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トゥッティ・フルッティ


昨年暮れに電子ドラムを買った。バンドをやらないか、ドラムをやってくれないかと誘われたからである。

wop bop-b-luma b-lop bam bom!

誘ってくれた友人二人は学生の頃からバンドをやっており、自分は昔のバイト仲間であった。音楽の趣味もまあまあ合うし、一緒にいて楽しい。
二つ返事でOKしたが、春から真剣にバンドをやりたい(メジャーデビューとかではなく)ということで、後日シッカリと話し合って決断した。
おれは中学生のころからバンド、もとい音楽活動に憧憬があったし、なにより彼らと同じまではいかないまでもより近いところで、そして今までよりも音楽について深く知ることが出来ると思い、嬉しかった。

友人の片方は楽器店で働いている。そこへ行って、その店で一番安い電子ドラムセット(といってもフルセットで80000円もする!)を購入した。ローンもできるよ、と言われ慣れた手つきで色々とやってくれたが、こんなフリーター野郎を審査で通すような柔な会社はどこにもなく、仕方なくATMまで走って現金で80000円を用意する羽目になった。おかげで貯金は致命傷を受け、もう虫の息だった。

二、三日後、ドラムセットが巨大なダンボールに入って届く。組み立てよりもダンボールの処理に骨が折れた。(今思うと、発送処理してくれたであろう友人のふざけたメッセージいりの封筒も一緒に捨ててしまったかもしれない) 自室に設置してみる。部屋のスペースの半分ほどを占めるようになってしまい、電子ドラムを避けて隙間を縫うように部屋の中を移動しないといけなくなった。だがいやでも練習するようになるだろうからいいか。

ポコン。椅子に座ってゴム板を叩く。ゴム板の裏の機械が振動やらなんやらを検知して電気信号に変換、そしてヘッドホンに出力する空気の振動、ドラムの音。ドン。いいじゃん。シンバルをぶっ叩く。ジャーン!!!いいじゃん。はじめてギターを触って、ジャーン と同じだ。これがロックのすべてかも。


wop bop-b-luma b-lop bam bom!


中学生の頃、太鼓の達人をよくやっていたので割とできると思っていたが、これがなんとも難しく、やっぱり手足を違うタイミングで動かすことに慣れない。
慣れない動作を繰り返して体に馴染ませる、リズムに乗せていく、これが練習か。人生で久々に練習っぽい練習をしている。楽しい。もっとうまくなりたいね〜


友人二人みたいに昔から軽音楽部で演奏とかしていたかったなあ…
いや、場所を与えられたとして、やっていたか?お前(おれ)は、軽音楽部に入ってネチョネチョしていたか?お前は?違うだろ?結局1人になりたがっていただろ?はやりの音楽なんてひとつも聴かないで、なれあいはごめんだと、あいつらは全員ダサいと、そう思っていただろ。それなのに、今になってこんな、取り返そうって?なにを悔やむって?うわあああああ


wop bop-b-luma b-lop bam bom!



このままバンドを始めたら、バンドマンで、服が好きで、フリーターで、たまにデザイナーにもなって、世間的には結構だらしないやつに分類されるな?

いやまあ、夢は叶ってる。会社に勤めてた頃よりも、確実にやりたいことをやれてるよ。どれも60%くらいの仕上がりだけど。今は


wop bop-b-luma b-lop bam bom!


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↑の日記の内容にもある、研修だけ受けて心が折れ、結局辞めたお店が2月末で閉店するらしい。ざまをみろ。

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