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採用広報パーソンの仕事内容とは?必要な3つのスキルを紹介|採用広報TOBEマガジン #4

採用広報TOBEマガジンは、これからの採用広報の在り方、理想の姿を言語化し、企業の採用活動に生かせる情報を発信しています。

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採用広報パーソンの仕事内容とは?

採用広報は、企業が人材を採用する際に行う広報活動全般を指す言葉です。採用広報パーソンに求められるスキルは?という問いに答えるには、採用広報の業務理解が必要不可欠でしょう。

今回は、採用広報に必要なスキルを紹介する前段として、採用広報パーソンの仕事内容を整理していきます。

採用広報の守備範囲(概要と対象範囲)

採用広報とは、採用を目的として業界・企業にまつわる情報を求職者に対して広く発信する仕事です。発信の場は、自社の採用サイトおよびコーポレートサイト、求人広告などのメディアが代表的で、各メディアに掲載するコンテンツ制作やコミュニケーション戦略に関わります。

新卒採用では、就職支援サービス会社が運営する大手就職ナビサイト上で行うプレエントリー(学生登録の受付)または、インターンシップから採用広報がスタートします。

一方、中途採用では、エージェントから受け取る求人票、転職サイトから送信されるダイレクトスカウト、Web広告やSNSで流れてくる情報や、当該企業に勤めている人から耳にする話も採用広報の守備範囲となります。

「採用広報の仕事=採用ブログやSNS運用」と捉える人は少なくないものの、本来は上記のように幅広い起点から広報業務を担うポジションなのです。

続く章では、採用広報の仕事内容の具体例をあげて説明します。

仕事内容①企業・業界情報のリサーチ

採用広報が最初にとりかかる仕事は、担当する企業および属する業界のリサーチ業務です。担当企業の企業概要、設立背景にはじまり、事業内容、組織図、所属する人材やプロダクトといった情報を確認します。

また、企業が描く経営戦略・事業計画とそこに紐づく人材戦略・人員計画を言語化。将来のありたい姿/経営目標から逆算して、直近必要となる人材要件を整理し、課題抽出を行います。

仕事内容②人員計画・採用広報戦略立案

2つ目の仕事内容は、人員計画と採用広報の戦略立案です。リサーチと分析により抽出した課題をどのように解決するか?経営目標を達成するためのロードマップをどう描くのか?について協議を行います。

協議の際は、大きなテーマからブレイクダウンして企画を進めるのがおすすめです。採用広報戦略は、人員計画の中にある採用計画に紐づけて立案をしていきます。

経営目標>事業計画>各組織の目標>人員計画(採用・育成・配置)>採用広報戦略 この流れで分解していく。

仕事内容③求人情報(応募ページ)の作成

広報戦略立案の後、いよいよ具体的な実行フェーズに進んでいきます。最初に取り組むタスクは求人情報(応募ページ)の作成またはリライト業務です。

採用活動をマーケティングファネルに置き換えると、ろうとの広い部分から「認知→興味関心→応募→選考→内定」と進んでいきます。選考と内定フェーズを採用広報の守備範囲から外して捉えると、先端部分の「応募」フェーズから取り組むべきと考えられます。

●採用ファネル
認知>興味関心>応募>選考>内定

ただ、多くの企業ではいきなり採用ブログ(すなわち認知)に取り組んでしまい、バケツに穴が開いたまま水を入れ続けている状態です。
採用広報は、応募フェーズ(すなわち募集要項がまとまっている応募ページ)の作成やブラッシュアップが重要だと理解しておきましょう。

仕事内容④各ファネルの課題解決に向けたコンテンツを企画・制作

応募ページを整えたら、その後の仕事内容は企業によって変動します。「認知はあるのに選考離脱が多い」「求人情報さえ口頭説明すれば応募してもらえるのに、自社サイトから全く応募がない」といった課題にあわせて、適切なコンテンツを企画・制作していきます。

採用広報の進め方をこちらの記事で解説しているので、あわせてご一読ください。

採用広報に必要な3つのスキルとは?

