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劇団「態変」をご存じ? - ハンデってなんだ?

「身体障碍者の障碍そのものを表現力に転じ未踏の美を創り出す」というコンセプトに作られた劇団です。(以前は「劇団態変」という名称でしたが40周年を迎え「態変」と名称変更されたそうです。)

僕は知り合いの造形アーティストの方から紹介されて知ったのですが、素晴らしい活動だなと感動しました。まさか note で態変の劇団員※1の方とお知り合いになるとは予想もしていなかったので驚きました。
しかも、すでに大きなホールでの公演に出演されていたとは。

残念ながら劇団の性質上、劇団員を固定して全国ツアーなどは難しいため上記の関西公演にはほりべえさんは来られませんが、お近くの方は是非。
(僕は親の病院の付き添いでその間は身動き取れない状況で行けないのです。残念・・・)

  ・・・

僕がモータースポーツ(自動車競技)をやり始めたときの同期に中嶋努君というヤツがいます。
彼は元々二輪のライダーで YAMAHA の契約ライダーを勝ち取った直後、一般道で車の飛び出しに遭い、半身不随となってしまいました。
それでも彼はめげず、四輪競技に出場し始めたのです。

彼はその天賦の才であっという間にフレッシュマンチャンピオンを獲り、その後もどんどんステップアップして、僕より二足くらい先に全日本選手権進んでいきましたが、まだ一緒にフレッシュマンシリーズを戦っていた時のことです。僕は彼に言ったのです。

「中嶋君はそれだけハンデがあるのに凄いなぁ」

そしたら彼はこういったのです。

「ハンデなんて誰にでもあるんよ。お金がないとか、子供がいて時間が取れないとか、いろいろな。俺のハンデはみんなよりちょっと見えやすいだけや。」

それを聞いて自分の車の調子の悪さを愚痴ってる自分が恥ずかしくなりましたね。それ以降、そういう言い訳は一切しなくなりました。

彼の人柄に惹かれて、周りの人はみんな「コイツを何としてでも勝たせたい」と思うんですよね。
協力者がどんどん出てくる。
世の中にないデバイスを開発して中嶋君の運転をサポートしたりね。

JAF(日本自動車連盟:日本開催のF1からダートトライアルまで日本のモータースポーツを統括する)も最初は選手権がかかるシリーズでは中嶋君が使うデバイスを公認していなかったのに、彼と彼の協力者の人の熱意でそれを変えさせてしまったのです。本当に凄い。

身体障碍って確かに想像もできないくらい大変で「個々の身体的特性」なんて簡単に言ってのけられるようなものではないけれど、当事者なのにそう言ってしまえるくらいの「人間の強さ」を目にすると心の底から感動します。

なんだ、俺、馬鹿なことで悩んでたな。まだできること沢山あるじゃないか、ってね。

態変の公演は、そういうところに気づいてもらえるように思います。

きっと、まだできることはたくさんある、と思ってもらえると思います。

  ・・・

「悲観主義は気分が作り出すものであるが、楽観主義は意志によるものである」

アルフレッド・アドラー


※1
訂正がありました。劇団員ではなく横浜公演でのエキストラ出演とのことでした。

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