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出版社でかれこれ30年、年金のことを書いたり調べたり本を作ったりしています。 1984…

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出版社でかれこれ30年、年金のことを書いたり調べたり本を作ったりしています。 1984年から会社員生活を続けるフルタイムワーカー。子は独立して夫と2人暮らしです。 知っておくとちょっと役立つ年金のあれこれについて書いていきます。

最近の記事

会社員の年金は2階建て。老齢基礎年金と老齢厚生年金はいくら受けられる?

「会社員は2階建ての年金が受けられる」…って聞いたことがあるでしょうか。 会社員が受ける国の年金は老齢基礎年金と老齢厚生年金。 それぞれどれくらいの額が受けられるのでしょうか。 老齢基礎年金はいくら受けられる? 老齢基礎年金は職業を問わず全国民が共通に受ける2階建て年金の1階部分です。 20歳から60歳になるまで40年間加入して保険料を納めた場合に満額で約80万円が受けられます。この満額の年金額は毎年度決め直されていて、2023年度は795,000円(68歳以上は792,

    • 2023年度の年金額は賃金・物価の上昇をうけてアップ!

      1月20日に厚生労働省から2023年度の年金額改定が公表されました。 年金の価値が守られるように、国の年金額は賃金や物価の変動率などを反映して毎年度改定されています。 2023年4月からの満額の老齢基礎年金額は795,000円(68歳以上の人は792,600円)です。 2022年度の777,800円よりも、年額で17,200円(68歳以上は14,600円)アップしました。 67歳以下は795,000円、68歳以上は792,600円に改定 国の年金額の改定率は、物価と賃金の

      • 4月から在職中の年金停止の基準が47万円から48万円に緩和されます

        働きながら年金受給をする場合、給与の額によっては年金が全額または一部停止されることがあります。 この年金停止の基準が2023年4月から変わります。 いま働きながら年金を受けている方は、この変更で受け取る年金額がアップするかもしれません。 在職中の年金停止のしくみはどうなっている? 厚生年金に加入して働きながら年金を受けている場合は、年金が全額または一部停止されることがあります。停止額はどのように決まるかというと、給与と年金(月額)の合計が基準額を超えるとその額の2分の1の

        • あなたは65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」を受けられる?支給開始年齢早見表で確認しよう

          国の年金は65歳から受けるのが基本ですが、一部の年代の人は65歳前から「特別支給の老齢厚生年金」が支給される場合があります。 年金は本人が請求手続きをしなければ受けられません。 年金のもらい忘れがないように、ご自身の支給開始年齢を把握しておきましょう。 支給開始年齢は60歳から65歳に段階的に引き上げられている下の図は、生年月日ごとに年金の支給開始年齢を示したものです。段階的に支給開始年齢が60歳から65歳へと引き上げられているのがわかりますね。女性は男性よりも5年遅れのス

        会社員の年金は2階建て。老齢基礎年金と老齢厚生年金はいくら受けられる?

        • 2023年度の年金額は賃金・物価の上昇をうけてアップ!

        • 4月から在職中の年金停止の基準が47万円から48万円に緩和されます

        • あなたは65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」を受けられる?支給開始年齢早見表で確認しよう

          年金は何歳から受けられる?支給開始年齢を把握してしっかり備えよう

          国の年金を何歳から受けられるか(支給が開始されるか)は、その人が加入していた年金制度や加入期間、生年月日によって決まります。 老齢基礎年金と老齢厚生年金は65歳から受けられますが、厚生年金の加入期間が1年以上ある人は65歳前に「特別支給の老齢厚生年金」が受けられる場合があります。 今回は年金の支給開始年齢のお話です。 10年以上の加入期間があれば65歳から老齢基礎年金が受けられる 老齢基礎年金は、10年以上年金制度に加入した人なら職業を問わず誰でも受けることができる全国民

          年金は何歳から受けられる?支給開始年齢を把握してしっかり備えよう

          年金のモヤモヤをスッキリさせたくて

          いつもお読みいただきありがとうございます。 年金の話をしようとするとなぜかモヤモヤするのは、それがお金の話だから。 いつかは手にする年金だけど自分にはまだまだ遠い話。 年をとってから国からもらうお金について何か知らなくて困ることある? と思われるかもしれません。 でも、知っておくとちょっと役立ってモヤモヤがスッキリする年金情報は意外にたくさんあります。 そんなスッキリ情報を少しずつ発信していけたら誰かのお役に立てるかもしれないと思い、noteを始めました。 年金制度を丁寧

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          年金の繰下げ受給はここに注意!選択を間違うとかえって減額に?

          繰下げ受給をして年金を増額するはずが、選択を間違うとかえって減額になってしまうケースがあります。 そんなことにならないように、知っておきたいのが繰下げ受給と加給年金額の関係です。 加給年金額は繰下げ受給の対象外 厚生年金に20年以上加入した人に扶養家族がいる場合は、65歳から受ける老齢厚生年金に加給年金額という加算がつく場合があります。 (加給年金額の詳細については『厚生年金につく扶養手当「加給年金額」ってなんだろう』をご参照ください。) 加給年金額は繰下げ受給の対象外で

          年金の繰下げ受給はここに注意!選択を間違うとかえって減額に?

          年金繰下げ受給の基本のき

          65歳から受けられる年金の受給開始を66歳以降に遅らせて受けると年金を増額することができます。これを年金の繰下げ受給といいます。 どれくらい年金を増やせるの? どんな手続きが必要? 今回は繰下げ受給の基本的な仕組みと手続きについてのお話です。 繰下げ受給の増額率は1ヵ月あたり0.7% 65歳から受ける老齢基礎年金・老齢厚生年金は、繰下げ受給によって年金額を増額することができます。その場合、繰下げ1ヵ月につき0.7%年金額が増額されます。 たとえば66歳1ヵ月まで受給開始を

          年金繰下げ受給の基本のき

          厚生年金につく扶養手当「加給年金額」ってなんだろう?

