✅50代女性【社長の姉が隣席 うるさい】を選択理論でコーチング人生案内#119

「50代の女性会社員。10人ほどの事務員が働く事務所に就職して1年になりますが、隣席の60代女性の絶え間ない独り言に参ってしまっています。」

「この手紙何だっけー」「これを○○さんにメールしてー」など、黙ってできることを全て口に出します。声も普通の会話以上の大きさ。仕事に関することだけでなく、「おなかすいたなぁ」「今日の晩ご飯何だっけー」と言ったり、「ニャー」と猫の鳴き声をまねて叫んだりもします。

 実は、この人は社長の実姉で、怖いとか権力を振りかざすとかいうことはないのですが、注意しにくい雰囲気で誰も何も言いません。私がたまに相づちをうつなど、相手をするべきなのでしょうか? 社長の身内だからあきらめるべきなのでしょうか? 一度上長に相談しましたが、その人もまあまあ独り言を言う人で深刻に受け止めてくれませんでした。私が過敏なのでしょうか?(大阪・B子)

(2022年6月6日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・社長の姉である隣席の事務員が、絶え間なく、独り言を言うので、うるさくて困っている。

相談者の「願いごと」

・私がたまに相づちを打つなど相手をすべきなのか、社長の実姉ということで、今の状態を諦めた方がいいのか、どう対応すればよいのかを知りたい。

相談者が満たせていない(満たしたい)基本的欲求


(愛所属の欲求、力・自己価値の欲求) 

【コーチングモデル】

【選択理論の考え方】

・「相手に自分が振り回されていることに気づきましょう」

「相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。」

・「同じするなら、仕方なくしたり、いやいやさせられてでなく、進んでする方が自分のコントロール感も高く、自由度も広がる」と考えましょう。
 
「相手が満たせていない、相手にとって大事なニーズや価値観が何か」を考えましょう。

「相手がこちらにしてほしい行動で、してあげられるものがあれば、積極的に協力し貢献しよう」と考えましょう。」

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「社長の姉である隣席の事務員の、仕事中に絶え間のない独り言」に、自分が振り回されて、困っている。

・たまに相手をすべきか、今の状態を諦めて受け入れるべきか、どうすればいいのかが、わからなくて困っている。
(かっとうに悩んでいる、自分の願いごとがわからない)


以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。

【心に響く回答者(最相葉月さん)の言葉】

社長の姉。それだけで会社での居心地の悪さを想像してしまいます。彼女が弟に雇われた経緯はわかりませんが、会社に実の姉を置いておけば、社長としては自分が不在中に何があったか報告を受けることができる。社員のほうも、とくに上長クラスはまるで間接的に社長に監視されているような気分かもしれません。

 あなたはまだ事情がわからないでしょうが、上長の態度から察するに、彼女はほかの社員とあまりコミュニケーションがとれていないようですね。

 独り言にもいろんな種類があって、場合によっては医学的な理由を考えなくてはなりませんが、支離滅裂なことを口走っているわけではないようですから、たんに人の注意を引きたい、誰かと話をしたいという 想おも いから言葉が漏れ出てしまうのでしょう。

 あなたから話しかけてみてはいかがですか。独り言への応答ではなく、別の話題をふってみる。「今朝、 紫陽花あじさい がきれいに咲いていましたね」でもいいのです。ランチに誘われたこともない人だと思います。

 独り言は誰かに助けてほしいというSOSでもあります。あなたはそれを受信したのです。

(2022年6月6日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・相手の「社長の姉」の方も、職場での普通の人間関係や、コミュニケーションが苦手な方なのかもしれませんね。

・もし、この人が社長の姉でなくて、普通の事務員だったとしたら、この人がどんな態度や行動をとってくれればいいと、あなたは期待しますか。

・もし、この人が、普通の事務員だったら、職場で、この人とどんな人間関係がもてたらよいと思われますか?

・あなたが望んでいることが実現できるようになるために、本当はその人にどんなことを言いたいですか、リクエストしたいですか?

・今までその人と「口をきいたことがあまりない」ということであれば、そもそも、その人との人間関係ができていないようにも思えますが、今の段階で、その人にずばっと、一方的にリクエストを伝えたら、相手はどんな気分になるでしょうか? また、相手の気分は、相手が「社長の姉」であるか、「普通の事務員」であるかで、違いがありそうですか?

・もし、相手の人が「社長の姉」であるかどうかにかかわらず、職場での普通の人間関係が、その人との間にできていて、普通に会話が交わせるようになったとしたら、「その人の独り言」には、何か変化が起きてきそうですか? また、あなたの相手に対する行動について、今と違う選択肢が出てきそうですか?

・「独り言」なので、周りの人は、なかなか反応しにくい内容のものが多いかもしれませんが、もし、「相づちを打とう」とあなたが決めたとしたら、どのような「独り言」なら、どんな相づちが打てそうか、10個、挙げてみてください。

・仮に、今までしてなかった「相づち」を打った場合、最悪の事態としては、どういうことがありそうですか?

・また、「相づち作戦」が非常にうまくいった場合には、どんな良いことがありそうですか?

・一般的に、職場での普通の人間関係を作っていくためには、相手の方とどんなコミュニケーションをとることが必要ですか?

・その人は「独り言」をいうことで、周りの人にどんなことを伝えたいのでしょうね。あなたが周りに聞こえるように独り言を言うとしたら、それはどんなときでしょうか? 

・その人には、今の職場で、何か満たされていないもの、これから得たいものがありそうですか? もし、その人が得たいものについて、あなたが協力できたり、貢献できたとしたら、その人にとって、あなたはどんな存在になりそうですか?

・以上のようなことが、よい方向でうまくいったとしたら、今の状況には、どんな変化がありそうですか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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