月の味は、甘酸っぱい
グラスのなかのお水に映る今宵の月がきれいです。
このまま溶けて、甘いお酒にならないかしら。(2022.8.11 Twitter)
透明のグラスに月を浮かべたくて、レモンとライムを氷砂糖に漬け込みました。月の味は、甘酸っぱい。
(2022.8.18 Twitter)
レモンは、夜の色。
ライムは、朝の色。
涼しくて透明な香りがするレモンとライムを輪切りにして、氷砂糖と重ねて入れて。
交ざりあって、混ざりあって、甘くて酸っぱいシロップになりました。
いつかの夜にみたグラスのなかの丸い明かり。
いつかの夜ーー
空を見あげながら
「月が綺麗ですね」と言いかけてやめました。
照れてしまったから。
「月、グラスノ水ニ、映ッテル」なんて、カタコトで。
これぐらいしか言えなかったのです。
夏目漱石が "I love you." を
「月が綺麗ですね」と訳したという逸話があります。
「月が綺麗ですね」= "I love you."
頭のなかを瞬時に駆け抜けた "I love you." に惑わされ、不器用さを露呈してしまいました。
月を綺麗と言うことは恥ずかしいことではないのに。
「甘イカナ、美味シイダロウネ」って。
可愛げがないなと我ながら思うのです。
だからせめて。
だからせめてシロップにして。
「月が綺麗ですよ」
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