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小説「最悪」 奥田英明 著

こんにちは。

今日は春のような少し暖かい天気になりましたね。


小説、「最悪」読み終わりました。

650ページ近い小説は久しぶりで、何日かに分けて読み進めました。

20年以上前の作品に触れられるのは、とても嬉しいことです。

感想は、「途中まではしんどかったが、最後の疾走感が素晴らしかった」

というのが一番です。

最悪は、犯罪小説で、交わるはずのない3人の主人公が、それぞれが、

最悪なことに人生がどんどん悪くなり、そのピークで、3人が交わり、

さらに最悪な方に行くのですが、

最後は、、、、という結末の本です。

レビューを見ると高評価も多いですが、低評価もぼちぼちあります。

本好きの私でも、途中でやめようかなと思うくらい、

3人の主人公がどれも救われないし、共感もできないし、

応援もできないので。

暗い話、暴力描写もあり、リタイヤしてもしょうがないかなと思います。

解説のところで書いていた、

「事件ありきの登場人物ではなく、登場人物ありきの事件」

という表現が言い得て妙で、

人がどんどん追い込まれていく表現がとても巧みで、

町工場の経営者の男性、銀行に勤めている女性、チンピラの若者、

この3人がそれぞれがまさに最悪な状況に追い込まれていくことをどんどん想像し、

悪い方へ、悪い方へ、流されていくように書いていくのは、一つの技術だなと思います。

途中出てくる人物も誰も救いようがない珍しい作品だなと思います。

評価はされるが、人気は出ない。

そんな作品だったのではないかなと思います。

この600ページ以上のボリュームを読ませる文才はすごいなと思います。

読み終わりは、スカッとした読了感もありましたが、

読んでる途中は、憂鬱になる時もあり、

お勧めできる作品ではありませんが、

犯罪小説に興味がある人や、人の心理に興味がある人は、読んでも見ると面白い発見があるのではないかなと思います。

今日は、瀬尾まいこさんの「幸福な食卓」を読んで、ハッピーな感覚を取り戻そうと思います。

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