第6回:ここ3ヶ月で読んだ本からオススメ読書10選(2017.11-2018.1くらい)

昨年の11月くらいから最近にかけて読んだ本のなかでオススメのものを10冊選んでご紹介します。積読、乱読が激しい性格なので、同時に4〜5冊の本を平行してあっちこっち読んでまして、自分でもごちゃごちゃしてきたのを整理するのを兼ねて、ちゃんと紹介できる本として10冊選んでみました。

1、日本再興戦略(著:落合陽一)

いま話題の一冊ですね。NewsPicksで落合さんの記事を読んだりしてる人は既視感のある内容もちらほらあるかもしれません。特に面白いと思ったのは、まず「近代」への理解の仕方。テクノロジーの最先端にいる科学者でここまで近代を語れる人はそういないと思うし、”東洋的なものを大事にすべき”という考え方にとても納得でした。個人的には前半が好きです。

「欧米」と一口に言ってもヨーロッパとアメリカとでは全然違うわけで、「欧米」というのは日本人のなかにある実在しない理想郷みたいなものだという解説に唸りました。もともと多神教の日本が一神教的な東京中心主義になってしまったのはマスコミやトレンディドラマのせいだ、というのも面白かった。

2、LIFE SHIFT(著:リンダ・グラットン)

昨年前半に流行った本なので少し乗り遅れてですが、ずっと本屋の本棚にあるので一度は読まねばと購入。20歳頃まで教育フェーズ、20歳〜60歳まで就業フェーズ、60歳からは老後フェーズ、という3フェーズでの人生はとっくに無理になってますよ、という話です。いまのティーンネイジャーはほとんどが100歳まで生きることになるわけで、それほど老後が長くなれば人生の区切り方も変わっていくのは当然の流れですが、なかなか実感がないのも事実。

中年での学び直しやキャリアチェンジが当たり前になる時代になるという面白い時代だなと感じる一方、老後の生活資金を具体的な数字で示されるので恐ろしさや焦りも与えてくれる本です。「変身資産」という考え方が面白かった。

3、9プリンシプルズ:加速する未来で勝ち残るために(著:伊藤 穰一)

TEDで伊藤さんのプレゼンを見て、この人の本は一度読んでおかなければと購入。正直いうとまだ読み終えてないのですが面白いです。訳が少し堅いので読みづらい部分もありますが、これからのテクノロジーを考えていく上で指針となる考え方がわかります。これを読んでからだといろんな他の本の理解度が深まるんじゃないかと思います。

4、モチベーション革命 稼ぐために働きたくない世代の解体書(著:尾原和啓)

ミレニアル世代以降の若者の価値観が変わった、と言われて久しいですが、まさにそれが今の若者と40代くらいの中年層の間のギャップになってます、という話。僕も給与とか車とかでテンション上がらないタイプなのですごく納得。今の若者は達成感や他者との関係性に重きを置くんですよね。マーク・ザッカーバーク氏が例に出されてましたがすごくわかりやすい例です。

この本が面白いのは、中年以上のおじさんの価値観を時代遅れだと否定するわけでも、若者に欲がない覇気がないと説教するわけでもないところです。高度成長期と成熟期、お互い生きた時代が違うんだから、価値観は違って当たり前、お互いに理解し合っていきましょうよ、という姿勢が素敵でした。

5、好きなようにしてください(著: 楠木 建)

上述した4冊を見て「意識高すぎてつらい...」となってくる人におすすめの一冊。意識高すぎたり考えすぎたり、勘違いしたり空回りしたりしながら悩める人々からのキャリア相談に、楠木さんが痛快に「好きなようにしてください」と言いながら回答する内容です。

特に悩んでる人にぜひ読んでほしい本。僕も当時悩んでた諸々が「たいしたことないな」と馬鹿らしくなりました。好きなようすればいい、それだけなんですよね。読んでいてクスクス笑ってしまうほど痛快ですが、たまに自分自身と似たような人からの相談があって一刀両断されるので覚悟が必要です(笑)

6、世界は逆転する! 仮想通貨サービス・ICOで世界を変える(著:ロジャー・バー ,‎ 兼元 謙任 ,‎ 松田 元)

