見出し画像

採用広報の進め方|採用広報TOBEマガジン #3

採用広報TOBEマガジンは、これからの採用広報の在り方、理想の姿を言語化し、企業の採用活動に生かせる情報を発信しています。

▼バックナンバーはこちら▼


採用広報の進め方

連載第3回目は、採用広報の具体的な進め方を解説します。多くのメディアで、採用広報のファーストステップは「採用ターゲットの明確化」と記載しているものの、やや不十分と感じます。
のべ1000社以上の採用支援に関わった経験と独自の見解をもとに、採用支援の進め方をガイドします。

1.現状整理/採用背景や目的の言語化

採用広報のファーストステップは、自社の採用状況を言語化して整理することです。経営者や人事と現場社員の認識のずれが起きないよう、企業状態をしっかり記録して共通認識をもつことがスタートと考えます。

次の項目について1つずつ書き出し、自社の状況を俯瞰して整理してみましょう。

・経営/事業計画と現状実績の整理
・経営/事業計画を遂行する上で必要な人員構成/人材要件の整理
・経営/事業目標を達成するために必要な人材と現状のギャップ(過不足人数は?人数は足りているけどスキルが足りない?等)
・上記ギャップをどのような手法で埋めるべきか(人材開発/アウトソースやツールの活用、人事異動、外部からの採用等)
・上記を整理しつつ採用背景をまとめ、採用の目的を言語化

私の経験上、上記の整理をとばして「どんな人材を募集しようか?」といきなり採用ターゲットを考えはじめてしまう企業は、採用で行き詰る傾向があります。

自社の経営目標や事業計画に照らして考えると、そもそも外部採用を行うべきタイミングではない(例えば自社雇用ではなくアウトソースの会社に頼る、専門システムを活用する)場合も少なくないためです。

また、事業計画や資金繰りを冷静に見つめ直すと、人材募集の費用を割くべきタイミングではないケースもあるでしょう。

2.採用ターゲットの明確化

次のステップは採用ターゲットの明確化です。採用ターゲットを定める際は、ペルソナ設定のフレームワークを用いながら、求める人物像を詳細にわたり設定することが多いです。

3.採用課題にあわせた採用広報の目的を設定
続いて、採用広報の目的を定めます。採用広報の目的は「母集団を増やす」といった大まかな目標ではなく、採用課題に紐づけながら独自の言葉で設定できるのが理想的です。

【具体例】
▼採用課題
ニッチな業種でそもそもGoogle検索されない。転職サイト上でも積極的に検索されづらい業種/職種であること
▼採用広報の目的
業種/職種の認知拡大が主目的。業界の市場の大きさや将来性を伝え、安定企業というブランディングを醸成し、母集団形成につなげる。業種や職種名ではなく、将来性や安定性、市場規模、高水準の給与設定などの周辺キーワードで集客を行う。
▼採用広報のサブ目的
広報活動を通して自社ならではのPR要素を確立。社内にも採用広報を浸透させることで、全社採用の体制を強化する。

3.採用ターゲットが求める情報をリサーチ

採用ターゲットを定めたら、さっそく自社コンテンツを発信しよう!と言いたいところですが、コンテンツを企画する前に丁寧なリサーチが重要です。

多くの企業は、求職者が知りたい情報ではなく「自社が発信したい内容」ばかりに焦点を当ててしまいがちです。
採用広報は採用活動のための広報ですから、求職者の心情を理解したうえで発信しなくてはなりません。

採用ターゲットが求める情報は、さまざまな方法でリサーチできます。最も手軽な方法は、大手転職サイトが行っている転職者向けのアンケート調査を活用することです。

よりリアルな情報を得るならば、自社の社員や応募者へのヒアリングを地道に行う方法が有効でしょう。

【具体例】
・転職サイトや転職エージェント、厚生労働省が行った転職動向資料を閲覧し分析する
・自社で働く中途入社者/新卒学生にヒアリングする
・競合他社の採用広報コンテンツをリサーチする
・業界紙やSNSなど複数メディアを活用して、転職活動の際に重視することや知りたいことは何か、リサーチをする

