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4月から在職中の年金停止の基準が47万円から48万円に緩和されます

働きながら年金受給をする場合、給与の額によっては年金が全額または一部停止されることがあります。
この年金停止の基準が2023年4月から変わります。
いま働きながら年金を受けている方は、この変更で受け取る年金額がアップするかもしれません。

在職中の年金停止のしくみはどうなっている?

厚生年金に加入して働きながら年金を受けている場合は、年金が全額または一部停止されることがあります。停止額はどのように決まるかというと、給与と年金(月額)の合計が基準額を超えるとその額の2分の1の年金(月額)が停止されます。
この停止基準額が、2023年3月までは47万円、4月からは48万円に引き上げられます。
年金停止の対象となるのは老齢厚生年金です。老齢基礎年金は働いていても全額支給され、停止されることはありません。

1ヵ月あたりの給与と年金額の合計が48万円を超えなければ停止なし

年金停止額の計算は1ヵ月ごとに行われ、その月の給与額と年金月額によって停止額が決まります。
停止額計算に用いる年金月額は老齢厚生年金(年額)を12で割った額です。
給与額のほうは正式には「総報酬月額相当額」といい、次の式で計算した額を用います。
[その月の給与(標準報酬月額)]+[その月以前1年間の賞与(標準賞与額)の総額÷12]
標準報酬月額は厚生年金保険料計算のもとになるみなし給与で、交通費も含む税込月収に相当する額と考えてよいでしょう。計算に使用する「給与」はその額にその月以前1年間に受けた賞与の月割り額を加えた額になします。
その月の「給与額」と「年金月額」の合計が基準額の48万円を超えなければ、年金は停止されず、全額が支給されます。

給与額+年金月額が48万円を超えると超えた額の1/2の年金が停止

年金が停止される場合の計算例を見てみましょう。
その月の給与(総報酬月額相当額)が30万円、その月分の老齢厚生年金額が20万円のケースで計算すると
年金停止額=(30万円+20万円-48万円)×1/2=1万円
20万円の年金のうち1万円が停止されるので、支給される年金額は19万円になります。

4月から支給停止の基準額が47万円から48万円に緩和されるので、4月分(6月支払分)から受け取る年金額がアップする方もいらっしゃるかもしれませんね。
支給停止基準額は、物価や賃金の変動を基準に、毎年度見直しが行われています。

※支給停止基準額変更についての厚生労働省からの正式なお知らせは厚生労働省ホームページ「令和5年度の年金額改定について」をご参照ください。


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