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週40時間を繰り返すなんて不自然なんだと思うあなたへ

不自然な生き物だな、と思う。僕のことだ。

なにせ、1日中、椅子に座っているのである。かじりつくようにパソコンに見入り、イヤホンをつけてぺちゃくちゃお喋りしたかと思うと、

今度はしーんと一言も発さず、カタカタとキーボードを叩き続ける。たまに「う〜ん」と独り言を言い、飲みかけのペットボトルコーヒーに手を伸ばして少し口に含み、またしばらくして、すぐにコーヒーを飲む。

手元のスマホが鳴り出すと電話に出て、いつもよりちょっと高めの声でワーワーしゃべったあと、またスマホを置いて、キーボードをカタカタ。ペットボトルコーヒーに手をのばす。

こうも明らかな不自然

申し訳ない。さぞつまらない文章をお届けしたことだろう。だが、事もあろうに、これはノンフィクションなのだ。これは今日の僕の1日のすべてなのである。

客観的に僕自身を観察すれば、多分こういうふうに見えているだろうなと思う。最近はオンライン会議でスケジュールが埋まる日もあるので、もはやハタから見れば、パソコンに語りかけ続ける怪しいおじさんである。これが1時間とかならまだかわいいものだ。ときにこれを8時間くらいしている1日があるのだ。狂気の沙汰だ。

こうも明らかに、不自然なのだれども、
生き物としての不自然さを全力で全うしてるのにも関わらず、
あろうことか、僕はおそらく明日もこういう1日を送るつもりでいる。

絶対に。そう、絶対に不自然だとわかってはいるのけれども、
僕は明日もオフィスに到着するなりイヤホンをつけ、パソコンに向かってしゃべりはじめるのだ。

馬鹿なんだろうか、この生き物は。不自然であるとわかっているのに、不自然な愚行を継続し続けているのだ。

連続する不自然の先に

問題となるのは、この連続的に伸びていく不自然の先に、一体何があるのか、ということである。生き物として明らか不自然な、腰掛けたまま平たい機械に発声し続ける8時間の先に、どんな時間があるのか。

結論から言うと、まったくわからない。

もちろん崇高なビジョンとミッションを掲げたうえでの一時的な愚行だと、自らに言い聞かせて入るものの、それを補って余りあるほどに、不自然である。

仕事とは、そもそも不自然なもの

そこまで不自然だって、やいのやいの言われるのなら、オンライン会議はやめて対面メインにしますよ。

そういう人もいるだろう。たしかにパソコンに向かってしゃべり続けるよりは、目の前に人がいるほうが、いくぶんか自然な気はする。

ただ、これは僕の確信めいた予感として、そういうこっちゃないのだ。

今の僕の働き方が、あからさまにわかりやすく不自然さを見せつけてくれるから、感じ取りやすいってだけの話であって、

それは、オンライン会議が増えたからとか、デスクワークが多いからとか、そういうことではなく、

そもそもの話として、仕事というものが不自然なものなんだと思う。

生き物としての不自然。

働くという行為が、生き物らしくないのだ。ただ、生きろ。そういう話のはずが、どうにも僕らはこの有様だ。

不自然だから、おもしろい。

だから、僕は仕事が好きだ。

明らかに不自然な愚行を、狂気の沙汰を、まったく意にも介さずに平気で続けている。

自然に、生き物らしくあるのならば、働かないほうがいいことには、もう反論の余地がない。さあ、自然に還ろう。

どう考えてもカフェインの過剰摂取だけど、僕らは今日も今日としてコーヒーを飲んでいる。

でも、そんな不自然な連続の先に、新しい感動が生まれたり、助けられなかった人を助けられるようになったり、できなかったことができるようになったりする。

毎日僕が飲むペットボトルコーヒーが自販機に格納されるまでの間に、いったいどれだけたくさんの不自然=仕事がなされてきたことだろう。そう考えるととても楽しい。おもしろい。

働くという行為、仕事というものは、その連続する不自然の先の、そのまた先の、長い長い連なりの進んだ先で、どこかの誰かを応援していたり、感動させたり、喜びになったり、勇気になったりする。

この不自然は連鎖する。

不自然だからこそ、おもしろいんだ。

カフェインの摂りすぎだけはご注意を

不自然な生き物だな、と思う。僕のことだ。

なにせ、1日中、椅子に座っているのである。かじりつくようにパソコンに見入り、イヤホンをつけてぺちゃくちゃお喋りしたかと思うと、

今度はしーんと一言も発さず、カタカタとキーボードを叩き続ける。たまに「う〜ん」と独り言を言い、飲みかけのペットボトルコーヒーに手を伸ばして少し口に含み、またしばらくして、すぐにコーヒーを飲む。

手元のスマホが鳴り出すと電話に出て、いつもよりちょっと高めの声でワーワーしゃべったあと、またスマホを置いて、キーボードをカタカタ。ペットボトルコーヒーに手をのばす。

うん、最高である。


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