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子持ち主婦、5ヶ月でパートを退職。これからの働き方について考える。

ブランクあり子持ち主婦の看護師が、復職先として選んだクリニックを5ヶ月で辞めた理由。

約5年の看護師のブランクを持つわたしが復職先として小児科のクリニックを選んだ理由は、”子どもの急な体調不良や休みにも快く対応してくれること”でした。

しかしそれは、自分を正当化するための理由にすぎなかったと、辞めた今となってはっきりとわかります。

自信がなかったんです。

独身時代はバリバリやってきたと思うけれど、結婚・出産を機に看護師を離れて、住む場所もわかって、家で娘を見たい気持ちを大事にしていたら、気がつけばブランクは5年を超えていました。

娘が保育園に行く同じタイミングで、わたしも看護師として復職するっていうとき、仕事で気を揉むようなことはしたくなくて。

ただでさえ夫は激務…基本的に平日はワンオペなので頼れないし、そんな日常の繰り返しで怒りや不満の矛先が娘に向かうのを一番避けたかった。

小児科のクリニックは医療行為もないし、病棟みたいに忙しくないだろうし、家庭と両立できそう、ブランク持ち+3年ほど専業主婦だった看護師の復職先としてはいいかも、と思ったので、5月より働かせてもらったわけですが、入職してから感じるモヤモヤの数々…。

院長が診察中に少しでも滞るようなことがあると感情的になって怒りを露わにしたり、パワハラ気質の発言が目立ったり...
かと思いきや診療を終えるとスタッフルームにやってきて笑顔で接してきたり。

いい意味で尾を引かない人なので、さらっと受け流せばいいなんだろうけれど、わたしは深く考えてしまいました。


今まで接してきたDrはどんなに緊迫な状況下にいても、茶目っ気たっぷりで明るい、冷静沈着、穏やかで優しい、な方たちばかりで。
どの方にも共通していることは”話しかけやすい人柄”だったんです。

だからこそ、自分の思い通りにいかないことで声を荒げたり、感情の起伏が激しい一面にものすごくびっくりして。

たとえば、コロナの検査をした後、いつもは検査した子どもと付き添いの保護者を結果が出るまでクリニック内の隔離室で待機させておくんですけど、なぜかそのとき隔離室ではなくて普通の待機室へ患者さんと保護者を案内したんです。

いつもと違うからなんでだろうと疑問に思って、確認もかねて「先生、隔離室での待機ではなくてよかったですか?」とそっと聞いてみると、それが指摘されたと思ったのか相手の逆鱗に触れたようでキレられる始末。

こんなことが頻回にあるので、次第にちょっとしたことでも確認しづらくなっていったり…。


手術や急変もないのに、病棟みたいに全然忙しくないし、むしろ患者さんも少なくてゆったりしているのに、何をそんなにイライラすることがあるんだろう?と本気で思っていました。

トップがそんな感じだと、必然的に職場も殺伐した雰囲気になりやすかったです。
同僚も”院長をイライラさせないために、いかに滞りなく診療を終わらせるか”、”自分さえよければいい”みたいな考え方で。

わたしより2週間先に入った看護師経験1年目の子に、短時間パートだからと下に見るような発言、これしてあれしてと指示されたりで、なんだかなぁと。(苦笑)

でもそんな環境下にいると、というかそこで働いていくためには、無意識にそうなってしまうかなと、少し腑に落ちている自分もいました。


診療に来る子供たちはみんなかわいくて、癒されていました。
ですが、基本的に採血や点滴などの医療行為はないので、業務内容に対して物足りなさを感じることも多く、

注射のミキシングやWチェックも先生と確認すればOKなので、看護師同士も別にコミュニケーションを取らなくてもできるんですね。

ゆったりとした環境なのに、看護師同士の会話もほとんどなく、淡々というか、殺伐としている…。

現役時代はチームとして、患者さんのために何ができるか、その目標に向かってコミュニケーションを取りながら、同僚と切磋琢磨しながら頑張ってきたので、そのギャップを感じるのもしんどかったです。

そんな中でも一番しんどかったのは、”毎回何もせずに2時間は座っていること”でした。

”何もせず”は少し語弊がありますが、患者さんがいなくなって退勤するまでの2時間は電話対応していたんですけれど、ほとんど鳴らないことが多いので手持ち無沙汰になることが多くて。

じっと時計を見つめながら退勤を待つ時間はものすごく苦痛な時間でした。
忙しいのも大変だけれど、暇すぎるのも辛いことなんだと…。

こんな感じで、次第にストレスが体調に出てくるようになり、もういろいろ限界だと感じ、”わたしがいる場所はここじゃない”と思い、退職を告げました。

そして先月末を持ちまして、無事に退職することができました。

退職を告げてから辞めるまでの2週間はものすごく長くて。

勤務最終日、仕事を終えて職場を出た瞬間はもう達成感でいっぱいでした。

「やった〜!よくここまで頑張った!!!」と自分を褒め称えました。
その日は夫が夜勤明けだったので、昼過ぎから2人でゴルフの打ちっぱなしへ出向き、娘を保育園に迎えにいった後は家族3人で外食へ。退職祝いをしました。


これまで職場を辞めたとき(夫の転勤等で)は、名残惜しさからセンチメンタルな気分に浸ることが多かったのですが、そんなことは一切なくて。もはや清々しさでいっぱいでした。

