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2023年・亘理町議会議員選挙について考えてみる

2023年10月17日に告示・22日投票の亘理町議会議員選挙ですが、無投票により選挙戦は終了となりました。一時期、亘理町内では「選挙戦になることは間違いないだろう」と予想されていただけに、驚く町民は少なくなかったようです。しかし!驚くのはこれだけではなかったのです。

なんと、1名欠員の「定員割れ」で無投票になってしまったのです。これには私自身、声を出して驚くほどでした。定員割れでの無投票は、亘理町政が始まって以来、初めてのことだそうです。調べてみると、宮城県内では定員割れはこれまでに例はなく、亘理町が初めてとのこと。当初、18陣営が立候補説明会に出席していたと言いますから、急転直下で立候補を見送った方がいたということになります。

私は一人の町民として、これには大変危機感を抱きました。今回は準備が間に合わず立候補することはできませんでしたが、こんな展開が待っていようとは思いもせず、本当に衝撃でした。
亘理町議会は2023年8月の臨時会において議員定数を2減の16とする条例改正案が可決されました。つまり、これまでは議員定数が18名であったものが、16名へと削減されたのです。理由などについては長くなるので割愛させていただきますが、私個人としては歓迎すべきことであると思っていました。しかし、それが少なからず選挙に影響したのではないかと思っています。

今回は私なりに無投票&定員割れとなった原因について、考察してみようと思います。


考えられる原因①→議員定数削減

今回の選挙では新人候補が2名出馬されました。実はこの2名以外にも、立候補を検討している新人が複数名いるとの情報は得ていました。もちろん、出馬するものと考えてはいましたが、いざふたを開けてみると2名でとどまったというのが私の実感です。どの方も立候補へ向けて準備はしていたのだと思います。しかし、家庭の事情や現在従事している仕事の絡みで断念した方もいたのだと思っています。選挙に立候補するということは、本人だけではなく家族の支援や理解なしにはできないことですから。理解が得られなければ、やはり断念せざるをえないでしょう。

ですが、これだけが理由ではないような気が私はしています。別の理由、それは「定数削減」です。

今回は立候補せず勇退された議員の方々も複数名いらっしゃいました。その分、立候補すれば当選のチャンスと捉えても良いと思いますが、定数が2名削減されるとなると当選確率は下がってしまいますね。「もし落選してしまったらどうしよう」と考えることは不思議なことでもおかしなことでもありません。この定数2名削減によって立候補を躊躇した方がいたのではないかと思うのです。残念なことではありますが、きっと次回の選挙戦に向けて準備を進める方がいると信じます(自分を含めて)。

考えられる原因②→議員報酬

まず始めに、亘理町議会議員の報酬額(月額)を挙げます。

〇議長:323,000円
〇副議長:268,000円
〇議員:256,000円

調べてみますと、近隣の町議会議員の報酬も同じくらいの金額です。この報酬額は、町の規模や人口などで金額は決められていると思います。ちなみに、宮城県内の町議会で最も議員報酬(月額)が高いのは
〇柴田町:313,000円
です。

もちろん、お金目当てに町議会議員を志し立候補される方は、まずいないと思います。だから、報酬額が低くても「議員になって頑張るんだ!!」と高い志を持つ人だって当然います。しかしながら、議員だって人間ですから生活があります。家族もいます。扶養だってしなきゃなりません。そう考えると、議員報酬の25万円だけでは生活が出来ないと考える人がいても不思議なことではないです。せっかく議員を志そうと思っていても、この報酬額が足枷になり若者が立候補しない原因の一つになっていると思うのです。

現職の議員では自営業をしている方もいます。自営業の方がいるんですから、会社が許すならば会社員のまま議員に立候補&活動しても良いと思います。もちろん、議員としての公務が最優先であることを付け加えます。

議員報酬は町民が支払っている税金によっていただくものです。そのため、簡単に議員報酬を上げるといった提案はできないと思います。ですが、この機会に考えてみる必要もあるのではないでしょうか。

考えられる原因➂→議員の仕事が見えにくい

これは大いにあるのだと個人的には思っています。議員の仕事ぶりは亘理町議会のホームページや広報誌、議員個人のSNSで広く伝えられています。私は興味のある側にいますから、こまめにチェックしています。

ですが、私のように興味を持ってチェックする方は町民の中でどれほどいるのでしょうか。余程興味を持たない限り、議員がどんな仕事をしているのかを知ろうと思う方は少ないように思います。

今回の選挙の結果を亘理町選挙管理委員会の委員長は、地元紙の取材に対して「議員の仕事への理解が、町民に浸透していないのかもしれない」と語っています。まさにその通りなのです。そうであるならば、やはり議員の仕事や活動内容を町民に興味を持って知ってもらえるような、起爆剤となるような対策を立てなければならないと思います。

お隣の岩沼市では、議会公式のフェイスブックを立ち上げて、議員の活動をアップして伝えるという工夫をしています。

現在はSNSも浸透している世の中ですから、使えるものは使うというのもありだと思います。まずは行政が行動を起こしてみることが大切ではないでしょうか。

結びに・・・。

議員のなり手不足は亘理町のみならず、全国各地で叫ばれていることです。

このまま議員のなり手がどんどんと減り、選挙も無投票となれば民意の反映が難しくなり、議会も活発にならないと考えます。今回の一件で、様々なことを考えさせられました。

一人の町民として、なり手不足の解消は強く願うところです。これからも危機感を持ち、声をあげていきたいと思っています。

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