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『10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと』(山口揚平)を読んで。

 こんにちは佐藤です。今日は先日に引き続き、山口揚平さんの本を紹介したいと思います。2015年出版の本ですが、これも面白かったです。

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 本書はいわゆる『ビジネス書』なのですが、面白いところは、考え方を書いているところです。仕事術ではなく、発想を変えましょうという話です。特に人間がやることは「AIがやること以外」と断定しています。

 「もの作り」自体が必要ない、と書いてあります。シンプルな方が幸福であるという発想。つまり現在のほとんどの産業や、付加価値を付けるための発想など不必要どころか、社会悪とさえ言っています。

 労働は要らないけれど、社会貢献は必要である。働きたい人だけが自分の好きなことのために働く。報酬のためというより、時間を何に使うかという考え。生活は貢献によるシェアが主になると。

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 もう過剰なものは要らない世界になっていくんですね。過剰なものを作るために疲弊するなどナンセンス。だって要らないのですから。豊かになるとは自由な時間を持つこと。束縛されないこと。

 人間関係においては、能力の高さよりも快適さが求められます。一緒に居て嫌な気分にならない人。謙虚さや品格など、実利ではない部分に価値があるわけです。快適な関係性が一番であると。

 知識や情報は調べれば手に入る。それらを押し売りしない謙虚さ。現在の過剰な広告とは逆の発想です。そういう意味では、YoutubeやGoogleなどの広告ビジネスさえも、未来の形は変わると思います。

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 要るか要らないか、本質的な理解が必要です。多様化が進み、皆が持っているから、というのは理由にならない。皆が見ていたテレビはもう要らないものの筆頭です。情報さえも異なる世界。

 そうなると生活は、人脈など所属するコミュニティーが大事になります。生きていく指針、影響を受ける場であるし、シェアエコノミーにおいては、衣食住そのものが「所属する場」依存ですから。

 相手のためを思って行動すること、これが収入や生活の源泉になります。購買欲を刺激するマーケティングモデルは前時代的です。本質を理解すれば「いらない」のですから。

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まとめ
・もの作りは社会悪。
・情報の押し売り(広告)は要らない。
・本質を理解し、品格(思いやり)を身に付ける。

 住宅、医療、食品、通信など生活に必要なインフラに需要はありますが、生産自体はAIが最適化してくれ、人間は「何が必要か?」を考える仕事と、デザインやアート、快適さの追求が将来の仕事になります。

 2015年の本ながら、かなり未来を予知する内容になっていると思います。あとはこういう未来に向けて、我々がいかに受け入れていくかが問題です。


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