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言葉のことばかり【あいことば】

合言葉とパスワード

最近「合言葉」ということばを
使うことってほとんどないですよね。

昔、映画のハリーポッターの中で、
部屋に入るとき肖像画に
「合い言葉」を言うシーンがあって、

そうか「あいことば」って英語で言うと
「password」なんだと思った。

なるほど…パスなワードだからなあ。
そう言われれば、確かにそうなんですけど、
ちょっと意外な感じがしました。

「合い言葉」っていうと
「山」「川」って感じで、
なんだか忍者が使う言葉という
イメージがあります。

ちょっと秘密めいて、そういう意味では
魔法使いの城…にはすごくあっている。

一方「password」の方は、
機械にログインするって感じが
魔法っぽくないですよね。
SFだったら合ってるのかもしれません。

合言葉はパスワードより
「秘密のしつもん」のイメージが近い。
最初に飼った犬の名前は?みたいなやつ。

パスワードってつまらない。

今の日常生活では、
パスワードの方が一般化していて、
合い言葉は死語になりつつありますね。

逆に云うと、
秘密っぽさがどんどん失われていて、
つまんないかもしれない。

どっかのサイトに入るとき、
パスワードを聞かれるより、
「合い言葉は?」と聞かれた方が、
気分がいいと思うけどなあ。

いまどきっぽく「i-KOTOBA」なんて
言い換えちゃう手もあるけど…
やっぱりなんだかな…ですかね。

そもそも今のパスワードって、
ワードというより記号ですね。

わかりやすい言葉は見破られるから
いちばんいいパスワードは、目つぶって
めちゃくちゃキーボード叩くって
どこかに書いてありましたけど、

これはもう言葉に対するボウトクじゃないか
なんて思ってしまいます。

もう言葉じゃないってことか。

パスワードは「言葉」を
捨ててしまった。

いつの間にか
パスワードはパスコードになりました。

どっちかというと暗証番号に近い。

すでにワードではないので近い未来、
パスワードという言葉自体、
消えてしまうような気もします。

指紋認証とか顔認証とか、
こうなるとすでに文字ですらない。

もともと合言葉って、
状況と違う言葉を使うから
相手にわからない

ってところが重要だったので、
そういう意味では最初から記号だった
ということかもしれませんが。

それでも言葉には気持ちがあるので、
そのやり取りには何となく温度があった。

まあそのくらいの違いかもしれないです。
で、そのくらいが好きと嫌いを分ける。

あいことば復権運動。

この際、パスワードには記号として
仕事をしてもらうとして、
それとは別に合言葉は残したいです。

現実的な話で言うと、
親子の間で合言葉を決めておく。

よくある特殊詐欺なんかで
遠くに住んでる親に子供のふりして
電話かけてくるヤカラに、
「合言葉は?」と聞くのがいい。

そんな
マジなシチュエーションじゃなくても
たとえば夫婦間で

喧嘩したときに
プロポーズした場所の名前を言う
と決めておくとか。

まあ、調子狂って喧嘩がおさまる、
くらいの効果しかないでしょうけど

ひょっとすると愛を確かめる言葉
なるかもしれないです。

あ、これって「あいことば」…
ダジャレですね。

まあこういうときに、
必ず複数の大文字と数字は入れること
なんてキモいことにはならないと思うので
少しは血の通ったコミュニケーションに
なるんではないかと思います。

次回の言葉は「原理原則」です。

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