4.発信すべき内容/方針を決定

自社の現状や採用課題、採用ターゲット、市場で求められる情報リサーチなどの下準備ができたら、いよいよ発信すべき内容を検討します。

発信すべき内容は求職者ニーズによって変動するものの、必ず押さえたい項目は次の通りです。

【具体例】
・会社概要
・事業内容
・会社、事業の特徴(強み)
・採用ポジションの仕事内容
・働く人の特徴(社長や主要人物の紹介)
・給与、待遇、福利厚生
・働く場所、働き方
・人事制度
・企業カルチャー

採用広報では、労働条件通知書で提示する内容は一通り発信すべきです。求人広告や労働条件通知書では伝えきれない周辺情報を、小分けにして発信していくイメージを持っておくとわかりやすいでしょう。

なお、発信の仕方や書くべき内容は後の連載で解説します。

5.採用広報の手法決定

続いて、採用広報の手法を検討します。採用広報はWantedlyやnoteブログで発信するだけと捉える方もいますが、広報手段は多様化している現状です。

少なくとも、採用広報は次の記事で示すように10の方法に分類できます。

手法が多様化しているものの、最優先で取り組むべき施策は次の2つ+αと考えています。採用サイトと求人広告は、転職者が確実に目にするページであるため最優先となります。

次に、採用サイトや求人広告のページと整合性がとれるよう、自社のメディアや採用ピッチ資料を新規作成していくとスムーズです。

【最優先で取り組むべき2つ】
①採用サイト
②求人広告の見直し

【優先度高く取り組むべき2つ】
①採用オウンドメディア
②採用ピッチ資料

周りがやっているから/流行っているからと言って、いきなりYouTubeやX(旧Twitter)に手を出す企業様もいますが、あまりおすすめできません。

いくらSNSを頑張っても、採用の応募窓口となる採用サイトや求人広告の内容が不十分であれば、CV率が下がると考えられます。

6.広報コンテンツの企画・制作

採用広報の手法が決定したら、コンテンツの企画と制作に進みます。コンテンツの作成手順に明確なルールはありませんが、応募する際に必ず求職者が確認する内容から順に作成するのが鉄則です。

ステップ4でご紹介したように、応募する際に必ず提示すべき労働条件に紐づく情報を軸に、コンテンツを企画・制作していきましょう。

7.KPI(指標)の設定と効果検証

最後に、採用広報のKPI(指標)を設定し、効果検証のサイクルを回していきます。

採用サイトや求人広告などの既存メディアでは、PV数、応募数、選考通過率といった数値はすぐに確認できるでしょう。
一方で、新規メディアの場合は、3か月~6か月ほどかけて各数値を計測しながらKPI目標を立てていくのがおすすめです。

また、最初から「100万PVを目指す」と根拠のない数値設定をしたり、そもそも閲覧数ばかりに気をとられたりすると、施策継続が難しくなります。

採用広報ならではのKPIの立て方は、後の連載記事で詳しく解説する予定です。

まとめ

第3回目のコラムでは、採用広報の具体例な流れを解説しました。各ステップの詳細や注意すべきポイントは、後の連載で取り上げていくので更新をお待ちいただけたら幸いです。

採用広報にもっと取り組みたい、採用広報のコンテンツ作りのリソースが足りないとお悩みの企業様は、ぜひお問合せください。

1記事3万円~で取材対応も可能。求人広告のべ1000社以上、SEOメディアで年間200以上の記事を制作してきたノウハウをもとに、皆さまの採用活動を後押しします。

【お問合せはこちら】
中小企業やスタートアップを中心に、採用広報起点の採用コンサルティングを行っています。

HR-TOBE Consulting
Satsuki Yokouchi
jinji.writer@gmail.com


1人ひとりが安心してその人らしく働ける世の中づくりをしていきます!社労士勉強中の励みになります…応援よろしくお願いします\(^o^)/