急に趣向が変わりましたがICO元年と言われる2018年に仮想通貨の話はどうしても気になるし、非常に面白いです。個人的に松田元氏を尊敬してましてフォローさせていただいているのですが、ICOサービスをOKWAVEが始めるよ、Bitcoin.comのロジャー・バーも応援してるよ、という半ばプレスリリース的な内容ではあります。ですがタイムリーな価値の高い本なので今読むのにすごく意味があって、数ヶ月後には世の中変わってるかもしれません。これを読んでる最中にコインチェックが通貨流出したり世界同時株安でBitcoinも漏れなく下落したりと、動きが激しすぎて理解が追いつかない...。

ただ純粋にブロックチェーンの理念は今後必要になるものだし、前述した「日本再興戦略」で落合さんも言ってましたが、地域行政のICOなど、歴史的に非中央集権が似合う日本ではICOは馴染む可能性があるというのに僕も共感で、いまの投機的な仮想通貨ブームは無視して本質的に社会をどう変えうるのかを追いかけたいところです。

7、残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法(著:橘玲)

やってもできないこともある、と潔く受け入れて、ロングテール戦略でニッチなマーケットで生き抜きましょう、と、乱暴に要約するとそんな内容です。これから何か始めようというときには一度読み返したくなる本です。「伽藍を捨ててバザールに向かえ」という言葉が印象的。Kindleで読んだのですがスマホで飛び飛びで読んでたのでもう一度ちゃんと読み直してみようと思います。

8、いま世界の哲学者が考えていること(著:岡本 裕一朗)

これは最高です。全力でオススメ。今起きているテクノロジー、これから実現化するテクノロジーに焦点をあてて、それが社会実装されると社会はどうなる?人生観はどうなる?僕らはどうする?と哲学ベースで問いかけてくる良本。

この本をテーマに読書会もしていてnoteにまとめているのでご興味あればぜひ。

9、勉強の哲学 来たるべきバカのために(著:千葉雅也)

ユーモアとアイロニーという2つの思考様式で、僕の頭のなかをきれいに整理してくれた一冊。本屋でジャケ買いでしたが最近のジャケ買いで一番のあたりでした。勉強するというのは一つの世界の当たり前の常識を常識と思えなくなることであり、空気が読めなくなるものだ、という話をアイロニーと称し、そこから全く違う世界へ持っていく発想をユーモアと称しています。そうするとユーモアによって拡張しすぎてどの世界にいるのかわからなくなり地に足がつかなくなるのですが、そこで一度個人の享楽に基づいて有限化してみましょう、という話。(たぶんこの説明だと端的すぎて僕も理解できない笑)

本の例と出すと「タレントの**が不倫したらしいよ、不倫ってだめだよね!」という会話をしてるなかで、「なぜ不倫はダメなんだろう?」とメタ的な問いを立ててしまうのがアイロニー、「不倫ってある意味音楽だよね」と完全に違う世界から解釈を始めてしまうのがユーモア。どちらも会話をぶった切る空気読めない発言であることに間違いないですが、僕もそんな感じです(笑)。フランス現代思想の専門家の方が書いてるのですが新しい視点でかなり面白かった。

10、「思いやり」という暴力(著:中島 義道)

これは最高でした(笑)。知り合いの経営者の方に非常にオススメされて読んだのですが、面白すぎました。共感の嵐。行政の建物に貼ってある「交通ルールを守りましょう」とか標語とかに違和感を感じる人は近いかもしれない。かなり極端な書き方をしてますが真理を突いていると思います。めちゃくちゃ面白いので一読をオススメしますが、極端にひねくれた感じなので純粋に生きている人は読まないでほしいです。ただ、何かと優しい言葉に溢れる世の中に抑圧感を覚えている人には非常にオススメです。気持ちが楽になると思います。


以上、ここ最近で読んだなかでオススメ10冊でした。流れ的には話題の「革命のファンファーレ」や「やり抜く力 GRIT(グリット)」なども入れたかったのですがこの2冊は結構いろんなところで紹介されていると思うので他の人のブログを参考にされてください。

まだ買ったまま読んでないいい感じの本があるのでまた折を見てまとめてみます。
※記憶を頼りに書いた部分が多いのでもしかたしたら内容紹介が間違ってたり語弊を招く表記かもわかりません。その場合はすみませんがご指摘ください。


ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます! 少しでも楽しんでいただけましたら、ぜひスキをお願いします!