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【デザイン基礎かるた:り】

リアリティー
光と影の
使いよう

私がデザイナーになったのは約四半世紀前ですが、当時の私にとって『広告』とはキラキラしていて、必ず撮影をしてビジュアルを作るものと思っておりました。(たぶん、巨匠の仕事系のそういう本ばっかり読んでたから)

ところが現実、そんなにキラキラしてねえ…!!
もちろん業界長いので、それなりにしっかり撮影や絵作りを経験する機会もありましたが…。
プロのカメラマンさんやモデルさんを使って撮影するなんて数え出したら両手両足の指で間に合っちゃうくらいの回数です。
手がけて来た多くが、時間やお金の制約があり、『ロイヤリティーフリーの写真orアリモノの商材写真でどうにか作って』案件

そんな状況だったので、私は『アリものでそれっぽく見せる』という技が案件ごとに磨かれてきました。
それってどんなの?というはワークショップなどでも実際にみなさんにやってもらうのですが、こんなの。

スクリーンショット 2021-08-30 20.14.37

風に立つライオン的なちょうどいい写真ないからさ〜。合成してよ。↓こちらは、とある日のワークショップ参加者さん作品。
うーん。切って貼った感、否めぬ…。

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撮影された場所も、コントラストも、まったく違う素材を組み合わせて違和感をなくすには、まず、この2つの基本動作はマスト。
・『光源』を合わせてあげること
・『自然な影』を作ってあげること

そこにさらに写真の特性によってフィルタやら補正やらをゴニョゴニョしますが、この2つが適当だと必ず不自然な世界観になってしまいます。
そこを気にしてあげると、photohsopオンリーで難しいツールを使わなくても雰囲気が合ってきます。

↓あくまでもワークショップの時間内でサンプルですが、この画像では印象どうでしょね?(案件で使うならもっとこだわるぜ…!)

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デザイン初心者さんや、デザイナーを目指す人はぜひ、あらゆるものの『設置面』に着目して観察することから始めて欲しい、と強く思います。
絵作りの上手い子は、やっぱりこの設置面の影の作り方がとても上手です。
逆に下手な子は、『おいおい、なんか物体が浮いちゃってるじゃない』というドロップシャドウでつけただけの影で平然としていたり…。
今回の絵札はまさにそれを表しました♪ 上の方、不自然でしょ??
不自然な影は、画面そのものを不自然に見せてしまいかねません。

絵を描いたことがないよ…という人も、できればデッサンはしておいた方がいいですね。
◉状態の異なるパーツを同一画面内に混在させ、親和性を持たせる
◉切り抜きの写真に臨場感を持たせる
◉平面的なイラストや写真に立体感を持たせる

あたりは、デザイナーのお仕事の中でもめちゃくちゃ多いのではないでしょうか。
光と影を操れば、画面に自然な世界観を作ることができる。
これをマスターすれば、仕事の幅も広がるハズ!です。



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