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デンマークで子どもの本の仕事をする

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デンマークで子どもが本と出会うお手伝いをしてきました。さまざまな仕事や取り組みを通して教えられたこと、考えたことを綴っていきます。
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記事一覧

消えた日本語の本と、それを追いかけた長い長い旅

〈はじめに〉 ずっと書きたいと思いつつなかなか文章にできないことってありませんか。これか…

さわぐり
1か月前
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19. 児童文学に灯りを求めてやってくる人々

コペンハーゲンにある児童書専門店で働いている。0歳児向けの厚紙絵本から16歳ぐらいまでが対…

さわぐり
1か月前
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◇18. 「知」のデモクラシー、図書館にできること

「児童図書館の役割は、どんな家庭背景をもった子どもにも本をはじめさまざまなメディアに触れ…

さわぐり
2か月前
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◇17. 情報とどう向き合うかを教える学校図書館

学校図書館では、国語の授業の一環として図書館へ本を借りに来るクラスの選書を手伝うことや、…

さわぐり
4か月前
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◇16. 難民としてデンマークへきた子どもたちとの出会い

休み時間になると、アミーナはよく図書館へやってきてはわたしにあれこれ話してくれるようにな…

さわぐり
6か月前
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◇15. 学校図書館での日々(2)

シリアから来た子どもたちは、それぞれ学年やクラスが割り当てられ、デンマーク人のクラスメー…

さわぐり
8か月前
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◇14. 学校図書館での日々

子どもたちからの冷ややかな歓迎で始まった学校図書館での仕事。最初こそグッとこらえる場面はあったけれど、時間の経過とともに、子どもたちから少しずつ受け入れられてきたかもという手ごたえを感じ始めていた。 「〇〇の本が借りたい」に応える 働き始めてまず驚いたのは、この学校では図書館が授業にしっかり組み込まれており、低・中学年を中心に、ほとんどのクラスが週に1時間ずつ国語の時間を「図書館の時間」に充てていたことだった。新学期が始まり、同僚が白紙の時間割表を張り出すと、先生たちが我

◇13. わたしは外国人

捨てる神あれば拾う神あり、とはこのことか。1年9か月働いた公共図書館と突然お別れをするこ…

さわぐり
11か月前
50

◇12. 突然の行き先変更

郊外の公共図書館に期限付きで採用され、その後、期限付きで2回契約を更新している間に、同僚…

さわぐり
1年前
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◇11. ドキドキ、学校訪問

郊外の公共図書館に1年の契約で採用され、結局その図書館では2回の雇用期間延長で合計1年9…

さわぐり
1年前
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◇10. 狭き門

仕事を探しながら毎日コペンハーゲン中央図書館で千本ノックを受けてきた6か月。この契約は制…

さわぐり
1年前
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◇9.求職中の千本ノック

コペンハーゲンの図書館に日本語の絵本や児童書を届けていた間に息子は保育園が決まり、わたし…

さわぐり
1年前
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◇8. コペンハーゲンの図書館に日本語の子どもの本を届け続けた日々のこと

BOOK STARTの仕事と図書館のカウンター業務、児童書の整理をしながら、デンマークの図書館で少…

さわぐり
1年前
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◇7. 絵本は文化を知る窓になった

図書館の仕事の日に毎回4,5冊デンマーク語の絵本を持ち帰り、夫に読み聞かせをしてもらって娘の反応と夫の感想をメモる日々。デンマーク語の絵本は自分でもそれなりに理解はできるけれど、読み聞かせはネイティブの夫にしてほしいと常々思っていた。声を出して読むとき、どこで抑揚をつけるのか、どこで盛り上がるのか、それを言語のハンデなく1回目からさらっとできるのはわたしではなく夫だろうと思っていたからだ。 その代わりわたしは日本語の絵本を娘に読んだ。デンマークに住んでいるとそうそう日本語の