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#171 読書録 絶望の国の幸福な若者たちを読んでvol.1 幸せを感じるメカニズムを学んだ話

こんにちは!けーたです。

今日は「絶望の国の幸福な若者たち」という本の前半部分を読んだので、読書メモとして残しておきます。

自分が読んでいるこの本は2015年に文庫化されたものです。初版は2011年のものであり、実に10年以上前に構想され書かれている本です。

言われて久しい、というかこれまで過去脈々と言われ続けている「未来の変化が大きく先の読めない時代」という今の世の中。

今、その時代をまさに生きているので、2010年頃の過去の人たちはどのような思想でちょっとの先の未来を見ていたのか?

本を通して学ぶことにより、これから少し先の未来への考え方の視点、視野、視座の気づきが多く得られるのでこの時間差が楽しみの要素の一つになっております。

ということでここからは「絶望の国の幸福な若者たち」について触れていきます。


第3章までを通しての全体感

ワーディングセンスの大事さということが、前半の中では一番印象に残っています。

それは第二章「ムラムラする若者たち」というもの

この名前をつけてしまう所も古市さんのメディアから伝わってくる感じとマッチしていて、クスッとしてしまいました。

「ムラムラ」にダブルミーニング?トリプルミーニングって感じで深い意味が収まっており、相手の頭に飛び込んでくる表現の大切さを学びました。

ちなみに、この「ムラムラ」はそのままの意味に近い(どんな笑)と村社会化で生活が閉じているという意味の「村々」が掛かっています。

それが、外的刺激の有無により、ムラムラと村々がループするイメージで使われていて、言葉のチョイスはセンス!!と唸らされます。

それに加え、きっとどれだけ色々な世界観に触れるかなのかな?と想像し、自分ももっと色々読書や移動をする!!と気合が入りました。特に今年はっ

どんな人におススメ?

「絶望の国」の「幸福」な若者と、この言葉のコントラストにピン!と来た方にはこの本をおススメします。

切り口が面白いですし、定量データも豊富で、視える化されていて、それだけでも学びが大きいです。

そして、幸せとはどのようなものに影響を受けるのか?という考え方の一つを学ぶことができます。これいいです。

少なくとも自分としては初めての考え方でした!

気になった方はこちらからどーぞ

頭に刻んでおきたい学び達

まずは、この3つはとても印象に残っており、しっかり何かのきっかけで頭の中にフックに引っかかり思い出せるよう残しておきたいです。

「大きな世界に不満」「小さな世界に満足」

この本の大きな柱である、幸せな若者をコンサマトリーという言葉で説明ができるというのが出発点でした。

ただ、聞きなれない言葉なので、「高校生ぐらいの方に説明するレベルで解説して」とchatGPTに尋ねると下記の回答あり。

コンサマトリーという言葉は、消費者社会に関連する概念です。簡単に言うと、コンサマトリー化とは、人々が物やサービスを消費することによって満足を得る社会の状態を指します。この言葉は、私たちがどのようにして物質的なものを買うことで幸せを感じるか、そしてその行動がどのようにして私たちの生活や価値観に影響を与えるかを表しています。

chatGPT参照

なるほど。

この本の中でコンサマトリーは、いま、ここの身近な世界に幸せを感じること。マインドフルネスに近い意味かなと理解。

それなら、とても良いことでは?と感じて読み進めました。

その、対極にあるのが、大きく社会を捉えると不満。自由がきく一方で、意見が反映される一人あたりの活躍代が小さい。

マクロでは不満はある、一方で周りの気の合う仲間に囲まれている小さな社会つまりミクロでは幸せを感じる。

ちょっとこの考えで気になったのは、「今ここの幸せが妥協のニュアンスを自分が感じ取ったこと」ここの線引きってどうするの?って問いが生れることがこの本を読んだ価値の一つかなと思いました。

時間軸の問題でどっちの事も考える事が重要であり結局はバランス問題に集約されるのかと。

結局ケースバイケースではあるが、マクロ、ミクロで幸せの感じ方が変わるのは新しい視点でした。

アイデンティティの根幹を「関係や集団の参与それ自体」に求めるようになっている

若者が、閉鎖的な共同体への逆戻りということを懸念している。と書かれている。

SNSなどの発達で、パーソナライズされた情報社会が気づかれてきて、結局思考の近い人たちの中で、閉鎖的な小さな世界に身を置く。

何となく、自分がある意味で思考停止し、人間同士の良い意味で意見を戦わすコンフリクトは大きく見ると大事な時間と思いつつ、SNSなどのテクノロジーがこの場を消し去っていく。

そして、アイデンティティーがコントロールされていく。ある意味ディストピア?と思考を飛ばしてみました。

データが沢山示されていますが、いろいろ誤読できるのもこの本が面白い所だなと思いました。

あきらめが人を「幸せ」にする

若者の幸せが、「変わらない事」の表裏一体である考えかたがある事がしめされており、著者も賛同している。

これって、自ら思考停止している方が、エネルギー消費の観点から人間はそう動きやすいって事と符号しいていて納得。

ただし「若者」として、括ってこれが該当するかというとちょっと疑問を感じました。

ただし、幸せを感じる構成要素の一つに「あきらめ」が関係するという構造を初めて知ったのでこれは大きな学びです。

まとめ

メディアで感じる事ができる古市さんの知的なイメージにすごく近く、切り口の妙とさらに、勢いいだけではなく定量的にグラフ化等されており、すごくわかりやすいし納得感が高い。

それプラス、注釈が章末などではなく、ユーザーの読書体験価値向上のために、本文の縦方向のサイズを小さくし、目の届く範囲の所に注釈をつけるという本のレイアウトについても言及されている。

この辺りも、誰かに迎合しているのではなく、読者が一番よい読書体験は何か?と本質的な問いと真摯に向き合っている事が行動にあらわれていて好きになりました。

当たり前として、流していたコレまでの慣習に問いを立て真摯に向き合うとこういう行動まで結晶化できるのかと感心しきりでした。

という事で、ここまでが前半の読書録です。誰かの選書になれば幸いです。

ではでは


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