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今こそ読みたい「うしおととら」

※以下の文章は、「うしおととら」のネタバレを含みます。未読の方は注意してください。

#今こそ読みたい神マンガ

私にとっての神マンガは、今でも「うしおととら」だ。
小学生の時に、兄が単行本を購入して、それを読んできた。

ストーリーとしては、人間のうしおと妖怪のとらが、日本中を旅しながら「獣の槍」を巡って妖怪との戦いに巻き込まれていく、というものだ。しかもその獣の槍は、厳しい修行を積んできた然るべき継承者がいたにもかかわらず、うしおがそれを所有することになってしまった。それが混乱を巻き起こす要因となるのだが、うしおは太陽のような性格のもと、妖怪と闘い、出会い、人間として成長していく。

登場してくる人間だけでなく、妖怪の切ないサイドストーリーが添えられている。人間と妖怪との距離感を考えさせてくれる。近づきすぎてもいけないのだ。

ストーリーの終盤、いざ最終決戦へ!!というところで、何とうしおととらのことを、周囲の人間や妖怪たちが完全に忘れてしまうという恐ろしいことが起こる。信頼していた人間に裏切られてしまうことも。必死でもがくうしおととらの姿に、切なさを感じずにはいられなかった。

「うしおととら」を読んでいた少年時代は、うしおのようになりたいと思いながら読んでいた。しかし、大人になった今、あのようにはなれないとも。それでも、時にはうしおのように、周りに力を与えられるような存在でいたいなと思う40手前の中年の独り言である。

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