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内省的自我についての考察

家に帰ったら、彼女が内省的自我になっていた。

内省的になっていたのではない。
「内省的自我」そのものになっていたのだ。

抽象概念を彼女にした経験がなかった僕は、最初は戸惑ったが、3日もしないうちに慣れてしまった。

朝起きると、内省的自我的寝ぐせを直しながら、内省的自我的にコーヒーミルでコーヒーを挽き、内省的自我的にお湯を沸かし、内省的自我的なベーコンエッグを作る。

「抽象概念なのに、おなかはすくの?」

と訊いてみた。
彼女は答えなかった。
言われてみれば、内省的自我と世間話をした、なんて話聞いたことがない。
だから、これは当然のことなんだろう。

朝ご飯を内省的自我的に食べ終わって内省的自我的に出勤する彼女を見送って、僕は仕事を始めようと、歯を磨くために洗面所に行った。

鏡を見ると、いつの間にか僕は虚無的類似性になっていた。

やれやれ。


  ・・・

あ、「内省的自我」とか、「虚無的類似性」とか僕が勝手に作った言葉なんで、気にしないでくださいねw。

あ、まぁ、それはいいとして、ヒスイ氏(↓)、いよいよ、本格的に出版に向けてピッチ上げてきたよ。無料で読めるのは今だけ。オススメです。
あ、ちがうか! 無料で読んでも Kindle になったら買ってあげてね!!



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