黒豆と伊達巻き

 年末年始らしいことはとくに何もしない。帰省もしないし、初詣にも行かない。テレビがないから紅白歌合戦も見られない。年賀状は出したけど。
 おせち料理も特には作らない。何年か前には大晦日の夜は豪勢だったものだけど。家族がそういう季節の行事を好まないから、普段と変わらない。それはラクではあるけど少し味気ない。
 だいぶ前に黒豆を買っていたことを思いだして、せめて煮てみることにした。一晩寝かせて砂糖を入れて弱火でふつふつ。きゅっとしわが寄ったけど、たしかおせちの豆はしわが寄るように煮るんじゃなかったかな。長生きするように?甘すぎず柔すぎず、うまい具合にできた。
 それから大好きな伊達巻き。これは毎年作っている。年に一度のことだから毎回レシピを検索するところから始まるのだけど。でも今回は大晦日に急に思い立ったものだから、はんぺんが売り切れていた。まあ、仕方ないか、と諦めた。でもやっぱり食べたいな、と思って、はんぺんの代わりに食パンを入れるレシピを探して作った。はんぺんがすでに魚の代用なのに、さらにその代用ってどういうことなんだ、と思いながらも。
 ちょっと魚の風味があったらいいかも、と思ってかつお節の細かいのを少し入れてみた。フライパンで焼いて、巻いて、冷まして出来上がり。味はまあ悪くはない。でもかつお節の感じはまったくなかった。邪魔をするわけでもないけど。焼きが足りなかったのか崩れてしまったし、また作り直したい。

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