始めたけど、
今はどうしたって(聴いてくれる)皆の事が大好きだから』って言ってくれたのも、嬉しかった。

enで、パーフェクト・ルーキーズをやってくれることに、このバンドとしての人生を感じ。
更にバンドを象徴するようなIlluminationでラストを飾るのに涙した。
歌う前に『この日を待ち侘びてた』と
涙目になる神サイの大将と。
ステージ上のメンバーが奏でる音楽と、
会場の皆の声の重なり合う瞬間が、
とても優しく綺麗な音で。

『いつか皆で歌おうね』って、コロナ禍で
声出しできなかった時の約束が果たされて、
最後のパズルのピースが、はめられたような気がした。

悲しい事やしんどい事があった時も。
柳田周作が『生きてくれてありがとう❗️
出会ってくれてありがとう‼️』って、
想いの限りを込めて力強く言ってくれた事。
そこに4人の音楽が鳴り響いた
今日の日を思い出せば、
やり過ごせる気がするんだ。

近いうちにステージで豆粒みたいに見えたとしても、きっとかっこいいんだろうな。
このバンドが大きくなって登りつめる様を、
見ていたい。
きっとそれは、そんなに遠くないと思った日。



この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?