採用広報パーソンには、リサーチ&分析による課題抽出力をはじめ、戦略立案や各コンテンツの企画・制作におけるクリエイティブ力も求められます。

採用広報クリエイターの私が考える「採用広報パーソンに必要なスキル」を3つピックアップしてご紹介します。

①抽象度の高いものを理解する力

1つ目の必要スキルは、担当企業や事業内容、経営理念やMVVといった情報を正確に理解する力です。

例えば、担当企業が八百屋さんだとします。八百屋は実店舗を持ち、野菜は誰もがご存じの商品です。実店舗の見た目や来店客の特徴、販売商品の野菜たちの生産者・生産地、味、成分、色つや、見た目、そこで働くスタッフの特徴を理解するのは、そこまで難しくありません。

一方、リアル店舗をもたないフルリモート社員が働く企業で、販売商品が無形商材だった場合はどうでしょうか?
採用広報の対象物が抽象的であるほど、正確にモノ・コト・ヒト・情報を理解することが難しくなるはずです。

形のない企業、事業をわかりやすく求職者に伝えるために、ビジネスそのものを理解する力が求められます。事業理解力を高めるには社外の異業種/異職種に目を向けて、各社の情報収集と言語化を繰り返す訓練が必要と考えます。

②アウトプット/クリエイティブ力

採用広報では、採用サイトや求人広告、採用ブログといったコンテンツ制作が必須となります。
1つ目の理解力とあわせて、「理解したものを正確に・わかりやすく・魅力的に」アウトプットしていくクリエイティブ力が必要です。

経営陣や自社の社員から聞いた情報を、そのまま正確に言語化すれば良いわけではありません。独自に得た情報を咀嚼して自分自身に落とし込み、求職者目線を意識しながらオリジナルのコンテンツを作成します。

例えば「自社は社員数が少なく1人あたりの業務範囲が広い」という情報を、そのまま求人に書く人はいないでしょう。求職者目線を意識すれば、「1人あたりの裁量や責任が大きい」などと言い換えるケースは多いはずです。

これは言葉遊びをして求職者を騙すという意味ではありません。物事の裏表を見つつ、求職者心理やトレンドを意識しながらコンテンツ化をするために、創造力・発想力が求められる仕事といえます。

③先を見据えて想像する力

採用広報パーソンは、過去や現在を見て分析をする力だけでなく、先々の未来を見据えて企画提案し、企業を導いていくスキルも求められます。

例えば「今年中に営業職を10名増員」といった目先の目標だけを見て戦略を立てたとしましょう。恐らく、営業職の魅力や報酬・評価基準、先輩社員のインタビューなどの企画を計画すると想定されます。

一方、「コロナが落ち着いて出社頻度が増えてきた。ハイブリッドワークを求める人とフルリモートを継続したい人の思考にどんな差があるのか。先々で求められる働き方とは」と、先を見据えながら戦略を練る場合はどうでしょうか。

営業職のやりがいやキャリアパスのみならず、これから求められる営業職の働き方とは?自社の営業は何故ハイブリッドワーク/リモートワークをしているか?今後またコロナのような社会課題に対面したときに、自社はどう向き合っていくつもりなのか、といった情報も含めて企画するはずです。

「求職者目線で」採用広報を行うことは当たり前ですが、先々の社会・トレンドまで目を向ける力は、意外にも見落とされているスキルだと感じています。

まとめ

採用広報パーソンとして長く働いてきた体験をもとに、採用広報の仕事内容や必要なスキルをまとめました。「採用広報は重要だ」「採用の発信を増やそう」と考えているものの、いまいち採用広報について理解しきれていない人のために、今後も情報提供をしていきます。

また、採用広報を月額10万円からはじめるサービスの提供開始を予定しています。ご興味のある人は、お気軽にお問い合わせください。

Satsuki Yokouchi(採用広報を起点に採用コンサルティングやHR専門の編集・ライターに従事するフリーランス)

jinji.writer@gmail.com



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