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「ゴジラ -1.0」と家族の肖像(ややネタバレあり)

明日、5月3日からAmazon prime videoで無料配信開始となる「ゴジラ -1.0」。
実はつい先日映画館へ観にいっておりました。
アカデミー賞を獲った後だったので、東宝ロゴの前に「アカデミー賞特殊効果賞受賞作品」というテロップもドーンと出ました。
掃海艇とゴジラの追撃戦や、銀座の破壊シーンは噂に違わぬ大迫力。

新型機の脱出装置については、シートに怪しい横文字(ドイツ語?)が見えたのでこれは生還するな?とピンと来たのですが、突入前に引けと指示されたレバーが脱出装置のもので、本人も知らないうちに脱出させられるのではないかと思ってました。
ああいう「実は…」みたいな感じでフラッシュバックを挿入するのは珍しい気がします。
一歩間違うと「なーんだ」と思われかねない演出ですが、うまく処理していましたね。
フィリップ・グラスかハンス・ジマーみたいなミニマル風の音楽も良かったです。

面白いなと思ったのは、登場人物に血のつながりがあるキャラクターが一人もいないこと。
あの予告編を見て、本当の家族が全く描かれないとは予想できないのではないでしょうか。
これは「シン・ゴジラ」も同様なんですが、あちらはプロの政治家やプロの官僚、プロ自衛官がひたすらゴジラを倒すために奔走するプロ志向?の映画としてまだわかります。
しかし「-1.0」は、限りなく家族とのつながりを希求するようなドラマでありながら本当の家族がいないという、ある種逆説的な家庭づくりの物語が敗戦直後のリアルを描いている気がしました。

近年、ゴジラ映画と「家族」の描き方が興味深いです。

2014年に公開されたギャレス・エドワース監督のアメリカ版「ゴジラ GODZILLA」なんかはもう完全に「家族」がテーマで、主人公も渡辺謙も、敵怪獣のムートゥですら家族のために戦っていました。
唯一「家族」と縁のない存在がゴジラというのも、その絶対的な強さでテーマ性を際立たせていたと思います。

今、ゴジラ(モンスター)バースシリーズの最新作「ゴジラ×コング」も公開中ですが、今後ゴジラ自身に「家族」ができたりする方向が生まれたりするのかな?という視点でも注目してみたいと思います。

Amazonプライムムービーの「ゴジラ -1.0」はこちら↓

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