わかりやすいことに、在職中はストレスから自律神経が乱れて胃腸の調子がずっと悪かったのですが、辞めた瞬間から体調もすっかり良くなり。

悩みの種だった早朝覚醒も改善され、穏やかな日々を取り戻せたことに心から安堵しています。

やっぱり働くうえで、人間関係や上司の人柄、自分を取り囲む周囲の環境はものすごく大事であること、そして自分が今までどれだけ恵まれていたのか、以前働いていた職場や同僚への敬意と感謝の念を再認識したというか、風通しのいい職場環境だからこそ、自分らしく働けるんだということを改めて痛感しました。

今回、5ヶ月で辞めることになったクリニック。ブランクありの看護師のわたしが選んだ復職先として「最初の一歩を間違えたな」、と少しだけ思いますが、後悔はしていません。

ここで働いたからこそ、「自分がどんなところで、何を大切にして働きたいのか」という信念がはっきり見えてきたことは、わたしの中で大きな収穫だったと思います。

小児科は未経験だったけれど、薬用耐性菌から子どもを守るためにも抗生剤の安易な投薬はよくないこと、予防接種や子宮頸がんワクチンを受けることの大切さ、体調不良による子どもの主な疾患や薬の内容など学ぶことも多かったです。

先生は感情の起伏は激しい方でしたが、書物をたくさん読んでいて、日々変わる小児医療の知識をアップデートをされていて、わたし自身も刺激を受けることがありました。

今後子育てしていく中でも、小児科での経験が役立っていけたらいいなと思います。


ドラマ・天職の魔王様の最終回で気づかされた、これから働くうえで大切なこと。


話は変わりますが、ドラマ「転職の魔王様」はご存知ですか?

毎週月曜よる10時より放送していたドラマで、主演は俳優の成田凌さん。
最強毒舌魔王様といわれる成田さんが演じる来栖は、求職者たちの本音を炙り出す異色の転職エージェント会社に勤めるキャリアアドバイザー。

そんな「転職の魔王様」の異名を持つ、毒舌な敏腕キャリアアドバイザーが、求職者の仕事や生き方への悩みを辛辣な言葉で一刀両断しながらも、働く自信と希望を取り戻させる”転職”爽快エンターティーメントドラマ!なのですが、仕事や生き方に悩むわたしにとっても、とてもタイムリーな話だったので、ちょくちょく見ていたドラマでした。

そんな「転職の魔王様」もいよいよ最終回。

ネタバレになるので詳しい内容は控えますが、過去に起きたある出来事が原因で好きだった商社マンの仕事を退職し、キャリアアドバイザーの仕事に就いたという経歴を持つ来栖。

そんな来栖に、商社マン時代の同期が来栖を訪ねてやって来ます。エネルギー開発事業を専門に扱う商社に転職したその同期は、「俺と一緒にアフリカで働こう」と来栖をスカウト。会社は来栖のハンディギャップにも理解を示しており、ぜひともうちに来てほしいと好意的。

一度は諦めた夢を再び追いかけられるチャンス。来栖はもう一度夢を追いかけるのか、それとも、キャリアアドバイザーとして求職者の転職をサポートする道を選ぶのか!?

という内容の最終回。

自分の進むべき道に対して心が揺れ動く来栖(成田凌さん)に、上司である社長の落合(石田ゆりこさん)の言葉がものすごく心にグッときて。


「わたし思うのよ。

人生には正解なんかなくて、答えを出したら、あとは残りの人生をかけてそれを正解にしていくんじゃないかって。

答え合わせは最後でいい。だから、自分に素直に進みなさい」

転職の魔王様・最終回


ああ、これは今のわたしにも言えることだなぁと思いました。

娘の入園と同時に5年ぶりに看護師として復職すると決めたとき、パートとはいえ子育てをしながら仕事をすることは未知の体験でした。

基本的に平日はワンオペなので、保育園の準備や送迎は自分でやっていくしかない。
ただでさえ朝はバタバタして忙しい。仕事しながら子どもが保育園へ行くまでの準備や時間管理ができるのか、ものすごく不安がありました。

  • 子どもは体調を崩しがち。休んだら迷惑をかけてしまう。だから職場は、子育てや子どもの急な体調不良に理解があるところがいい。

  • 子どもを急かしながら保育園の準備をするのが苦手。ワンオペで回すのが不安。仕事の始業時間まで間に合うのか不安。

  • ブランクがあるから看護技術に自信がない。不安。

  • 夫は激務、基本的に頼れない、わたしが1人でやるしかない。

  • 仕事よりも家庭やプライベート、自分の時間を大切にしたい。


↑のような先入観や考えがあったので、これらに重きを置いて職探しをした結果、小児科のクリニックに応募したという経緯があります。

でも実際のところ、娘はこれまで一度も保育園を休んだことはないし、(むしろわたしがストレスで体調を崩してしまい、仕事を休むという...)、朝はなんだかんだ忙しいけれど、時間通りに動けてるし、夫だって頼れば力を貸してくれる。

自分が思っていたような不安は起きないし、というか杞憂に過ぎなかったし、もっとどんどん夫を頼っていいんだっていうこと。

不安やいろんな雑念は抜きにして、まずは自分の心にしっかり耳を傾けるべきだったと、今となっては思うのです。 


そして何よりもまずは、

自分は何を大切にして、どんな仕事がしたいのか、どんなふうに働きたいのか。

答え合わせは最後でいい。

だから自分に素直に、次の一歩に繋げていきたいです。

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