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高齢者に必要な活動量って実際どの位?

こんにちは!さっとんです。
温かくなってきましたが、皆様元気でお過ごしでしょうか?
私は今年38歳になります。有酸素運動を毎日継続していましたが、しばらく筋トレ中心にシフトしようと企んでいる今日この頃です!
ペラペラの体に肉付けします!

あっ、話がもうそれましたが、今回は
「高齢者は一日どの位動けばいいの?」について私なりの視点でお伝えしていきたいと思います。

現在、デイケアで生活期リハビリをさせて頂いていますが、その中でも
「一日でどの位動けばいいんですか?」と聞かれることがあります。

私は自分の主観だけではなく、具体的な数値目標をお伝えできればと考えていました。

結論から申しますと

65歳以上の高齢者には一日、合計40分の身体活動です!
(ちなみに運動だけでなくても良い)

少し詳しく説明していきますね!

高齢者の場合強度を問わず、一日の身体活動(生活活動+運動)毎日40分行うことが勧められている
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」より

更に

横になったままや座りっぱなしにならなければ,どんな動きでもよいとされており,現状よりも少しでも動く時間を増やすことを目指すことが推奨される

との報告があります!

なので、シンプルに少しだけ「立つ」ことを繰り返して、合計40分でも良いことにもなります。

私はこれを勉強した時に、そんな短い時間でええんかい!と一人突っ込みを入れましたが、逆に考えると
「40分活動できれば十分ですよ!」と
ハードルを下げたアドバイスができるなと感じました。

運動以外の身体活動ってどんなこと?

では具体的な身体活動を上げてみますね!

3 メッツ未満の強度の身体活動

・皿洗いをする(1.8 メッツ)
・洗濯をする(2.0 メッツ)
・立って食事の支度をする(2.0メッツ)
・こどもと軽く遊ぶ(2.2 メッツ)
・時々立ち止まりながら買い物や散歩をする(2.0 ~ 3.0 メッツ)
・ストレッチングをする(2.3 メッツ)
・ガーデニングや水やりをする(2.3メッツ)
・動物の世話をする(2.3 メッツ)
・座ってラジオ体操をする(2.8メッツ)
・ゆっくりと平地を歩く(2.8 メッツ)

これ以外にもあると思いますが、これらも組み合わせて40分でOKです!

身体活動と痛みの関係

高齢者は様々な疾患を抱えていますよね。その中でも慢性的な痛みにより活動制限になる方も多くおられます。

痛みがある中で無理に動くことは大変であると思いますが、不活動が続くと廃用症候群の引きがねになったり転倒リスクが上がり、寝たきりになる可能性も高まります。

その中で

運動習慣のある者は無い者と比べて慢性疼痛の割合が少なく,65 歳以上の高齢者で特にその傾向にあることがうかがえる
また,必ずしも運動頻度が多いほど慢性疼痛保有率が低いわけではないことも示されている.

との報告があります。

私が興味深かったのは、運動を多く行っている方も、少しだけ運動を行っていた方も同じように痛みが少なかったとのことです!

なので特別激しい運動をしなくても少しだけ日常生活で動いたり、立つ回数を増やすだけで、65歳以降の慢性的な痛みを予防できる可能性がありますね!

今後は平均寿命が伸び、痛みによる不活動を予防できれば健康に過ごせる時間も多くなると思います!

それでも一日40分動くのも難しい方には?

厚生労働省の「アクティブガイド(健康づくりのための身体活動指針)」では「+10(プラステン)」として,まずは現状の生活から身体活動の時間を 10 分延長することを目指し,徐々に 1 日 40 分間の身体活動の確保に努めることが勧められている.

との報告もあります!

なので、個別に合わせてまずは少ない時間からスタートでも良いとのことですね。

活動量が低い方には
「10分で十分ですよ!」
「10分だけ立ってテレビ見てもいーかもしれませんよ(笑)」
等の声かけでも何か楽しいですし、ハードルが低くて意欲がわくかもしれません!

まとめ

・必要活動量は何をしても40分でOK!
・ハードル高い方は10分からでもOK!
・その活動を毎日重ねるだけで慢性痛を予防できる可能性あり

です!

具体的な数値があると、生活期だけでなく、退院後の活動量の目安や、訪問時の生活状況への改善等、様々な場面でアドバイスがしやすくなると思いお伝えさせて頂きました。

逆にこの基準をクリアしている方には「今のままでバッチリですよ!」と自信を持って前向きな声かけができると思います!

何かお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂き、本当にありがとうございます!

これからも高齢者のパフォーマンスアップをお手伝いしていきます!


参考文献
・高齢者の疼痛予防運動(レベルに合わせた運動療法)
(日老医誌 2020;57:260―266)

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