見出し画像

【眼鏡士のホンネ】可視光調光レンズの評価


可視光調光レンズとは何か。

その前に1世代前の調光レンズ(フォトクロミックレンズ)についておさらいしておくと…

調光レンズ(フォトクロミックレンズ)とは

紫外線に反応し、色が自動的に変化する特殊なメガネレンズ。
室内や夜間ではクリア(に近い)レンズとなり、屋外では指定されたカラーに色づく。
基本的なカラーはグレー(ブラック)とブラウン。近年、その他ブルーやグリーン、ピンク系などにカラー変化するレンズも販売されている。

あくまで紫外線による反応なので、UVカットされた窓ガラス越しの室内や車内では濃度変化しない。(隙間から紫外線が入ってくる場合もあるので、多少色づくこともある)

また、カラー濃度は紫外線量や気温にも左右される。
晴天時には濃く色づくが曇天時などは濃度変化が低くなり色づきが薄くなる。加えて、気温が高いとカラーは薄くなりやすく、気温が低いと濃くなることが多い。
夏場のビーチよりは冬場のゲレンデの方が濃くなるイメージで良い。

可視光調光レンズとは

前世代の調光レンズでは紫外線による反応のみだったが、可視光調光レンズは名の通り可視光線(私たちが目に見える範囲の光)にも反応するよう作られている。

紫外線でも可視光線でも反応するので、運転時の車内など今まで対応が難しかった場面でも活用することが出来るようになりました。

また、レンズは無色でも有色でも紫外線は99.9%カットし、前世代の調光レンズより発色と退色の時間も短くなりました。

可視光調光レンズの評価

比較してみました

実際に室内と車内の中に可視光調光レンズを搭載したメガネをマネキンに掛けてもらい比較しました。

・室内

室内 / 窓際

・車内(晴天時 /車内温度28℃程度)

普通車(セダンタイプ)に乗車時


感想

前述したように周りの気温や光量によって差は出るかもしれませんが、思った以上に色づきませんでした。

車種によっても車内に光が入ってくる割合は違うと思います。
基本的に現在の車は運転者が運転しやすいよう車内空間も設計されていると思うので、意外と車内まで強い光は入って来ないと言うこともあるかもしれません。

もちろん、車外に出れば紫外線を浴びるので、さらに濃く目が透けない程度に色づきます。

広告でイメージされているような濃度変化は少し期待できないかもしれません。

総評

今回、室内と車内で変化を比べてみました。
意外と変化があったと思う方もいれば、反面、期待値以下だったと思った方もいるでしょう。

広告やコマーシャルは分かりやすいように、少し過大な表現をされているものも多いです。
そのような演出や販売員の盛った話に惑わされないよう、購入される方も適正な知識をお持ちください。

調光レンズは決して使い勝手が悪いものではありません。実際、海外では黄斑変性などの病気の予防にも使用されています。
用途をしっかりと抑えて頂ければ、最高の機能を持ったメガネ/サングラスとなるでしょう。

私は調光レンズをバイクに乗る方に特にオススメしています。
今のヘルメットはシールドの他にサンバイザーが搭載されているものもありますが、調光レンズ搭載のメガネなら自動で光を調整してくれるので運転時の手間や煩わしさもありません。

特にジェットヘルやオープンヘルとの相性は抜群です。

可視光調光レンズに興味がある方はどうぞご参考に。







この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?