          年金見込額がわかる「ねんきん定期便」はライフプランには必須の情報ですが、ねんきん定期便には載っていない年金情報もあります。今回は厚生年金につく「加給年金額」についてのお話です。 加給年金額は厚生年金につく扶養手当 年金版の扶養手当といわれる「加給年金額」。妻や子(18歳の年度末までの子等の条件あり)などの扶養家族がいる場合は65歳から受ける老齢厚生年金に加給年金額がつく場合があります。 配偶者加給年金額は年額約40万円(2022年度の額。1943.4.2以降生まれの場合)

          厚生年金につく扶養手当「加給年金額」ってなんだろう?

          65歳時に年金の繰下げ受給を選択したけど取り消せる?

          65歳で繰下げ受給を選んだので年金請求をしていないけどやっぱり繰下げを取り消して、遡って65歳の分から年金を受け取りたい。 そんなときは手続きをして65歳からの年金をまとめて受け取ることができます。 請求前なら繰下げ受給の選択を取り消せる 65歳は年金選択の分かれ道。 すぐに年金を受け取り始めるか繰下げ受給を選んで増額した年金を66歳以降に受け取るか。 年金が増えるならお得、と繰下げ受給を選び年金請求を先延ばしにしているケースもあると思います。 でもやっぱりお金が必要にな

          65歳時に年金の繰下げ受給を選択したけど取り消せる?

          定年再雇用で60歳以降働くと厚生年金は増えるけど基礎年金は増えない?

          定年再雇用で働くと厚生年金はその分増額になります。基礎年金はどうでしょう? 国民年金には20歳から60歳まで40年加入し、65歳から満額の老齢基礎年金を受けるのが原則です。定年再雇用で働いても60歳以降は老齢基礎年金は増えないのでしょうか。 40年以上加入しても老齢基礎年金は増えない 老齢基礎年金は20歳から60歳まで40年加入で満額の777,800円(2022年の額)が受けられます。 たとえば、定年再雇用で60歳以降厚生年金加入者として働いても老齢基礎年金の計算に反映す

          定年再雇用で60歳以降働くと厚生年金は増えるけど基礎年金は増えない?

          ママになる自営業やフリーランスの皆さん 産前産後は年金保険料が免除されます

          自営業やフリーランスの女性の皆さん、産前産後期間は国民年金保険料が免除されます。 すでに保険料免除制度を利用していても、あらためて免除の手続きをしてください。 いま年金保険料払ってるよという方も、もちろん手続きをしてくださいね。 なぜなら産前産後4ヵ月の免除期間は、その期間も保険料を払ったとみなされる「特別な免除期間」だからです。 産前産後の免除期間は年金保険料を納付した期間として扱われる 自営業やフリーランスの女性は、国民年金の第1保被保険者として国民年金に加入して自分

          ママになる自営業やフリーランスの皆さん 産前産後は年金保険料が免除されます

          学生は年金保険料が免除されるの?されないの?

          学生は働いてないから年金保険料は免除されるんでしょ、と聞かれることがありますが、いいえ、免除はされないのです。 国民年金保険料の免除制度と学生納付特例制度は違う制度です。 どんなところが違うのでしょうか。 学生納付特例は保険料の納付が猶予される制度 「免除制度」は経済的な理由で保険料を納めることができない場合に保険料が免除される制度です。免除が受けられるかどうかは世帯の所得状況が基準となります。 「学生納付特例」は、保険料の納付が猶予される、つまり後払いしてもいいよ、とい

          学生は年金保険料が免除されるの?されないの?

          保険料を免除された期間の年金はもらえない?

          収入が減ったり失業などで国民年金の保険料を支払えないときに、申請により保険料が免除される制度があります。 免除を受けた期間については年金が減額されますが、免除期間の年金はその全額が不支給になるわけではありません。 免除期間と年金額の関係はどのようになっているのでしょうか。 免除期間は加入期間として扱われるが年金額は減る 経済的な理由で保険料が払えないときは、保険料を免除する制度があります。免除を認められるかどうかは世帯の所得状況によって決まり、前年所得が一定の金額以下の場

          保険料を免除された期間の年金はもらえない?

          老齢基礎年金はいくらもらえる?

          日本国民が65歳から終身もらえる老齢基礎年金は満額で約80万円。10年間で総額800万円、20年間で1,600万円になります、と前回書きました。 実際の年金額は毎年度改定されるので、もちろん正確な金額ではありません。 そして加入期間が40年未満の場合も満額の年金にはなりません。 実際のところ老齢基礎年金はいくらもらえるのか?今回はその計算方法について見てみましょう。 2022年度の老齢基礎年金は777,800円 昨日100円で買えたコンビニのコーヒーが今日は110円に値上

          老齢基礎年金はいくらもらえる?

          老齢基礎年金ってなんだろう?

          国民年金(基礎年金)は日本国民なら誰でも受け取ることになる年金です。 今回は老齢基礎年金について掘り下げてみたいと思います。 基礎年金は全国民共通の年金 日本では、職を持たない人や自営業の人など職業を問わず20歳以上60歳未満のすべての人が国民年金という制度に加入し、全国民共通の基礎年金を受けることになっています。 基礎年金は3種類。老齢基礎年金と遺族基礎年金と障害基礎年金です。 このうち年をとったときに受けられるのが老齢基礎年金です。 老齢基礎年金は40年加入で満額8

          老齢基礎年金ってなんだろう?