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経理も労務も会社ですら、すべて”手段”に過ぎない。後ろ盾を探す三流バックオフィスからの卒業案内

煽りまくるタイトルをつけてしまいましたが、こういう釣り広告チックな、自己啓発本みたいな表現にはみなさんも昨今嫌気がさしてらっしゃるのではないでしょうか。早速反省しております。

反省しておりますが、それくらいに露骨なフックを駆使してまでも、今回はぜひともお伝えしたい内容がありまして、そういうふうにご理解いただけると嬉しかったりします。

毎度のことながら、タイトルでほぼほぼ内容を言い切っているのですが、急ですが、「バックオフィスのプロ」とは何でしょうか?

企業における管理部、コーポレート部、経営管理部、人事総務部、とか、まあそういう、いわゆる事業に直接的には影響を及ぼさない、企業活動に関わる間接的な業務に関わる仕事を、ここでは「バックオフィス」として定義しておきます。

そういう意味じゃあ、僕はこれまでずっとバックオフィスの仕事をしてきていて、採用担当から始まりつつも、今では経理や総務、労務など、管理部門の全体を見る仕事をしています。現状は、営業やコンサルに近いお客さん対応もやりながらなので、より相対的に客観的に、バックオフィスという仕事を眺めることができているようにも思います。

そんな僕がさきほどの問いに答えるならば「バックオフィスの仕事を目的ではなく手段だと捉えている人」です。

不思議に聞こえるかもしれません。だって、自分の持ち場である仕事をある意味「単なる手段」として割り切って捉えている、ということですから。

ただ例を出せばわかりやすくて、例えばフォワードで活躍しゴールを量産するサッカー選手が「プロのフォワードとは、シュートすることをを目的ではなく手段だと捉えている人」と言ったり、同じくプロのゴールキーパーが「プロのゴールキーパーとは、キャッチングを目的ではなく手段と捉えている人」と言ったりしてるということ。そう聞くと、なんだかあたり前のことのように聞こえますよね。

ただ、バックオフィス(以下略称、BO)の仕事をする人の中には、BOの仕事をすることそのものが目的になっている人が、少なくありません。

「経費ルールは**なので、四の五の言わずに守ってください」
「過去ずっとこのやり方でしてきたので、変更はできません」
「社労士が言っているので絶対です」
などなど。

三流のBOマンは、何か正解と言える後ろ盾を見つけてきて、その後ろ盾の前にポジションを見つけては「えっへん」と、あたかも自分の手柄、能力とでもいうつもりなのか、威張ったようにドヤ顔をするのです。

一流のBOマンは、違います。

一流は、あらゆるBOの仕事をどこまでいっても”手段”として捉えていて、”目的”を達成するためにBOをうまいこと使いこなす、乗りこなすことをめざします。

ここでいう目的とは、その事業の推進であり、その先にある企業の掲げるミッションの実現のことです。

経費ルールや就業規定など、BOに関わる、企業活動に関わるすべてのものが、ミッション実現という目的のための手段にすぎません。もっと言えば、法人そのものが、会社機能のすべてが、ミッション実現のための手段であって、そのための単なる”箱”・”器”みたいなものです。

だから、一流のBOマンは、ミッション実現のために必要だと考えられるならば、ルールも規定も積極的に変えていこう、アップデートしていこうとします。

BOが「守る仕事」であることに異論はありませんが、「現状を維持する仕事」ではないことは、はっきり断言したいです。

そして仮に、ルールや規定が社内のみを対象としない、社会一般的に浸透している法律や制度だったとしても、まずその法律や制度が本質的に社会をよりよくするために適切なのか?を、まっすぐ真摯に考えてみることができるのが、本物のBOマンです。思考停止でルールに従っている駒になっちゃあいけない。

そして、法律や制度にはすべて「解釈」があります。自治体によって、担当者によって、専門家によって、同じ法律の文章をエビデンスとする内容でも絶妙に解釈が異なる場合がある。だからこそ、本当にその法律や制度の解釈はそれであっているのか?という疑う姿勢も重要です。

「社労士が言っているから」「弁護士が言っているから」は三流です。思考停止です。

そもそも、士業の先生方も人間です。間違いも起こせば、新しい知に追いついていない人だっている。そして何より人間が社会で生きる以上、何かしらのポジショントークは必ず生まれます。家族や会社など、守るべき人だっているでしょうから、リスクを最大限回避する回答が、まずは最初の一次レスとして返ってくるのは至極当然。

BOマンにとって、そこからが勝負です。「無理でした」「変えられません」というのは簡単。だからこそ、ミッション実現のためにそこから更に”もう一歩”踏み込んで確かめに行けるかどうかが、試されているのです。

だから、本当の社会変革をめざす企業を見れば、その多くがロビーイング活動をしたり政策提言に関わったりしています。国家の枠組みに生きる以上、僕らは社会への影響を考えるときに、政治から目を背けては何も身動きができません。世の中のルールや規定を変えていくゲームチェンジャーにその企業がなれるかどうかの1つの因子として、その企業のBOマンがどういうスタンスなのか?というのは、結構大きな要素何じゃないかと、僕は思うのです。

まとめます。

要するにBOマンとは「企業のミッション実現のための箱である”企業”という手段・武器を、最大限有効に取り扱うことができるスペシャリスト」のことです。

法律、制度、規定、ルール、マニュアル、慣習…などなど、正解となる後ろ盾を探し、それに依存してドヤ顔をしているような素人BOマンを一刻も早く卒業し、企業のミッション実現のために企業活動を最大限有効に取り扱うことができるスペシャリストが社会に増えていくことが、もっと日本を元気にするために一つ、意義あることなんじゃないかな、と思います。

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