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2021お気に入り映画・ドラマ10選 in 318

 皆さま、あけましておめでとうございます。

 本年も何卒よろしくお願い致します。

 昨年観た映画・ドラマは初見再見新旧洋邦入り混じって、計318本でした。

 一昨年に引き続き映画館に行く数は激減し、ほぼNetflixかAmazonPrimeでの鑑賞になりましたが、そのおかげでけっこう本数は増えました。
 その中で、特に印象深かった作品、面白かった作品、見応えのあった作品を10本セレクトしました(往生際が悪いですが、あくまでベスト10ではなく10選ですので、気持ち的にはだいたい順不同です)。

※以下、作品内容に触れていますので未見の方はご注意ください。


1:ノマドランド

圧倒的な映像と音の美しさのせいで、登場人物たちの生き様の原因である貧困や格差の拡大という社会問題的側面は後退しており、「映画」の素晴らしさと危険性が常に二重写しになっているという意味でも重層的で深い余韻が残った。でもやっぱり、ものすごく美しい映像とフランシス・マクドーマンドの自然な佇まいに見惚れる。そして、本当の「豊かさ」について考えさせられる。


2:ドント・ルック・アップ

アダム・マッケイみ全開の風刺コメディ。政府もメディアも大衆もIT企業のCEOも、ほんとにこうなりそうと思わせられる説得力と面白さと戦慄。超豪華キャストの中でも気弱で神経質でまともなディカプリオとジェニファー・ローレンスが最高。観賞後、BASHとスティングのあの話を真っ先にググってしまった。


3:プロミシング・ヤング・ウーマン

ポップな映像と音楽で語られる、女性による、男性もしくは男性社会への復讐劇。痛快でありながら猛烈に苦く辛い結末でさえ、映画の外の現実に照らせばファンタジーであるという意味でも、簡単に褒めて片付けてはいけない映画。キャリー・マリガンは言うまでもなく素晴らしい。


4:tick, tick…BOOM! チック、チック…ブーン!

「夢」別名「呪い」で胸が痛くて(©︎RHYMESTER宇多丸)、年の瀬に予想以上にくらってしまった。傑作ミュージカルを作りたいミュージカル作家がミュージカルを作る過程を描いたミュージカル映画。と書くと複雑だが、観やすくて引き込まれた。これが実話だという事実が、何かを作りたい人にとっては希望。


5:POSE ポーズ(シーズン2まで)

80年代NYで花開いたボールカルチャーなるものを本作で初めて知った。未だに差別から自由になったとは言い難いLGBTQの人々の苦悩と連帯。HIVとの闘い。煌びやかに着飾ること、自分たちの文化を作ることそのものが社会へのプロテストだ、という宣言が胸に迫った。Netflixさん、シーズン3の配信待ってます。


6:ボディガード ー守るべきものー(シーズン1まで)

とにかく第1話オープニングからの緊迫感で一気に引き込まれた。わずか6話でスピーディーかつコンパクトにまとまっていながら見応え充分。面白かったのに長らく続編の噂を聞かなかったが、シーズン2の製作も進んでいるらしい。楽しみ。主演は七代目ジェームズ・ボンド候補でもよく名前が出るリチャード・マッデン。


7:ラストナイト・イン・ソーホー

トーマシン・マッケンジー、アニャ・テイラー=ジョイの魅力だけでなく、映像と音楽の面白さだけでなく、青春モノだけでなく、夢と現実混濁モノだけでなく、ホラーだけでもない。主人公が憧れる60年代からまるで変わらない、女性の理不尽な受難への異議申し立て。楽しませつつ考えさせる現代的娯楽映画。


8:私を信じて リサ・マクヴェイの誘拐

公式予告編が見当たらなかったのでファン制作と思しき動画を。実際に起こった誘拐事件の映画化。テレビ映画らしくリッチな画面とは言えないがそれを補って余りある見応え。特に主演のケイティ・ダグラスが印象的。酷過ぎる状況でも諦めず、考えつづけ、闘いつづけた主人公に敬意を抱くと同時に、周囲のクズ過ぎるクズどもに怒りが湧く。


9:シェイムレス 俺たちに恥はない(シーズン5まで)

リメイク元である英国版は未見。あくまで超笑える大人向けブラックコメディではあるのだが、笑わせつつも社会の不条理を突きつける。人は環境によって作られるが生まれ落ちる環境は選べない。「実力も運のうち(©︎マイケル・サンデル)」という当たり前の事実を忘れがちな奴らに中指を立ててくるご長寿ドラマ。Netflixさん、シーズン6以降の配信待ってます。


10:ファーザー

アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマンをはじめとした役者陣の名演と、地味ながらも丁寧な撮影や美術に驚かされる、今さら言うまでもない超上質な映画。いつかは誰しもに起こり得る自然なできごとを描いているだけ、と言えばその通りなんだが、それがとんでもなくホラー。


 その他、印象に残った作品(ほんとに往生際が悪い笑)。

『DUNE/デューン 砂の惑星 Part1』

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』

『アンオーソドックス』(リミテッド)

『隔たる世界の2人』(短編)

『メイドの手帖』(リミテッド)

『JUNK HEAD ジャンク・ヘッド』

『オザークへようこそ』(シーズン3まで)

『ライトハウス』

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』

『アーケイン』(シーズン1まで)


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映像ディレクター。自主映画監督。 映像作品の監督・脚本・撮影・編集などなどやっております。