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「給料」は生み出した価値に対する対価でも頑張った分もらえる報酬でもないという元も子もない真実

タイトルで全てを言い切りましたので、できるだけ長文にならずにまとめたいと思いますが、

今日はみんながあまり聞きたくない話をします。そしてこれは僕の思想でも意見でもなく、事実としての、社会の構造の話です。

それに対する僕の考える是非は、今回は語るは避けて次の機会に譲るとして、シンプルに現状を解説するにとどめます。

給料は「いつ、どこにいるか」で決まる

例えば年収1000万の大企業勤めの商社セールスマン35歳が、心機一転、ベンチャー企業に挑戦したい!と決意し、都内スタートアップの選考面接を受けて入社します。資金調達間近とはいえまだキャッシュの少ないスタートアップですから、同じ給料では雇えません。給与交渉の末、年収800に、ストックオプションをもらう約束で着地しました。

ベンチャー界隈ではめちゃくちゃよくあるパターンですが、年収か1000から800に下がったからといって、セールスマンが叩き出す営業成果が比例して80%になる、なんてことがあるでしょうか?

ないんですね。当たり前です。

創業50年目の大企業というタイミングと場所。資金調達間近のスタートアップというタイミングと場所。その違いの差が出ただけです。

厳密に言えば、BSつまり純資産の違いです。先行投資できるだけの資産かあるのか、ないのか。採用マーケットに価格勝負できる体力があるのか。

もう5年もしてこのスタートアップが上場でもしようものなら、「いつ」が変わってきます。同じ場所でもタイミングが違えば、中途入社セールスに提示できる年収も変わってくる。前職と同条件もあり得るでしょう。

給料は「いつ」と「場所」で決まります。

儲かる業界の方が同じスペックでも給料が高い

コレも当たり前の話ですが、例えば金融業界と福祉業界と比較すれば、明らかに金融業界の方が人件費に投資できますから、給料は高くなります。仮に全く同じスペックの人材がいて、一人は投資銀行のいちトレーダー、一人は介護施設のマネージャーとして入社したとして、その年収幅は数百万円のギャップが出るでしょう。

なぜなら金融業界のほうが利益率が高く、人件費投資しやすいからです。

儲かりやすい業界と儲かりにくい業界という違いは、間違いなく存在します。そもそもの人件費を生み出す構造や、生み出すことによる影響が違うのです。いい、わるいの話ではありません。金融業界の方が給与は高い。

給料は「場所」の影響を大きく受けます。


給料なんて、そんなフワフワしたことで決まってるという事実

業界の構造の違いもあれば、会社規模やフェーズの違いといった会社の構造の違いもあります。

だから、同じ頑張りでも、同じ成果を出しても、その人が「いつ」「どこに」いるのかによって給料に違いが生まれます。

まずはこの構造を理解しなければ、給料について何一つ思い通りにはいかないでしょう。

頑張った分だけ報われるはず、とか、
成果を出した分の対価が貰えるはず、とか、

それは、一つの企業の中において人事制度を考える時に大事な観点ではありますが、

企業を一歩出て社会を見渡せれば、全くの幻想です。

生まれながらに明日食うメシもわからないアフリカの貧困家庭に生まれた子どもと、僕やあなたのようなぬくぬく育った日本人とで、頑張りや社会貢献した成果に違いがありますか?

ありません。

それくらいにこの世界が「運ゲー」であることを、頭では理解してるはずなのに、こと自分のこととなると「私はこれだけがんばったのに!」「私はこんなに成果を出したのに!」と、急に因果律を求めはじめてしまうのはいつも不思議です。

構造を理解して、選ぶこと

誤解なきよう添えておきますが、企業の責任として従業員に給料できちんと還元するのはめちゃくちゃ大切だとなことですし、頑張っている人をきちんと評価するのは企業責任とまで、僕は思います。

ただ、そういう「努力」を企業はやらないといけないという事実の裏返しとして、この世界が全くもって、成果や頑張りを還元する仕組みをまるで擁していない、とも言えるのです。

だから僕は、この世界の「運ゲー」を少しでも「マトモ」にできるよう、戦いたいと思ってます。

単に給料を求めるのならは、業界の構造や、企業の構造の観点から「儲かる」場所を探して、そこにいるべきです。

勝ち組!みたいに言われる人達です。この世界の「今の」ルールを理解して、うまいこと活用していく人たち。

ただそのルールって何一つ本質ではなくて、素晴らしいものでもなくて、単に人類の社会の現状の最適解に過ぎません。たくさん稼ぐ人間はあまり稼がない人間より価値が高いか?と問われれば、明確に「No」です。んなわけあるかい!

僕はたった一回限りの人生、しょーもない今のルールに乗っかってキャッキャウフフと自分だけ笑っていきるより、「なんじゃい!この運ゲーは!クソッタレ!」と言いながら、少しでもこの世界が「マトモ」になるように戦う生き方を選びます。

逆に、そうじゃないなら、今いる場所への不満をグチグチ言ってないで、この社会の構造を学んで、儲かりやすい場所に今すぐ移った方がいい。戦う気がないのなら、僕らの戦場に来ないでほしい(笑)

構造を理解して、選ぶ。ほんとそれに尽きます。

最後に、長文を書かないこと、及び自分の意見を語ること。この2つをやらないと宣言して書き始めたのにも関わらず、秒速で約束を放棄してしまいすみませんでした!


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