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指示待ち人間を脱してもらうために、受動的に働くことをいったんヨシとしてみよう

 仕事における「ステップアップ」について整理をしてみたいなと思う。今日は完全に仕事の話、特にマネジメントのテーマです。

メンバーの成長を促すためにはどんな関わり方が大事か、という話。例えば能力とかスキル、テクニックに関しては、レクチャーするなりなんなりってのあると思うんですけど、今回考えたいのは、どちらかと言うとマインドやスタンスみたいなところ。

指示待ち人間を脱してもらうには

例えば「自分から動いてほしい」「指示待ちにならないでほしい」みたいな話は、マネージャのぼやくフレーズTOP3に常にランキングされているけど、そういうときに「自分から仕事をつくれ!」とか「主体的に動け!」みたいな風に言ったところで、人は動かない。というより、動けない。

そこまで至っていない、要するにまだマインドがジュニア、っていうパターン、まあまあ見かける光景だと思う。そこに対してどんな風な関わり方が良いのか、っていうところの一つの案として整理してみたい。

結論からのベルト、月並みだけれども、「ステップを踏む」ということ。ここれがすごく大事なのかなと。いきなり自分から主体的に、仕事をつくるみたいな働き方をできるようになってほしい、と思っても、物事には順序ってものがあるという。そういう働き方をしたことがない新人メンバーには、いきなり「さぁ!やるんだ!」と言われるのが、なかなかにしんどい。

しんどいし、やりかたがわからない、やる道筋が見えない。彼ら彼女らに必要なのは「1ステップ」で、とりあえず「仕事をもらって受動的に仕事をすることをいったんヨシとする」という勇気が、マネージャには求められるんだと思う。

受動的に働くことをいったんヨシとする勇気

もちろん、そのままを続けていてはそのメンバーの成長は止まるし、そうやって指示待ちの作業員みたいな人が何人に増えたところで事業ないしは組織は成長できないので、最終的には、全てのメンバーに、自分から仕事をつくって主体的に動けるようになってもらう必要がある。少なくともそこを目指し続ける姿勢は、あらゆる組織に求められるものだと思う。

なので、認識合わせとして「最終的に自分から主体的に動いて仕事を作って仕事を取りに行くようになるんだぜ」と話しておくことが肝要。また、現時点では自分の能力ではたどり着けない成果があったとしても、一度でも現場に出た時点では、新人もベテランも関係ない。一人前、プロとしてお客様から見られるわけなので、その成果に関しては言い訳は一切せずに受け止めて、足りない部分について努力して自分の役割を果たせるプロになりましょう、と。そんな話をしないといけないのかなぁと思う。

なので、本人のいま現在の能力が足りない事は認めつつ、そこに対して無理にあーせいこーせいと言うのではなく、現時点で出し得る成果をしっかり出してもらって、だけれども、「今時点のその現在地はまだまだ未熟ですよ」というところをしっかり認識合わせし、「より高みにこういう場所があるんだよ」と、

自分から仕事をつくり、誰かから指示されるまでもなく動く、自律したプロフェッショナルという世界が、そこにあるんだと。それをしっかり理解してもらい、一緒にそこを目指そうと。

日々の細やかなPDCAのお手伝い

そういうコミュニケーションを増やしていくのが大事なのかもしれないと思う。そのために今はいったん「仕事をもらう」受動的スタンスでオッケーだとして、その日々のもらった仕事をやる中で、いかに自分から主体的に工夫をして、小さくていいので何か新しい仕事をつくったか、細かくていいので課題を見つけて解決したのか、みたいなところを、小さく小さくトライしてPDCAを回していく。それができるよう、定期的なフィードバックをする。それがもしかしたら重要なのかもしれないなぁと思う。

そもそもの仕事に対する意欲なり、モチベーションなりというものは、正直他人が言ってどうこうできるものでは無い。また多少なりとも影響を与えられたとしても、基本的には「その人がどう生きるか」「どう働くか」「自分の人生の中で仕事をどう位置づけるか」というところに関わってくるので、あんまり無理にそこを変えようとする試みは意味がないかなと、そう思う。

なので、相手のモチベーションを上げようとかはせずに、主体的に動く自律したプロフェッショナルとは、いわゆる一人前とは、こういう世界なんだと、そこだけははっきりとしっかりと示し、その世界を僕らのチームでは目指すんだと、そこはしっかり合意を取っておく。

そこに対して、もうそこまでがんばりたくない!というのであれば、さすがにそれは組織にマッチしてないので、お互いのためにお別れのときかもしれない。でも、少しでもやってみようと、そういう話になれるのであれば、まずは今時点がどれだけ未熟であったとしても、いっしょに「1ステップ」ずつ進んでいきましょうと、そういうことかなぁと思う。

振り返りと、現在地の把握

で、大事なのは振り返りをしっかりすること。そして現在地をしっかり示すこと。あくまでも今はマインドやスタンスみたいな話をしているけれども、例えば「自分の工数予実管理がどれだけできてますか」みたいな生産性の話であったり、例えば営業マンであれば「今月のKPIを達成できてか」みたいな話であったり、そういう具体的・定量的なフィードバックも大事だし、

そこに、先ほど述べたようなマインドに近い部分のフィードバックも合わせていく。やっぱり、たどり着くべき目標を、抽象的になったとしても、しっかりと設定し、いま時点でそこにたどりついてますか?というのを問うていく。それを考える時間を一緒に過ごす。そういうとのが大事なのかなぁと思う。

組織全体の文化や制度設計まで視座を上げよう

まぁそれでも、成長のスピードが遅い、あるいは本人がなかなか意欲がわかない・動いてくれないっていうことはあると思うけれども、そういう場合においてはやはり、適正な人事制度・評価制度に基づいて、お給料ないしは感情報酬的なものを含めて、あるいは社内の表彰等の評価をしっかりすることで、

まずはどういう人が評価されるのか。がんばってない人の評価を下げるというよりは、頑張ってる人、意欲のある人、モチベーションのある人、もちろん成果を出している人。そういう人はしっかり目に見える形で評価する方針を示していくことで、組織文化として、その方向性に向かって頑張ろうっていうベクトルを調整していく。それが一般的な考え方かなと。

そうなるともう、1マネージャーの話を超えて組織全体のマネジメントになってくるので、マネージャーは自分のチームだけを見るのではなく、横の部門、隣の部門のマネージャーとのコミュニケーションや、組織全体を考えて人事制度設計にまで口を出していくっていうのが、実はすごく大事なんじゃないかなと、そこまで思う。

今日はマネージャーのマネジメント、その中でも特に主体性といったマインド・スタンスをどんなふうに引き上げて、育てていくのか、についても少し話をしてみました。偉そうに語ってますが僕も全然未熟者。日々精進します。

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