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[閉鎖病棟入院日記]監視下での外出

閉鎖病棟に入院してしばらくすると、医者から看護師同伴での外出許可が出ました。

毎週決まった曜日に看護師を伴って集団散歩という形で病院内の売店に行ったり、中庭に行けたりするということでさっそく私も申し込んで行ってみることにしました。

売店で買ったものは全てチェックされる

集団散歩の時間になると放送で参加者が集められます。私が参加した日は参加者3人に看護師が2人つく形で散歩が行われました。

まずは鍵を使って閉鎖病棟から出て、売店に向かいました。そこではだいたい15分くらい買い物をしました。

買ったものは全てチェックされ、危ないものは没収されます。わたしはジュースと洗剤を買ったので運良く何も没収はされませんでした。

基本的に生の食べ物などは病棟内に持ち込めないので、買うのは憚られます。そもそも持ち込めないものは置いておかなければ良いのに、と思いました。

中庭で監視されながらの休憩

売店で買いたいものを買った後は中庭で少しの間休憩です。買ったジュースやお菓子を食べたり、日向ぼっこをしたりします。

普段は太陽の光を浴びていないので、久しぶりの太陽がとても眩しく感じました。

私がいる病院は東京の中では比較的田舎な方なので、自然も周りに多くとてもリフレッシュになります。

私以外の2人はどちらも女の子で知り合いのようでした。同じベンチに座って何か話していたようです。

我々患者たちがくつろいでいる一方で、看護師2人は私たちのことを監視しています。建物の影には行かないことを事前に約束させられ、常に監視できる状態に置かれます。

正直なところ、監視された状態ではくつろぐことが難しいのですが、病棟の外に出て外の空気を吸えただけでもヨシとしました。

閉鎖病棟に帰ってくる

20分ほどくつろいだところで看護師たちから声が掛かり、病棟内に戻ります。名残惜しいですが仕方がありません。

まだ単独での散歩が許可されていないうちは監視された状態でしか散歩は許されません。

今回ははじめての散歩でしたが、我々3人の患者以外にも他の患者たちが中庭で過ごしていました。

みなさん思い思いに散歩を楽しんでいるようでした。売店でお菓子を買って食べている人や、雑誌を買って読んでいる人、友人と話している人などいろんな人がいることが分かりました。

閉鎖的な空間の中で調子を崩す人も多い中、うまくリフレッシュできる人はこうした外出を利用して気持ちをリセットしているようです。

入院して調子が良くなる人と悪くなる人

入院していると他の患者さんの様子も垣間見ることができるのが面白いところです。 

患者さんの中には入院して調子が良くなる人とむしろ悪くなる人の2パターンが存在します。

まず良くなる人のパターンとしては、ライフイベントや仕事の忙しさによって一時的に体調を崩して入院してきた人たちです。

病気も内因性のものではなく、外部の刺激によるものなので、閉鎖病棟という極端に刺激から隔絶された空間に閉じ込められることで体調は回復していきます。

一方で悪くなる人のパターンとしては、自由のなさを嘆いてしまう人です。自分の家では基本的には何をしても自由ですが、入院するとほぼ全ての行動をチェックされます。

私の同室のお爺さんも診察の際に、「家の方が調子が良かった」と言っていました。高齢になると急な環境の変化に戸惑って体調を崩す人も多そうです。

入院が自分にとってプラスに働くかは本当にその人次第という面があります。病院側もビジネスでやっていますから、一旦入院するとすぐには退院できません。

入院を決める前に本当に自分のためになるのかをよく考えた方が良いと思います。

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